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ISO45001:2018 7.1 労働安全衛生にはどんな資源が必要で、どうやって管理をするの?(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO45001:2018 各箇条解説シリーズ。今回は箇条7.1「資源」を解説します。労働安全衛生マネジメントシステムでは、どんな資源が必要で、どうやってこれらを管理していくのでしょうか。

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ISO45001:2018 箇条7と箇条7.1の位置づけ

今回から箇条7の説明に入っていきますが、箇条7の位置づけをしっかりと見ておきましょう。

まずISO45001の出発点でもある箇条4では、組織をとりまく課題や、働く人・利害関係者のニーズ・期待などを洗い出し、労働安全衛生管理の仕組みをつくる手筈を整えました。

仕組みを作ったら運用をしていくわけですけれども、経営者の「やるぞ!」という決意や、経営者が率先して動き、働く人を巻き込まなければ、労働安全衛生のレベルをあげることはできません。そこで、箇条5では、トップマネジメントが果たすべき役割について定めました。

つづいて箇条6では、ケガや病気の原因になるものを明らかにして、安全や衛生に関するリスク・機会、そして我が社が守るべき法令などを明確にしました。その上で労働安全衛生に関する計画や目標を定めてきました。

そして今回から説明をする箇条7では、その計画・目標などに取り組むために必要な人材、道具、設備、インフラなどを準備します。

ISO45001は、PDCAサイクルになっているという話は聞いたことがあるかと思いますが、箇条7までがPDCAでいうところのP(プラン・計画)にあたります。そして今日のテーマである箇条7.1では、「ISO45001をやるのに必要なモノを揃えなさい」と言っています。

ISO45001:2018 箇条7.1の規格要求事項

それでは箇条7.1の規格要求事項を見ていきましょう。非常に短いです。たった一文だけですね。

組織は、労働安全衛生マネジメントシステムの確立、実施、維持及び継続的改善に必要な資源を決定し、提供しなければならない。

しかもこの箇条7.1は、「労働安全衛生マネジメントシステムに必要なものを決め、それを使える状態に維持しなさい」と、ごくごく当たり前のことを言っているだけなので、理解も難しくはないと思います。

ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)における資源とは具体的に何か

資源がどういうものなのかは、ISO45001の附属書Aで例が挙げられています。それによると、人的資源、天然(資源)、インフラ、技術、資金、なんですね。

これらの資源を適切に利用することで、労働安全衛生マネジメントシステムを効果的に機能させて、職場の危険から生じるリスクに対処することを求めているわけですね。

明日は、こうした資源が労働安全衛生にどのように関連するかの具体例をちょっとお示しします。

人的資源では、技能講習を修了した人とか免許を持った有資格者は、作業に関係する必要最低限の知識や技術を身につけていますよね。そういう人たちがいることで、作業が安全に実施できることにつながっていきます。続いて天然(資源)ですが、例えば水があります。水を働く人に提供することは熱中症予防につながるでしょうし、食品工場などで水を使って清掃をすることは、作業場の清潔維持につながります。インフラストラクチャの例としては換気装置があります。換気装置を使うことで、有害な化学物質を使う現場でも、健康被害のリスクを低減することができます。技術はどうでしょうか。例えば作業環境測定技術があります。分析装置などに使われている技術によって、職場の作業環境を正確に判断できます。最後のお金についてですが、保護具や安全設備を購入すること、そして安全に関する資格取得や技術習得にはお金が必要です。一般的な企業ではこうしたことに予算を割り当てます。
ところでISO45001では、「資源」という言葉が出てくる箇条は5つあります。5.1、5.4、6.2.2、7.1、9.3ですが、この多くはトップマネジメントの役割と関連しています。したがって資源の提供は、主にトップマネジメントの責任だと解釈することができるでしょう。
トップマネジメントは、市場の動向や、法規制の動向、競合他社の動向などを理解し、そこから資源の必要性を感じ取ることもできるでしょう。また働く人やその他の利害関係者などのニーズや期待からも、資源の必要性を感じることができるかもしれません。また、マネジメントレビューのインプットとしても、現場の声などから資源の必要性についての情報が得られます。こうした情報をもとに、トップマネジメントは資源の購入や教育訓練に投資をする判断をして、予算を組んで実行をします。導入されたものは、点検やメンテナンスといった維持管理をされて、問題が生じた場合には再びマネジメントレビューを通して対応が行われます。資源に関する管理は、このようにトップマネジメントを中心としたPDCAサイクルで行われるわけですね。

はい、というわけでISO45001:2018 箇条7.1「資源」を解説しましたけれどもいかがだったでしょうか。繰り返しになりますけど、労働安全衛生マネジメントシステムがうまく機能するためには、ただやる気だけじゃなくて、具体的な資源の提供が必要です。そして、そうした資源を提供するのは、トップマネジメントの責任でしたよね。トップの皆さんは、現場の声などを聞きながら、具体的なサポートをしていただきたいと思います。それでは今日も「もいちゃんねる」をご覧いただきましてありがとうございました。チャンネル登録・高評価、よろしくお願いいたします。

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