おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
自民党の茂木敏充幹事長が講演で「中小企業の生産性向上させる支援策の早急な具体化が必要」と語ったそうです。記事によると、 自民党総裁選に立候補する可能性も視野に入れた発言とみられるそうです。
自民・茂木氏「中小企業の生産性向上させる支援策の早急な具体化が必要」
中小企業の生産性向上支援策を早急に具体化すべき
発言の具体的内容を見てみましょう。
自民党の茂木敏充幹事長は20日、新潟県長岡市で講演し、中小企業の生産性を向上させる支援策を早急に具体化する必要があるとの考えを示した。 この中で茂木氏は、「製造業やサービス産業など様々な事業分野で、デジタルを導入する、ビジネスモデルを転換することで、生産性を大幅に高めていくことが可能だ」と指摘。 その上で、「企業数で全体の99.7%を占め、全国の雇用の7割を支える中小企業の生産性を向上できたら、日本全体の生産性も大きく向上できる」と述べた。 そして茂木氏は、小規模企業振興基本法などで中小企業に対する支援に取り組んできたが、「まだまだ改善の余地が非常に大きい」として、「中小企業の生産性を大企業以上に上げる支援策を早急に検討し、具体化していく必要がある」と強調した。
「製造業やサービス産業など様々な事業分野で、デジタルを導入する、ビジネスモデルを転換することで、生産性を大幅に高めていくことが可能だ」というのは、おそらくIT導入補助金や事業再構築補助金のことを念頭に置いているのではないかと思います。
「早急に具体化」もなにも、すでにやっている施策ではないか?という気もします。中小企業の生産性向上は今に始まったテーマではなく、過去から一貫して中小企業白書などでも触れられてきたテーマですが、この発言にはどういう意図があるのでしょう。
総裁選を視野に入れた極めて政治的な発言
記事にもあるように、これは今後の中小企業政策の方向性を示したものというよりは、自身の総裁選出馬を視野に入れた極めて政治的な発言だと思われます。自民党総裁選の選挙権を持つ党員・党友の支持強化や、同じ考えを持つ国会議員に対するPRと見るべきでしょう。(すでにやっている施策を「早急に具体化すべき」と述べることが、果たしてPRになるかどうかはわかりませんが)
ただこの茂木氏の発言は、通産政務次官や経済再生担当大臣や経産大臣を経験している自民党幹部の中小企業観をよく表しているとも言えます。見方によってはですが、まだまだ中小企業政策には見直しの余地が大きいと考えているようにも解釈ができます。よく言えば中小企業に寄り添った政策をしてくれるかもしれませんし、意地悪く解釈すれば、「補助金だけ出していれば十分だろう」とたかをくくっているのかもしれません。