おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
先日当社に中学生が会社見学に来てくださいました。見学といっても当方は事務職なので大したものはお見せませんでしたが、その代わり「経営コンサルタントってどういう仕事をしているの?」という説明をしました。改めて言葉にすると、結構説明が難しいんですよね。
経営コンサルタントってどういう仕事をしているの?
世の中の「経営コンサルタント」は、だいたい3種類にわかれるとぼくは思っています。というかこの分類は、エドガー・シャイン先生の受け売りなんですけどね。
ただしこの3種類にきれいに分かれるのではなく、1と2を兼ねている人や、1と3を兼ねている人という感じで、仕事の領域は重複しているケースが多いと思います。そしてこの3種類のうち、最も数が多いのが1番目の「専門家タイプ」でしょうかね。おそらくこのタイプが「経営コンサルタント」を名乗っている人の9割近くを占めていると思います。
「経営コンサルタント」というと、誰かになにかのアドバイスをする役割だというのが一般的な認識ではないかと思います。しかしコンサルのアドバイスってほとんど聞いてもらえないんですよね。分厚い診断レポートや企画書などを作ったとしても、おそらくそれは経営者の机の引き出しの肥やしになるだけであって、それが実行されることはないでしょう。仮に実行されたとしても、継続することは絶対にないと言いきってよいと思います。
で、当社の場合はどうするかというと、こちらから一方的に何かを提案したり診断するのではなく、まずは徹底的に訊くことに徹します。何を訊くかというと、経営者が「その会社をどうしたいのか」という方向性のようなものですね。経営者が思う方向性と、管理職が思う方向性は往々にして異なる場合があるので、どちらの考えも訊くようにしています。まずはこの「徹底的に訊く」というプロセスが非常に大事です。訊くということは、それ自体が信頼構築のプロセスにもなっていますからね。
そしてある程度ヒアリングと信頼構築ができた時点で、提案をするわけですが、その提案は「何をやるか」という提案だけではなく、「仕組み」の提案を含んでいます。
経営コンサルタントって何か世の中の役に立ってるの?
「現場を知らない」「独善的」「現実離れ」「論点がずれている」等など、経営コンサルタントは世間一般では非常に評判の悪い(というか胡散臭い)職業ですよね。こんな経営コンサルタントは、何か世の中の役に立っているのでしょうか?役に立つとすれば、支援先の会社が何かをやり続けるために、健全な外圧を与えることくらいしかできないんじゃないかなと個人的には思っています。
まず「やる」と決めたことを継続するのはすごく難しいっていうのはわかりますよね。勉強でもダイエットでもいいですけど、やれば自分のためになるとわかりきっていることでさえも、結果が出るまでやり続けるのは難しいことです。
決めたことを続けるにはどうすればいいか?というと、これは「根性を出す」とか「意思を強く持つ」というのではダメなんですよね。続けるための「仕組み」が必要です。例えば勉強では、上記の図のような仕組みを作る必要があります。いわゆる「PDCA」なんですけど、PDCAも作ったらそれでいいかというとそうではありません。その仕組みを(できれば自分だけではなく、他人と一緒に)回し続けるためのコツみたいなもの必要です。仕組み自体が重くならないように、できるだけ軽いものに継続的に見直す必要もあります。チェックは他人にやってもらうほうが公平で客観的な評価が得られますし、結果から見える傾向などを分析するのも、他人の意見などを参考にしたほうがよい分析ができることがあります。もちろん「他人の目」があるから継続できる、というポイントもありますよね。つまり仕組みも一人ではなく、他人と一緒に回すのがよいというのがポイントですね。そうした伴走ができる他人の役割を、経営コンサルタントが担うことが効果的なんじゃないかと個人的には思っています。
なんでもそうですけど、結果ってすぐにはでないんですよね。コツコツやるのがいいのはわかっていますが、結果が出ないとやる気が出ないのもわかります。でも一足飛びに結果を出す方法なんて、よほどのことではない限りは見つからないのですから、やはりコツコツやるしかないんですよね。コツコツやって、紆余曲折あって、ときには停滞するかもしれないけれども、継続するから何事も結果が出るのです。
というわけで経営コンサルタントが世の中に役立つことがあるとすると、企業の「やり遂げる力」を引き出すことなんじゃないかと思っています。企業の力だけでは継続できないことを、伴走することで継続できるようサポートをする。そうしてやがて結果が出て、その結果が世の中のためになる、というメカニズムですね。そういう点では、経営コンサルタントってやはり裏方なんだと思います。
とまあ、こういう話を中学生の皆さんにしてみました😊