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【内部監査レベルアップ講座】 "トップマネジメント"を内部監査する(3)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

トップに対する内部監査は、一般的に、儀礼的で紋切り型の監査に終止しているケースが多いんじゃないかと思います。今日はそんな厄介なトップに対する内部監査に関して、トップマネジメントに対する具体的な質問内容を解説します。

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前回までの記事はこちら

【内部監査レベルアップ講座】 "トップマネジメント"を内部監査する(1)

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【内部監査レベルアップ講座】 "トップマネジメント"を内部監査する(2)

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トップマネジメントへの内部監査質問例

ひとまず、トップへの質問例をひとつご覧いただきましょう。

監査員が「コロナのように、経営環境が大きく変わった場合、どのように対応することになっていますか?」という質問をトップにしました。

この質問も、思いつきや興味本位からのものではなく、ISO9001の箇条4.1や箇条5.1.1 b),c)あたりを念頭において、トップの視点にたった言葉づかいをした質問ですね。こういう聞き方をすると、トップも抵抗なく話してくれるはずです。

そしてトップが答えてくれるわけですが、その回答内容が、規格の要求を満たしているか、もしくは社内のルールに合致しているかどうかを判断しないといけません。その判断基準も、監査員は頭の中に入れておく必要があります。例えばこの質問であれば、判断基準の例にかかれているようなことを、トップが説明できればOKということですね。

規格の要求事項に対して、どういう聞き方をするか、そしてどのような回答であればOKと判断できるかは、前もって準備をしておく必要があります。即興では対応がかなり難しいでしょうね。他の部門の監査も同じなのですが、トップに対する監査は、特に前準備が大切です。

トップが守るべきプロセス通りに仕事をしているかを確認する

この質問にはどういう狙いがあるかというと、さきほどお見せした、トップの仕事のイメージの図で説明ができます。

コロナのように、経営環境が大きく変わった場合は、市場や競合、経済の動向の変化という形で、情報が経営者の耳に入ります。

その変化を受けて、経営者は戦略や計画の見直しをします。見直しに伴うリスクも確認します。その結果は、修正計画となりますし、修正計画に基づいて現場の作業の見直しを指示することになります。

そしてこうした計画や指示は、各部門の業務として落とし込まれます。

こうした流れでトップは仕事すべきなのですが、こうした流れをトップが認識しているか、実際にそのような流れで対応が進められたかを監査で確認する、というのが、この質問の狙いです。このような質問をすることによって、トップがルールに従って、効果的にトップとしての仕事を果たしているかどうかを確認するわけですね

トップへの質問と判断基準の例

トップへの質問と、判断基準の例をいくつか抜粋して紹介しましょう。すべてを詳細には説明しませんが、ポイントとしては、ISOの専門用語をそのまま使うのではなく、トップの視点に立った言葉遣いで質問をすること。そして、トップのプロセスを理解した上で、判定基準を決めておくこと、の2点ですね。

こうした準備を前もってやっておくことで、トップへの監査を効果的に行うことができるでしょう。

最終回の次回は、トップマネジメントに対する内部監査の留意点をまとめます。

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