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2023年ものづくり補助金概要についての続報!もの補助は令和6年度まで2年間続く

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

12月12日、中小企業庁は「令和4年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の概要」という資料を公開しました。来年(2023年)からのものづくり補助金の続報がこの資料に記されています。資料を完全解説します。

中小企業庁資料「令和4年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の概要」はこちら

2023年ものづくり補助金 PR資料(再掲)(P1)

公開された資料の1ページ目は、11月10日に公開された経産省の『経済産業省関係令和4年度第2次補正予算案の事業概要(PR資料)』という資料の再掲です。

このスライドは2023年ものづくり補助金のおおざっぱな概略を示したものです。この資料の中でおさえておきたいポイントとしては、①大幅な賃上げをする企業には補助金額上乗せ、②グリーン枠では補助額が拡充、③グローバル展開型でなんらかの措置がある、④予算が昨年度よりも減額、という4点くらいでしょう。この3つのポイントについては、この後で詳しく解説します。

2023年ものづくり補助金「ものづくり補助金の全体像」(P2)

2023年のものづくり補助金の申請類型(申込みプラン)が示されています。これは「告知チラシ」に書かれていた情報と同じです。ポイントとしては3点あります。

まずグリーン枠の新しい類型であるエントリーとアドバンスの、補助上限額の詳細が明らかになった点です。やはり従業員規模で補助上限額が変わるという設定になっていました。

次にグローバル市場開拓枠の補助化減額が100万円に引き下げられた点です。第13次締切までのグローバル展開型では、補助金の下限額が1,000万円でした。つまりこれまでは最低でも1,500万円、ないしは2,000万円の投資が必要だったものが、150万円からの投資でも申請が可能になったということです。

3点目は、大幅な賃上げに取り組む事業者への支援として、大幅な賃上げに取り組む事業者は補助上限を引き上げることになりますが、それが100万円から段階的に上乗せになるとい点です。(以前のPR資料では「最大1,000万円上乗せ」として書いていませんでした)

2023年ものづくり補助金「ものづくり補助金の見直し・拡充」(P3)

 

続いてのスライドは、2023年以降のものづくり補助金が、現行の制度とどう変わるかとい点について触れています。まず注目したいのが、「令和6年度まで切れ目なく公募を実施予定」という点です。11月に公開された資料でも予算額が「国庫債務負担含め総額4,000億円」と書かれていたので、複数年の事業であることが匂わされていましたが、令和6年度まで……つまり2年間はものづくり補助金が実施される予定であることがはっきりしました。

続いて現行との制度の主な変更点5点です。

まず「1.大幅賃上げへの上乗せ支援」ですが、これは先程も見たように、大幅な賃上げに取り組む事業者は100万円から段階的に上乗せになり、最大で1,000万円上乗せされます。これについては後で詳しく説明します。

「2.グリーン枠の拡充」も、先程のスライドで見たように、エントリーとアドバンスという2つの類型が新たにできて、アドバンスの場合の補助上限額が最大で4,000万円になった、ということです。

「3.海外展開支援の強化」は、海外市場開拓向けの類型として「JAPANブランド」という類型ができます。その類型に関しては、「ブランディング・プロモーション等に係る経費」、つまり販促費用が対象になります。

「4.認定機器・システム導入型の新設」というのは、これまでになかった情報です。後で詳しく説明をしますが、これは次年度以降の予算から実施なので、令和6年度、2024年度からの開始になるのでしょう。

そして最後、「5.その他」ですが、ビジネスモデル構築型は廃止となるようです。

これらの5点については、下記に詳細に解説します。

2023年ものづくり補助金「1.大幅賃上げへの上乗せ支援」(P4)

大幅な賃上げに取り組む事業者は100万円から段階的に上乗せになり、最大で1,000万円上乗せされるという新しい制度の詳細が書かれています。

まずは【現行要件との比較 】のところを見るとわかりやすいですが、ものづくり補助金の必須要件である「給与支給総額年率1.5%以上向上」と「地域別最低賃金+30円以上」に加えて、給与支給総額はさらに年率4.5%以上引き上げ(トータルで年率6%以上引き上げ)、かつ、「事業場内最低賃金+45円以上」を満たさないといけません。給与支給総額とは、従業員や役員に支払う給料、賃金、賞与のほか、各種手当を全て合計した額のことです。事業場内最低賃金とは、その会社で働いている人の給与を時給換算したときに、最も低い時給で働いている人の時給額のことを言います。

また「賃上げにかかる計画書」というものを提出する必要があるようです。この計画書は指定の様式が設けられるのか、それとも独自で作成しなければならないのかは、今のところわかりません。

そして賃上げが未達成の場合は、上乗せ分については全額返還を求めるようです。

毎年給与支給総額を6%上げて、「地域別最低賃金+30円以上」に加えて「事業場内最低賃金+45円以上」あげるというのは、かなりの賃上げになります。ほとんどの企業においては、賃上げ幅のほうが交付される補助金額よりも大きくなることでしょう。当然ですが、補助金のためだけに賃上げをして、あとで賃金を引き下げるということもしないでください。ほぼ確実に、従業員のやる気が著しく低下します。

2023年ものづくり補助金「2.グリーン枠の見直し・拡充」(P5)

グリーン枠は、2023年から大幅に見直しされます。2050年までにカーボンニュートラルを実現するという政府の目標がありますので、それを加速するためにグリーン枠の見直し、拡充をするのでしょう。2023年からは、エントリーとアドバンスという2つの類型が新たにできます。またアドバンスの場合の補助上限額が最大で4,000万円に引き上げられます。

