おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001:2015箇条6.1.2の解説をします。今日のテーマは環境側面なんですが、この環境側面という言葉はわかりにくいですが、とても重要なキーワードです。3回にわけてじっくりと解説していきたいと思います。
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箇条6.1.2の位置づけ
それではまずは箇条6.1.2の位置づけを解説したいと思います。
箇条6.1.2では環境側面と環境影響を定めます。環境側面とは、環境に与える良い影響や悪い影響を及ぼす要因や原因のことです。環境側面を決めるときは、箇条4で整理した課題や要求事項も踏まえます。
環境側面を決定したら、箇条6.1.1では、その環境側面がもたらしうるリスクや機会を決めます。
つづいて、箇条6.1.4では、決定した環境側面や順守義務、リスク・機会などどう対処していくか、取り組みのための計画策定をします。こういう流れの中に、箇条6.1.2は位置づけられています。
そもそも環境側面とはなにか
そもそも「環境側面」って言葉はわかりづらいですよね。馴染みのない言葉ですし、日常会話で使うようなものではないですよね。
簡単に言うと、環境側面というのは、環境に良い影響や、悪い影響を及ぼす要因や原因のことです。
例えば、重油ボイラーを使っているという会社は、「重油の使用」や「二酸化硫黄、窒素酸化物、二酸化炭素等の排出」という環境側面が考えられます。この「重油の使用」が原因となって、環境影響が生じるんですね。
重油を使用し続けたら、結果として、天然資源が涸渇しそうですよね。また、重油を燃焼させると二酸化硫黄が出る場合があります。二酸化硫黄は慢性気管支炎、喘息を引き起こすとされていますので、工場の近隣住民の健康に影響を与えそうですよね。二酸化炭素はご存知の通り温室効果ガスなので、地球温暖化や地球温暖化に伴う気候変動に起こしそうです。
このように、環境影響と環境側面は因果関係になっているともいえます。そしてISO14001は、この因果関係における因の部分……つまり、環境側面を管理することを求めています。
結果である環境影響を変えるには、その原因である環境側面に手を付けないといけませんよね。なにか問題が起きたときは原因に対して手を打ちなさいというのがISOの基本的な考えですから、ISO14001においても、環境に影響を与える原因である環境側面の管理が重視されているわけです。
そして箇条6.1.2では、このような環境側面と環境影響を決めなさいと言っています。どうやって環境側面と環境影響を決めていくかについては、次回以降に解説をします。