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パフォーマンスを高める よい「休み方」とは?(リカバリー経験)(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

エンゲージメント向上のための理論の一つである「リカバリー経験」理論について解説をします。「リカバリー経験」とは「従業員を休ませたらやる気が回復する」という当たり前の理論です。初回の今回は「リカバリー経験」という理論についてわかりやすく解説します。

動画でも解説しています(無料・登録不要)

「エンゲージメント」とはなにか?(復習)

まず「エンゲージメント」とはなにか?という復習からやりましょう。

エンゲージメントの定義は様々ですが、ここに書いている経団連の定義が、我々日本人にはわかりやすいかと思います。読んでいただければわかると思いますが、要は、会社のことについて当事者意識みたいなものをもって、会社に貢献しようという気持ちのこと、といったらよいでしょうかね。

働き手にとって組織目標の達成と自らの成長の方向性が一致し、『働きがい』や『働きやすさ』を感じられる職場環境の中で、組織や仕事に主体的に貢献する意欲や姿勢を表す概念

(経団連『2023年版経営労働政策特別委員会報告』 経団連出版, 2023年, 5ページより引用)

エンゲージメントを高めるにはどうすればいいの?ということですが、ここに書かれている「仕事の要求度-資源モデル」と「リカバリー経験」、そして「心理的安全性」の3つが、エンゲージメントを高めるためのキーワードだと思っています。今日はこのうち「リカバリー経験」について詳しく見ていきたいと思います。

「リカバリー経験」とはなにか?

リカバリー経験の考え方はすごくシンプルです。「リカバリー経験」についての理論は、2007年にゾネンターグさんとフリッツさんという研究者が発表した考え方です。

仕事をすると疲れたりストレスが溜まったりするというのは、みなさんよく実感を伴って理解されていることだと思います。疲れると当然、元気がなくなりますよね。 元気がなくなると仕事をする気にもならないので、休みを取るわけですよね。これが「リカバリー経験」ですね。そうすると、元気が戻ってくるので、またしっかり働けるようになる……つまりワークエンゲージメントが回復するということですね。

まあこうやって冷静に見ると「当たり前じゃないか」とか「これのどこが最新の研究なんだ」と思われるかもしれませんが、この当たり前のことを、ワークエンゲージメントと関連付けて、調査を通じて統計的に確認したというところに意義があります。

さらにいうと、リカバリー経験を4つに分類して、その分類ごとにワークエンゲージメントとの関連を調べたというところにも特徴がありますかね。その4つというのは、心理的距離、リラックス、熟達、コントロールでして、これらはいわば休みの日にどう休むか、という休み方を示したものだと考えるとよいでしょう。

明日はリカバリー経験が示す4つの休み方について詳しく解説します。

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