おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
3回にわたって『ヒューマンエラー対策の基本』についてお話しします。ヒューマンエラーは、誰にでも起こり得るミスですが、これを放っておくと大きな事故やトラブルにつながることもあります。ヒューマンエラーはどうやったら防ぐことができるのか?という質問を受けますので、その方法を整理してご紹介します。
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注意喚起でヒューマンエラーが減ると本気で思ってる?対策の基本を解説!(1)
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注意喚起でヒューマンエラーが減ると本気で思ってる?対策の基本を解説!(2)
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ヒューマンエラー対策その4:異常に早く気づく
次は「拡大防止」の対策です。ヒューマンエラーが起きてしまったとき、その影響を最小限に抑えるための方法です。まずは「異常に早く気づく」という対策です。具体的に、3つの方法があります。
1つ目は「その場で確認すること」です。例えば、5S活動の一環で、使った道具を定位置に戻す仕掛けを決めておくと、道具が正しい場所にあるかすぐに確認できますね。
2つ目は「異常を自動で知らせる仕組みを作ること」です。センサーや「あんどん」を使って、異常が発生したら自動で警報を鳴らしたり、メールで通知するシステムを導入するイメージです。
3つ目は「作業後に誤りがないか確認すること」です。これは検査やダブルチェックのことです。例えば医療現場では、薬の投与量を2人以上で確認することが一般的です。ただ、ダブルチェックは手間がかかり、「他の人が確認してくれるだろう」という甘えが生じることもあるので、ダブルチェックだけに頼らないことが重要です。
ヒューマンエラー対策その5:影響をやわらげる
の対策は「影響をやわらげる」ことです。エラーが起きても、その被害を最小限に抑える方法です。3つのポイントがあります。
1つ目は「作業を並列で行う」こと。エラーが起きても別の方法でカバーできるようにする仕組みです。例えば、自動車のブレーキは2系統になっていて、片方が故障してももう片方で止まれます。こうした仕組みをつくることです。
2つ目は「フェイルセーフの仕組みを取り入れる」ことです。フェイルセーフとは、エラーが起きても危険な状態にならないようにする仕組みです。例えば、エレベーターは過重量を感知すると動かなくなりますし、電子レンジはドアが閉まっていないと動作しません。こうした仕組みを作るのも効果的です。
3つ目は「保護具を使う」ことです。これは労働安全衛生におけるエラー対策です。例えば、墜落制止用器具をつけていれば、高所作業中に誤って足を踏み外しても、地面に激突することを防げます。
ヒューマンエラー対策その6:個人のコンディションを整える
最後の対策は「個人のコンディションを整える」ことです。これは、ヒューマンエラーの発生防止にも、影響の拡大防止にも役立つ大事な対策です。作業者がベストな状態で仕事に取り組めるようにすることがポイントです。具体的には4つの方法があります。
1つ目は「適度な緊張感を持たせる」ことです。注意力を維持し、油断を防ぐために、作業途中にチェックポイントを設けたり、小さな目標を設定したりします。
2つ目は「イライラしない環境を作る」ことです。人は自分の意思で動けないときにストレスを感じやすくなります。例えば、急いでいるときにパソコンが固まったり動きが遅くなったりするとイライラしやすいので、よいスペックのパソコンに買い替えるといった対策も必要です。
3つ目は「萎縮させない」ことです。ギスギスした職場ではなく、安心して働ける環境を作ることが重要です。萎縮するとミスが増えるという研究もあります。ミスを責めず、働きやすい職場を作ることが、エラー防止につながります。
4つ目は「疲れた状態で作業をさせない」ことです。疲労がたまると集中力が落ち、ミスが起きやすくなります。適度に休憩を取ったり、作業量を調整したり、必要に応じて作業を自動化して負担を減らしましょう。
このように、作業者が快適な環境で働けるようにすることが、ヒューマンエラーを防ぐ大きなポイントです。
ヒューマンエラー対策は注意喚起だけでは不十分
ヒューマンエラー対策は「次から気をつけろ」と注意して終わっているという会社が圧倒的に多いように思いますね。そしてエラーが繰り返されると、その本人の意識が低いとか、やる気がないといった評価をされがちです。ただ今回紹介したように、いろんな対策があります。注意するだけで終わらずに、様々な角度から、効果的な方法を検討していただきたいと思います。