おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
仕事で何か間違いや問題が起きたときに、それを直すための対策のことを「是正処置」といいます。「是正処置」について、どんなやり方をするべきなのか、よい是正処置とはどういうものなのかについて解説します。
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「是正処置」と「修正」のISO9000における定義
今日のテーマは是正処置ですが、まずは用語の定義から押さえていきましょう。
品質マネジメントシステムの用語集でもあるISO9000によると、是正処置とは「不適合の原因を除去し、再発を防止するための処置。」と定義されています。一方、是正処置に似た言葉で「修正」というものがあります。修正は、「検出された不適合を除去するための処置。」という定義です。これだけだとよくわかりませんよね。もう少しわかりやすく、違いを見ていきましょう。
是正処置とは何か?
何か問題が起きたら、それには必ず原因がありますが、直感的にパッと思いつくものだけが原因ではありません。より深いレベルで掘り下げると「これが根っこの原因じゃないか」と思えるものが見えてきます。
この図のように、問題が起きた原因というのは、段階的に深堀りできるような構造になっていたり、複数の原因が絡み合ったりするのが普通です。そして「これ以上深い原因は考えられないだろう」という最も深いレベルの原因のことを「根本原因」と呼びます。
是正処置というのは、このような根本原因に対して手を打つことを言います。根本原因を見つけるのは、時間や労力をかけて調査をしないといけないので、結構たいへんなんですが、ここに手を打てば、芋づる式に問題が解決されて、同じ問題が繰り返される可能性がグッと減るはずです。
「修正」とは何か?
一方、修正というのは、起きた問題に対して応急処置をすること、と考えるとわかりやすいです。
例えば製造業で不良品を作ってしまったら、作り直しをしたり、部品を交換したり、補強したりして、不良品を良品にしようとしますよね。そうした活動が修正であり、修正を行う上では、必ずしも根本原因まで分析をする必要はありません。
これが修正と是正処置の違いですが、あえてわかりやすいように端的に言うと、修正とはとりあえず今のところは応急処置をしておこうという短期的な解決策であるのに対して、是正は根本原因を解決して再発を防ぐという長期的な解決策だと言えるでしょう。