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【内部監査レベルアップ講座】有効性審査とはなにか&そのポイント(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

内部監査レベルアップ講座、今回は「有効性審査」について解説をします。「有効性審査」とは何か、そして「有効性審査」をするにはどういう点がポイントになるかということについて2回に分けて解説をします。

動画でも解説しています(無料・登録不要)

監査とはなにか

そもそも「監査」とはなんのことでしょうか。これについてはISOで決められた定義があります。「監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス」ですね。

これだけだとよくわからないかもしれません。監査基準というのは、ISO9001の監査でいうと、ISO9001の規格だけでなく、マニュアルや規程類もありますし、関連する法律などもあるでしょう。こうした決まりごと、ルール通りに仕事をしているかどうかを判定するのに必要なのが、監査基準ということですね。

そのためには、監査証拠を収集します。証拠がないものに対してダメ出しをしてはいけないんですね。刑事裁判と一緒です。自白だけでは証拠とは認められなくて、物的証拠がないと有罪にはなりませんよね。証拠を収集して、それを客観的に評価するということですから、監査員独自の思い込みなどではなく、誰が見てもこれはOK、ダメということがはっきりわかるような証拠をもとに、評価をする必要があります。

つまり監査を一言でわかりやすくいうと、「決められたルール通りに仕事をしているかどうかを、客観的な証拠に基づいて評価すること」と言ってよいでしょう。そして監査では、文書(例えば計画書とか報告書とか、チェックリストとか)をいろいろ用いて、監査をすることが求められています。

監査の種類(誰がやるかに着目をして)

監査と一言に言っても、いろいろな種類に分けられます。まずは監査を誰がするかに着目して、監査の種類を説明します。

誰が監査をするかに着目した場合、大きく内部監査と外部監査に分けられます。内部監査とは、自社が自社を自ら監査することで、いわば自己チェックと言ってもよいでしょう。内部監査は第一者監査とも呼ばれます。一方外部監査とは、自社ではない他の会社が自社を監査することです。

外部監査は2つの種類があります。ひとつは第二者監査です。これは、お客さんからの監査をイメージしてもらえると一番わかりやすいと思います。自社と取引上の利害関係のある他の会社から監査を受けることですね。

そして外部監査のもう一つの種類は第三者監査です。これは、取引上の利害関係の薄い会社、具体的にはISOの審査機関のような会社が、わが社を監査するというやり方です。利害関係が薄いからこそ、より客観的な監査ができるということで、ISO9001の認証審査や維持審査、更新審査は第三者監査で行う事になっています。

今日のテーマである内部監査は第一者監査なので、自分で自分をチェックする監査ということですね。

監査の種類(どうやってやるかに着目して)

つづいては監査をどのようにするかに着目して、監査の種類を説明します。どのようにするかに着目した場合、大きく逐条審査と有効性審査に分けられます。

逐条審査とは、ただ単純に、ISO9001の条項ごとに、要求事項を満たしているかを判定する審査です。たとえば、チェックリストを上からなぞっていくような審査みたいな感じですね。

一方、有効性審査というやり方があります。こちらは、システムとして有効に機能しているかどうか、パフォーマンスが向上しているかどうかを判断する審査です。チェックリストをひとつずつなぞっていくのではなく、監査先の部署の仕組みの回し方が、効果を生むような回し方になっているかどうかを確認する審査ですね。たとえば、適切な品質目標が立てられているかどうかや、目標達成のための取組計画が妥当かどうかまで確認するような審査ですね。それでいて、審査の結果、パフォーマンスの向上につながるような審査のことを有効性審査といいます。

逐条審査がダメで有効性審査がよい、と簡単に言うつもりもありません。ISO9001をやり始めたばかりの会社や組織、部門などは、まずは逐条審査で、決められたルール通りに仕事をしているかどうかを重点的に確認するのがいいでしょう。そして、決められたルール通りに仕事をするということが定着した場合は、そのやり方で効果が上がっているかどうかを見る有効性審査の割合を増やしていくというようなメリハリの付け方もあります。

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