エントリーに応募するのに必要な要件を見てみましょう。まずは事業期間内に事業場単位での炭素生産性を年率1%以上向上という要件です。炭素生産性という指標は聞き慣れませんが、付加価値額(つまり営業利益と人件費と減価償却費を足した額)を、CO2排出量で割って求める指標です。これが1%以上向上ですから、まずまずの省エネを果たす取り組みでないと難しいでしょう。単に照明をLEDに変えるとか、昼休みに事務所の電気を消す、みたいなことでは達成ができませんし、もともとグリーン枠ではそうした取り組みは求められていませんね。

もともとのグリーン枠では、これまでに自社で温室効果ガス排出削減の取組をある程度実施してきた企業が前提になっていましたが、新たに設けられるエントリーの場合は、GHG、つまり温室効果ガスの取り組みが未実施または初歩的な取り組みでも申請が可能のようです。

アドバンスについては、もう少し厳しい要件が求められています。「省エネ法の定期報告でS評価若しくは過去3年以内に省エネ診断等を受診していること又はGXリーグに参加していること」という要件があります。この3つの要件の、どれかひとつを満たす必要があります。

省エネ法の定期報告というのはどういうものかというと、省エネ法では、年間エネルギー使用量の合計が、原油換算で1,500kl以上である事業者は、毎年報告書を国に提出する義務があります。中小企業でも対象のところはありますが、まずまず規模が大きいとか、化石燃料をガンガン使うような(例えば大型のボイラーを運転する等)中小企業しか、普通は対象になりません。そのような事業者は国に報告書を出すわけですが、経産省が報告書の内容を確認して、事業者をS・A・へとランク分けします。もちろんSクラスが一番いいんですが、そのS評価を受けているというのが要件のひとつです。これはかなりハードルが高いと思われます。

省エネ診断を過去3年以内に受診しているというのはどういうことでしょう。ここでいう省エネ診断とは、一般財団法人省エネルギーセンターなどが提供している「省エネ診断」のことや、省エネお助け隊が実施している診断のことを指しているのだと思われます。これらの診断は、国の補助金によって、企業は割安な費用で省エネ診断を受られるというサービスです。これを受診している企業が対象ということです。費用も安いので、この要件を満たすのはそんなに難しくないかもしれません。

そして最後のGXリーグとは何でしょうか。GX、グリーントランスフォーメーションを実現しようと考える産官学が連携する会合みたいなものがあるんですが、それをGXリーグというようです。GXリーグの構想に賛同し、参加をした企業は、2022年3月の時点で440社ありますが、その参加企業であるというのが3つめの要件です。GXリーグの構想への賛同について追加の募集はないようです。

2023年ものづくり補助金「3.海外展開支援の強化」(P6)

つづ井では「海外展開支援の強化」です。10月に閣議決定された総合経済対策では、円安なので輸出をする中小企業を支援しようという方針が打ち出されました。それが「新規輸出中小企業1万者支援プログラム」というものですが、その一環として、2023年のものづくり補助金でも海外展開支援を強化します。

既存のグローバル展開型を見直す形ですが、先程もふれたように目下の重点は「円安なので輸出をする中小企業を支援しよう」ということですので、既存のグローバル展開型の中でも輸出に関連する類型、つまり海外市場開拓の類型に主に手が加えられました。具体的には海外市場開拓では、広告宣伝・販売促進費が補助対象経費となりました。

2023年ものづくり補助金「4.認定機器・システム導入型の新設」(P7) ※2024年度から実施

これまでの経産省等の資料でも言及されていなかったのが、この4.認定機器・システム導入型の新設」です。これは次年度の予算から、つまり2024年度から実施される申請類型ですので、まだ2023年では実施されません。

この資料を読んでもおぼろげにしかわからないのですが、要は、メーカーが今後1年間をかけて新たに開発した設備について役所が認定をして、その認定された設備を導入する場合に対象となる類型だと思われます。これから開発する設備なので、いまメーカーが販売をしているような装置は対象ではないのでしょう。1年間でどれくらいの設備が開発可能で、そのうちどの程度が役所に認定されるかもわかりません。ただし認定をうけた設備を導入する場合には、補助額が引き上げられて、さらには優先的に採択されるようです。

認定された設備を導入するというやり方を聞くと、省エネ補助金の指定設備導入事業みたいなイメージかな?という印象もあります。もしかすると認定された設備を導入する際は、申請書作成の負担も軽減されるような制度になるかもしれません。(ただし、ものづくり補助金は経営革新を促すための補助金なので、認定された設備を導入するといっても、やはり事業の革新性は問われるものと考えるのが無難でしょう)

2023年ものづくり補助金「5.その他」(P8)

最後のスライドでは、今後のスケジュール案が示されています。これを見ると20次締切までは示されていますが、20次で終わりということはなく、ものづくり補助金は令和6年度の終盤まで募集があるのだと考えられます。四半期ごとに1回の締切というスパンで公募が実施されていくと読めますね。また、現在公募中の第13次締切は2022年12月22日が締切ですが、このスケジュール案を見ると、締切直後、それも2022年内に第14次締切が開始されるようにも見えます。

補正予算は既に成立していますから、すぐに新たな公募が始まると見てよいでしょう。

  • B!

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