おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO45001:2018 箇条4.4「労働安全衛生マネジメントシステム」の解説(続き)です。最終回の今回は、箇条4.4の規格要求事項を解説します。
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ISO45001:2018 4.4 労働安全衛生マネジメントシステムってそもそも何のこと?(1)
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ISO45001:2018 4.4 労働安全衛生マネジメントシステムってそもそも何のこと?(2)
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箇条4.4の規格要求事項には何が書いている?
そしてもう一度、箇条4.4の規格要求事項を見ていきましょう。
組織は、この規格の要求事項に従って、必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む、労働安全衛生マネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、かつ、継続的に改善しなければならない。
ここでは、労働安全衛生マネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、かつ、継続的に改善をしなさい、と言っています。これはどういう意味でしょう?
労働安全衛生マネジメントシステムの確立・実施・維持・継続的改善とは?
「労働安全衛生マネジメントシステムを確立する」というのは、以下の図のようなマネジメントシステムを作りなさい、ということです。
反対に言うと、以下の図のような、プロセスとそのつながりが不明瞭だったり、プロセスが抜けていたりする状態がないようにしなさい、ということだと思ってください。
「労働安全衛生マネジメントシステムを実施し、維持する」というのは、マネジメントシステムを実際に運用しなさい、各プロセスが機能的である状態をキープしなさい、各プロセス間の相互関係がスムーズである状態をキープしなさい、ということですね。
最後の「労働安全衛生マネジメントシステムを継続的に改善する」というのは、この図のようなマネジメントシステムを、もっと効果的にするために見直しをしつづけなさい、ということです。
以上のことをこの箇条で求めていますが、実務上どうすればいいでしょうか?
プロセスの確立については、箇条4.4自体には文書化しなさいとは書いていませんので、図や表、または規程などを作らなくても良いと言えます。ただしこの後の箇条で求められていることですが、社内の周知などのために必要だと思うのであれば、文書化しましょう。ただ「マネジメントシステム」の「プロセス」や「相互関係」というのは、この連載でも見てきたように、かなり抽象的で、言葉で言われてもすんなりとイメージできないものなので、社内・社外で認識を合わせるためには、ある程度は文書化して説明するのが理にかなっているのでは……と、個人的には思います。
また実施し、維持し、改善をするというのは、結局のところは、この後の箇条で求められていることをしっかり立ち止まらずにやる、と、今のところは理解しておいても良いのではないかと思います。
箇条4.4はISO45001の心臓部
というわけで、ISO 45001:2018 箇条4.4「労働安全衛生マネジメントシステム」について、3回にわたって解説しました。いかがだったでしょうか。この箇条は、プロセスと相互関係の集合体である労働安全衛生マネジメントシステムを作ることを要求しています。企業がどのように健康で安全な職場を作って、維持して、そして改善していくかの基盤になる、と言い換えてもよいでしょう。つまりこの箇条は、ISO45001の心臓部とも言えるでしょう。