おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
6月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2024 ~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~」(骨太方針2024)が閣議決定されました。この内容に基づき、今後の予算編成が行われます。「骨太の方針2024」で示された中小企業政策について、ざっと解説します。
「骨太の方針2024」はこちら
【結論】
タイトルからもわかるように、今年の骨太の方針の主眼も、賃上げと投資による生産性向上です。結論を言うと中小企業政策は今年も既定路線の継続であり目新しさはあまりありません。以下に解説をしますが、ほとんどは「すでにやっている支援策を今後もやります」と言っているように思えます。
ちなみに前年度までの骨太方針の総括は以下のとおりです。総括は以下の通りなんですが、中小企業政策に対する総括がほとんどないんですよね……。去年に掲げられていた「経営者同士の交流」とか「経営力再構築伴走支援」とかは、今年の骨太方針からは鳴りを潜めていますが、果たしてどういう成果を生んだのでしょう。
(1)人手不足への対応(P9)
ChatGPT-4oによる要約
1.自動化技術の支援
- ロボットやAIなどの機械を使って仕事を楽にするための支援をします。
- 色々な仕事の種類に使える簡単な機械を紹介します。
- それぞれの仕事に合わせた特別な機械の使い方をサポートします。
- 機械を使うための補助金を早く出します。
2.人手不足の仕事への支援
- 例えば、運輸業(トラックなど)、宿泊業(ホテルなど)、飲食業(レストランなど)で機械を使いやすくするために計画を立てます。
- ロボットを簡単に使えるようにするための研究や開発を進めます。
- 機械を使える人を育てるための教育をします。
- 人が少ない仕事を分担して楽にする仕組みを作ります。例えば、先生の仕事を助けるサポートやトラック運転手の仕事を軽くする機械を導入します。
3.大企業との協力
- 大企業と中小企業が一緒に新しい技術や商品を開発することを奨励します。
- 大企業の技術者が中小企業で働くことをサポートします。
- 地方の中小企業や自治体と協力して人材育成を支援します。
中小企業省力化投資補助金とものづくり補助金の省力化オーダーメイド枠のことを指していると考えられます。これらの補助金については来年度も継続しそうですね。
リスキリングにも触れていますが、厚生労働省の人材開発支援助成金などの施策のことと関連があると考えられます。
大企業からの人材確保についても、役所は結構昔からこれを促そうと頑張っていますが、現場感覚としてはそうした機会が増えているようには思えないし、中小企業側のニーズも特にないように思えます。改革意欲の高い優秀な人材は、そもそも大企業も簡単には手放さないですよね。
(2)中堅・中小企業の稼ぐ力(P10)
ChatGPT-4oによる要約
1.成長支援
- 新しい市場や製品の開発を支援します。
- サイバーセキュリティ対策やインボイス制度への対応をサポートします。
- 企業情報をまとめたプラットフォームを作って、企業同士のマッチングを促進します。
2.金融支援
- 地震や円安で困っている企業に金融支援を行います。
- 「資本性劣後ローン」などを使って経営改善を支援します。
- 企業が不動産担保に頼らない資金調達をサポートします。
3.事業承継やM&A
- 事業を引き継ぐための税制を見直します。
- M&A(企業の合併・買収)を円滑にするための手数料体系を公開します。
- 企業の成長を支えるための設備投資や支援を促進します。
「成長市場に進出しようとする者の事業再構築、新製品開発や新市場の開拓、イノベーション創出、DX・GXの取組を促進する。サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応を支援する。」と書いてあって、事業再構築補助金やものづくり補助金、IT導入補助金のことを匂わせていると感じます。事業再構築補助金はまだやるつもりなんでしょうかね。やるとしても、細々とだとは思いますが。
マッチングプラットフォームとはJ-GoodTechのことなの?と思いますが、新たに運用を開始するというニュアンスで書かれていて、また新しい何かができるのかもしれません。(果たしてジェグテックはどうなるのか)
金融支援や事業承継・M&Aは従来とそれほど変わりはないように思います(既存の保証制度や資本性劣後ローン、事業承継引き継ぎ補助金など)。しいていうとM&A仲介事業者の手数料体系の開示を進めることが新しいことくらいでしょうか。(M&A仲介手数料体系が不透明だという批判が昔からありました)
(3)輸出・海外展開
ChatGPT-4oによる要約
- 中小企業が海外に進出するための支援を強化します。
- 専門家がサポートして現地のニーズを把握し、海外市場に適合する商品を開発します。
- 英語対応能力の向上支援や海外ECサイトの利用を促進します。
- 地域商社やデジタル技術を持つ企業と連携して販路開拓を支援します。
新規輸出1万者支援プログラムや、その他JETROなどの支援策のことを指しています。去年とほとんど変わらない気がしますが、去年の取り組みはどれほどの成果があったのやら。(ちなみに「経済・財政一体改革の点検・検証」では中小企業の輸出支援についての総括はなかった)
3.(2)GX・エネルギー安全保障(P15)
ChatGPT-4oによる要約
1.省エネルギー
- 省エネルギー設備の投資を支援します。
- 断熱窓や高効率給湯器の普及を進めます。
- 中小企業の省エネ診断を活用するために地域金融機関と連携します。
- 企業や家庭の省エネ取り組み情報の開示を検討します。
これは省エネ補助金のことを指しているのだと思われます。
「中小企業の省エネ診断を活用するために地域金融機関と連携します」というのは「省エネ・地域パートナーシップ」のことでしょうかね。要は省エネ診断支援機関の代理店のようなことを金融機関にさせる、ということだとざっくりと理解していますが……。