おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
マネジメントレビューは、ISO45001がうまくいっているかどうかを、組織のトップが評価する場です。規格の解説に加え、マネジメントレビューで確認すべき具体的なポイントを、わかりやすい例を使って説明します。
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箇条9.3の位置づけ
まずは今日解説をする箇条9.3「マネジメントレビュー」の位置づけを確認しましょう。
箇条4では、労働安全衛生マネジメントシステムの確立と維持を求めていましたね。
箇条5では、トップがやるべきことを定めていました。
箇条6では、リスクと機会、関連する法律などを明らかにして、目標を作ることを求めています。
箇条7では、必要な人材、道具、設備、インフラなどを準備します。
箇条8では、計画をさらに具体化し、実行に移していきます。
箇条9では、こうして運用してきたマネジメントシステムの状態をチェックするのですが、今日はそのうち箇条9.3「マネジメントレビュー」を解説します。
箇条9.3の規格要求事項(冒頭部分)
では、箇条9.3の規格要求事項を見ていきましょう。
まず冒頭の一文ですが、ここでは「マネジメントレビューをやりなさい」と求めています。
内部監査と同様に、「あらかじめ定めた間隔で」とありますので、いつ、どのくらいの頻度で行うかを企業が決めなければなりません。一般的には、その会社の年度末や年度初めに行うケースが多いかと思います。
箇条9.3の規格要求事項(インプット)
規格要求事項の詳細は、表にしてまとめて解説します。規格では、ここに書かれている項目についてマネジメントレビューの中で一つひとつ確認し、話し合い、対応を考えていくことが求められています。
左側のインプットから順に確認していきましょう。インプットとはトップへの報告事項のことですね。
まずはa) 前回までのマネジメントレビューの結果、実施した処置の状況についてです。前回のアウトプット、つまり「こうしよう」と決めたことが、きちんと実行され、定着し、効果を上げているかを確認します。
次にb)です。外部および内部の課題の変化についてトップに報告することを求めています。その際、1)から3)の内容については特にしっかり報告してください、という意味です。一般的な課題の変化としては、例えば、「最近は安全衛生レベルを上げるための新しいツールや製品が登場している」「他社ではこういった取り組みをしている」といったものがあります。こうした課題の変化を認識し、トップが経営判断をする材料にするのです。そして、1)から3)は特に注意して、変化に関連する内容を報告する必要があります。
1)では、例えば「最近、顧客から安全衛生についてこう言われるようになった」「労基署からこのような指摘があった」などが該当します。
2)は法的要求事項ですので、「安衛法が近々改正される見込み」といった情報の報告です。
3)は、箇条6で明らかにしたリスクや機会に変更があるかを報告します。例えば、新しくプレス機を購入したために挟まれ事故のリスクが出てきた、などです。
次はc)です。これは、立てた労働安全衛生方針や目標がどの程度達成できたかについての報告です。達成できた場合も、できなかった場合も、その理由や背景、そして今後の見通しについても分析し、説明できる人が報告を行うことが、マネジメントレビューを有効に機能させるポイントです。
インプット項目は盛りだくさんなので、続きは次回に解説します。