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ISO9001改訂最新情報(2)(2024年11月時点)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

2026年に予定されているISO 9001の次回改訂について、3回にわたってお話しします。

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ISO9001改訂最新情報(1)(2024年11月時点)

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ISO規格改訂の流れ

ISO規格は、どのように改訂されるのでしょうか。これには決められたステップがあります。

まず、最初のステップとして、新しい規格の必要性が議論され、提案が出されます。提案が承認されると、ワーキンググループ内で詳細な検討が行われます。次の段階では、委員会での検討と承認が進められます。その後、より完成度が高まった段階で、加盟国による意見募集と投票が行われます。続いて 、加盟国によって最終確認が行われ、最終的に「国際規格」として発行されるという流れです。

ISO9001:2015の開発経緯について見ていきましょう。ISO9001の2015年版は、2012年6月に新業務項目提案(NWIP)が作成され、改訂がスタートしました。ワーキンググループでは、2012年11月に第一次作業原案が、そして2013年3月には第二次原案が発行され、検討が行われました。その後、委員会原案(CD)が作成され、さらに議論が進められました。2013年から2014年にかけて国際規格案(DIS)が提出され、ここで全加盟国の会員団体から広く意見が求められました。2014年10月にDISが承認されると、その後すぐに最終国際規格案(FDIS)が作成され、最終確認が行われました。そして2015年9月、ISO9001:2015として正式に国際規格が発行されました。2015年版の場合、最初の提案から国際規格の発行までは、3年3ヶ月くらいかかっていますね。

これに対して、現在進行中の改訂は、どこまで進んでいるのでしょうか。現在進行中の改訂プロセスは、2015年版とは少し異なっており、新業務項目提案や作業原案を作成していないようです。

2023年10月に、規格を改訂することが、結構急に決まったあと、2024年1月には委員会原案が作成されました。しかし第1次委員会原案は、この夏に廃案となり、現在は第2次委員会原案を作成・検討中だというステータスです。日本規格協会の情報によると、第2次委員会原案は、2024年9月には発行され、委員会メンバーでの検討が行われるとのことです。その後は2015年版と同様、DIS(国際規格案)とFDIS(最終国際規格案)へと進む予定で、最終的に2026年9月に新しいISO9001が発行される予定だと、ISO9001の専門委員会・分科委員会の公式ホームページで述べられています。

ただ、これは業界の噂話なので、鵜呑みにしないでいただきたいのですが、委員会原案が廃案となった経緯も含めて、どうもいろいろと揉め事があるんじゃないかという話が聞こえてきます。それが本当かどうか、揉めているとして何に揉めているのか、確かなことはわからないのですが、スムーズに行っていないのであれば、2026年9月という規格発行予定も、もしかしたら更に遅れるかもしれません。

次回は、現時点で考えられる変更内容について考察します。

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