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ISO45001:2018 7.2 労働安全衛生における「力量」にはどういうものがあるの?(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO 45001:2018 箇条7.2「力量」を解説します。労働安全衛生に関する力量には、法律で求められる資格以外にもいろいろあります。労働安全衛生における「力量」にはどのようなものがあるのかを含め、規格を詳しく解説します。

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ISO45001 箇条7.2の位置づけ

まずは箇条7.2「力量」の位置づけをしっかりと見ておきましょう。

箇条4では、会社が置かれている状況を考えて、労働安全衛生マネジメントシステムを作って運用することを求めていましたね。

箇条5では、そのマネジメントシステムを円滑に回していくために、会社のトップがやるべきことを定めていました。

箇条6では、会社を安全で健康的な場所にするために問題になりそうなことをあらかじめ洗い出して対策をしたり、目標を作ったりすることを求めています。

箇条7では、その計画・目標などに取り組むために必要な人材、道具、設備、インフラなどを準備します。今回はそのうち、箇条7.2「力量」についてお話をします。

労働安全衛生で「力量」はなぜ大切なのか

力量とは、「意図した結果を達成するために、知識及び技能を適用する能力」とISOの世界では定義されています。

例えば、料理で考えてみましょう。レストランのメニューに載っている料理や、お客さんから「これを作ってほしい」と言われた料理が意図した結果です。それを作るために、コックさんは、切る、焼く、煮る、味付けをする能力や、素材・調味料の知識を動員します。この力量が低いと、美味しくない料理や見た目が悪い料理が出来上がってしまいます。ISO的に言えば、これはパフォーマンス及び有効性に悪影響を与えることになります。

同様に、労働安全衛生においても、必要な力量を持つ人が適切な知識や技能を持って作業を行わなければ、事故や病気のリスクが高まります。例えば、フォークリフトが原因で起こる労災事故は、全国で年間2,000件以上発生するといわれるメジャーな労災事故ですが、フォークリフトを安全に運転する技能が必要です。また事故を未然に防ぐために点検をしたり、接触防止のための処置の知識も不可欠ですよね。これらの能力が不足していると、事故の発生リスクが高まり、労働安全衛生のパフォーマンスと有効性が低下します。

したがって、労働安全衛生における力量プロセスを管理し、必要な力量を備えた人材がいる状態を維持しなければなりません。

労働安全衛生の「力量」とはなにか

労働安全衛生マネジメントシステムにおける「力量」にはどのようなものがあるか、具体例を通じて見ていきましょう。ここでは、5つの切り口に分けて説明します。

最もイメージしやすいのは、法に基づいた資格・教育の有無です。例えば、フォークリフトの技能講習を修了しているかとか、法で定められた雇入れ時教育をやったかどうかというものですね。

続いては「安全に業務を行うための知識と技術」です。これは現場で危険源になりうる機械や化学物質などの取り扱いを適切にできるかという点や、点検やメンテナンスなどの非通常の作業も適切に行えるかというものです。

3点目は「緊急事態に対応する知識と技術」です。ケガや火災などが起きた場合の適切な対処方法を理解して実践できるかどうか、というものですね。

次に「作業環境管理のための知識と技術」です。安全で衛生的な職場を作る上で必要な知識や技術を持っているかどうかのことで、適切な現場レイアウトを検討できる知識や、5Sのテクニックを知っているかなどがあります。

最後は「労働安全衛生マネジメントシステム運用のための知識と技術」です。危険源を特定する能力やリスクアセスメント手法、内部監査手法など、マネジメントシステムを適切に運用するうえで必要なものです。

結構幅広い知識や技術が必要になるので大変かもしれませんが、これらの力量を必要な人が適切に持つことで、職場でのケガや病気の発生を防ぎ、安全で健康的な作業環境を維持することができるでしょう。

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