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有効性審査とはなにか&そのポイント(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

内部監査レベルアップ講座、今回は「有効性審査」について解説をします。「有効性審査」とは何か、そして「有効性審査」をするにはどういう点がポイントになるかということについて2回に分けて解説をします。(今回が2回目)

前回の記事はこちら

【内部監査レベルアップ講座】有効性審査とはなにか&そのポイント(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 内部監査レベルアップ講座、今回は「有効性審査」について解説をします。「有効性審査」とは何か、そして「有効性審査」をするにはどういう点が ...

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有効性審査の事例

有効性審査の事例をふたつ紹介します。

まず最初の事例ですが、審査での客観的な事実として、次の4つが判明しました。最初の点は、製造1課の品質目標を確認したところ、「工程内不適合件数 年間16件(昨年度20件)」だった、次の点は、第3四半期の時点で工程内不適合の年間発生件数が11件だった、3点目ですが、ところがコロナ禍により、製造1課の生産数量も昨年から4割ほど減っていることがわかった、4点目としては、生産数量が回復する期待もあったので、品質目標は変更しなかったことがわかった。

これはどういうことかわかりますか?数値だけを見ると品質目標は達成しそうなんですけど、その理由が改善が捗ったからというよりも、生産数量が少なかったからたまたま達成しそうだという疑いがある、ということですね。こうした状況に対して、審査員は、目標数値は絶対数(件数)ではなく、生産量を考慮した値(不良率等)に見直す余地があることを指摘しました、という話しですね。

ふたつめの事例です。こちらも審査での客観的な事実として、次の3つが判明しました。ひとつめ。製造1課では、目標(工程内不良率0.3%以下)が2年連続で未達だった、ふたつめ。クレーム原因の分析結果を見ると、設備の不具合による不良が最もおおいことがわかった、みっつめ。設備の不具合の修繕は「コストがかかるから」という理由で、部長に報告されていなかった、ということですね。

要は、上司に忖度して、設備の不具合を報告しなかったということです。こうした事実に対して、審査員は、設備状況の共有方法や、現場の問題が上層部に伝えられる方法に改善の余地があることを指摘しました。

有効性審査とはこのような感じで、単にチェックリストを一つ一つ確認していくようなものではありません。監査のなかで事実を積み重ねていき、何が真の問題なのかを解き明かす、いわば「推理」みたいなものだといえます。そして、真の問題に対して手を打つことを指摘することで、不良率の改善というパフォーマンス向上につながるというわけですね。

有効性審査のポイント

では有効性審査をする場合、どういう点に注目すればいいでしょうか。これは私の経験則でもありますが、この5点を今日はお話したいと思います。

まず最初は目標と、その結果(達成度合い)を確認することです。単に目標があるかどうか、目標には測定可能な指標があるかどうかを見るのではなく、目標に対して結果はどうだったか、達成度合いはどうだったかを確認します。そして目標の達成度合いは、数年間の傾向を見ると、また違ったものが見えてくるかもしれません。仮に今年、目標が達成していたとしても、毎年似たような目標を立てていて、毎年同じように目標を達成しているようであれば、もしかしたら簡単に達成できそうな目標を立てているかもしれませんもんね。

2点目です。達成していようがいまいが、その理由も確認したいところですね。なぜ達成できたのか、なぜ達成できなかったのかという理由ですね。さらには程度の差にも着目したいところです。目標が100点だったのに、実績が98点でしたというのと、目標が100点だったのに、実績は20点でした、というのでは、どちらも「目標未達」には違いはありませんが、その内容は明らかに違いがありますよね。その程度の差についても、理由を探していくと、何か見えるものがあるかもしれません。

続いて3点目ですが、目標の妥当性を確認します。先程の有効性審査の事例でも見ましたが、仮に目標を達成したとしても、その理由が改善が捗ったからというよりも、生産数量が少なかったからたまたま達成しそうだというのであれば、もっといい目標の立て方があるはずですよね。本当に改善の成果を測る上で、その目標で正しく測れるのかということなどを確認するということですね。

これまで1~3は、目標のことについて話してきましたが、有効性審査においては、箇条9で求められている監視測定や分析評価について深く確認していくことも重要です。というわけで4点目は監視方法・測定方法の妥当性についてです。もっと別の監視項目や測定項目があるんじゃないかとか、監視や測定の頻度を見直す余地があるんじゃないかといった観点ですね。

そして最後ですが、分析方法の妥当性の確認です。得られた情報をもとに分析をするわけですが、もっと深い分析ができないかという観点ですね。単に不良の件数をカウントするのではなく、製品別や要因別、作業者別、もしかしたら作業時間別などに層別して分析すると、なにかわかるかもしれませんよね。
まずはこのような点を頭に入れて監査をするというのが、有効性審査の取り掛かりではないかと思います。

内部監査では逐条審査も大事

前回も触れましたが、逐条審査がダメで有効性審査がよい、と単純に言えるものではありません。

内部監査は、仕事についてよくわかっている社内の人が社内の監査をするわけですし、審査の時間も比較的取りやすいので、外部審査と比べても、細かい点までチェックが行き届くというメリットもあります。だから逐条審査で、決められたルール通りに仕事をしているかどうかをしっかり確認できるのは、内部監査だからできるという面もあるんですよね。なので、逐条審査と有効性審査のメリハリをしっかりつけて、内部監査をするのが理想かなと思います。

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