おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO9001:2015 各箇条解説シリーズ、今日は9.1.2「顧客満足」を解説します。そもそもISO9001って何をめざしている規格なのか、という「そもそも論」にもつながってくる部分です。
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箇条9.1.2「顧客満足」の位置づけ
ではまず、箇条9「パフォーマンス評価」における9.1.2「顧客満足」の位置づけから見ていきましょう。
箇条9「パフォーマンス評価」は、品質マネジメントシステムが、本当に成果を生んでいるか、うまく機能しているかをチェックする部分でしたね。
箇条9.1は、成果がでたかどうかを測るために、監視、測定をし、分析と評価もやりなさいと言っています。今日お話する箇条9.1.2「顧客満足」では、顧客がわが社の製品やサービスについてどう受け止めているかを監視しなさいと言っています。
9.1.2の背景にある「そもそもISO9001は何を目指しているか」
では9.1.2「顧客満足」の要求事項を見ていきましょう。
冒頭でも訊きましたけど、ISO9001って何をめざしている規格なのか、皆さん覚えていますかね?
規格の箇条0.1という、かなり最初の部分にも書いていることですが、ISO9001に基づく品質マネジメントシステムを実施することで「顧客満足が向上できますよ」って書いているんですよね。
よく「ISOとっていても、あの会社の製品はポンコツじゃないか。ISOは役にたたんじゃないか」みたいなことを聞くことがあります。それはある意味正解でして、どうしようもない製品でも、それをしっかり手順を守ってプロセスを管理しながら作っていれば、ISO的にはOKなんですよ。ISOの認証をうけたということが、その認証を受けた企業が作っている製品がすばらしくて、顧客の要求事項に完璧に適合しているという保証って、残念ながらないんですよね。
ないんですけど、やっぱりそれじゃダメじゃないですか?文書管理や、記録管理。力量や測定機器の校正なども大切ですが、そういうのをやった結果として、本当にお客さんの要求を満たすことができたのか?ということについては、しっかりと監視をしないといけません。ということで、この9.1.2では、顧客満足、すなわち顧客がわが社の製品・サービスをどう受け止めているかを監視してレビューしなさいと言っているわけですね。
顧客満足を確認する方法の例
そして、顧客がわが社の製品・サービスをどう受け止めているかを確認する例として、注記にいろいろ挙げられていますね。
わたしの勝手な思い込みかもしれませんが、この9.1.2で顧客満足を監視する手段としては、顧客アンケートのようなものを年1回やる、という会社が多いように思います。でもアンケートやるのも大変ですから、別にアンケートじゃなくてもいいんですよね。
ここに例がたくさん上がっていますから、自社にとって顧客満足を測る最も適切な方法が何か?というのを考えてみて下さい。
ちなみに私の仕事、コンサルティング業での顧客満足の監視方法としては、アンケートってあまり適切ではないかもしれません。コンサル業って、お客さんと持ちつ持たれつの部分、わるくいうとなあなあな部分があるので、アンケートをやっても「今村さんの機嫌を損ねるようなことも書けないな」と思うお客さんもいるはずなんですよね。
もちろん、アンケートなんかしなくても、面と向かって「今村さんのそのやり方おかしいよ」と言ってくれるひともいるんですけどね。
一般論としていうとBtoCで、しかもCの裾野がとても広いというようなビジネスだと、アンケートも有効かもしれませんが、BtoBで限られた顧客数の場合は、別にアンケートでなくてもいいんじゃないかとは思いますね。このあたりの、監視方法の適切性、妥当性というのもしっかりと確認をする必要がありますね。