おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO9001:2015各箇条解説シリーズ、今回は箇条5.1.2「顧客重視」について解説をします。「お客さんを大切にすることが重要だ」ということを、トップがしっかりと浸透させましょうといっているのが、今回は、5.2.1の規格要求事項をわかりやすく説明したいと思います。
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ISO9001:2015 5.1.2 「お客さんが大切」ということは社長が率先して伝えなさい!(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 ISO9001:2015各箇条解説シリーズ、今回は箇条5.1.2「顧客重視」について解説をします。「お客さんを大切にすることが重要だ」 ...
ISO9001:2015 箇条5.1.2の規格要求事項
では箇条5.1.2の規格要求事項を見ていきましょう。5.1.2では、ここに書かれているa)、b)、c)の3点をやることによって、社長が本当にお客さんのことを考えているんだ、ということを示してね、といっています。
なお、最初の一文では「次の事項を確実にすることによって」と書いています。これはつまり、ここに書いているa)とb)とc)は、社長自らがやってもいいし、社長が誰か他の人に任せて実践してもよい、ということです。ただし誰かに任せるにしても丸投げではダメで、社長がしっかりと説明できなければいけませんけどね。
ではa)はどういう事が書いているでしょうか。A)は、お客さんが何を望んでいるか、またどのような法律を守る必要があるかを理解する必要があると言っています。そして、会社全体がこれらを理解し、常にお客さんの要望や法律を守るようにしなさい、ということですね。お客さんの要望や守るべき法律などは、箇条4.2で理解しているはずですが、それを組織前提で理解させるのが社長の役割ですよ、ということです。具体的にはどういう取り組みになるんでしょうかね。会社によっても違うと思いますが、朝礼とか会議の場で「お客さんの要望を大切にしてね」と言い続けるとか、営業さんが聞いてきたお客さんの要望が、設計とか製造部門に伝わるような仕組みをつくるとか、そういう活動として展開されるかもしれません。
続いてb)です。これは簡単に言うと、品質が悪くなるとか、お客さんが不満に思うようなことが起きないように、先回りをして対策するように、社長はしっかりやりなさい、いうことですね。ここはこの先の箇条6.1をしっかりやりなさい、ということだと置き換えることもできるでしょう。
そしてc)ですが、これは、お客さんのことを考えて仕事をするという状態を維持しなさいということですね。当たり前のことではあるんですが、具体的にはどういう取り組みをすれば、このc)を満たせるでしょうか。例えばですが、お客さんからのフィードバックを監視し続けるとか、苦情・クレームが起きたら素早くかつ効果的に解決し続けるとか、そして、お客さんのフィードバックや苦情・クレームに基づいて、製品そのもの、もしくは製品の作り方を改善し続ける、という感じでしょうかね。
ISO9001:2015 箇条5.1.2はトップマネジメントへの要求事項であることに注意
はい、というわけで箇条5.1.2「顧客重視」を解説しましたがいかがだったでしょうか。シンプルな箇条ですし、他の箇条でも要求されていることを改めて強調しているような箇条だったことがおわかりいただけたんじゃないかと思います。
ただこの箇条は、トップマネジメントに対する要求です。組織ってだいたいどこでも一緒だと思いますが、何かを始めた時は盛り上がりますが、だんだんマンネリ化するというか、惰性になるというか、盛り上がりもいつかは冷めがちです。顧客重視もそうなってはいけませんので、決めたことが継続するためにはトップマネジメントがしっかりと旗をふらなければなりません。マンネリを打破する活力を生み出せるのはトップしかいませんので、トップが顧客重視の率先垂範をしていただければと思います。