おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
平成30年度の行政事業レビューが6月に行われ、「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」がレビューされたようです(毎年チェックしていたのですが、今年は見落としていました)。レビューに関して公開された資料(議事録等)がありましたので、それを読み込んでみました。
行政事業レビューとは
各府省が所管する事業の、予算の使途と事業の効果を外部有識者などが検証するものです。民主党政権時代に「事業仕分け」が話題になりましたが、それが形を変えて今の自公政権下でも行われていると考えるとわかりやすいでしょう。行政事業レビューは、途中、東日本大震災の影響で休止になったこともありましたが、2010年度から行われています。
平成30年度経済産業省の行政事業レビュー
行政事業レビューは広く国民に公開されています。レビュー時の資料はもちろん、その結果をまとめたもの、議事録、動画まで見ることができます。
「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」のレビューを参加者
中小企業庁
事業の説明者として、中小企業庁の技術・経営革新課の師田課長が説明をしています。この補助金施策の主幹部門が「技術・経営革新課」というところは見落とせないポイントです。この補助金は、経営革新につながる取り組みを支援するという位置づけであることがここからわかりますし、補助金審査上も「革新性」が重視されるであろうことも読み取れますね。
経済産業省
審議官(産業技術環境局担当)の渡邊昇治氏(と思われる人)がレビューに参加しています。議事録を読む限り、進行役のようですね。
また、大臣官房会計課長の新居氏と思しき方も参加しています。予算についての質問で回答をしています。・
外部有識者
議事録で発言が記録されている外部有識者は下記の6名のようです。法律の専門家が多いですね。
- 大屋 雄裕 慶応義塾大学法学部 教授
- 梶川 融 太陽有限責任監査法人 代表社員 会長
- 上山 直樹 増田パートナーズ法律事務所 パートナー弁護士
- 木村 琢麿 千葉大学大学院専門法務研究科 教授
- 茶野 順子 笹川平和財団 常務理事
- 水戸 重之 TMI 総合法律事務所 パートナー弁護士
もともと経済産業省の行政事業レビューの外部有識者には、それほど経済・経営の専門家がいない印象です。
レビューの結論はどうだったか
詳しくは説明を省きますが、結論としては下記の5点に集約されるでしょう。
- 国費投入の必要性、事業の効率性、事業の有効性、すべて十分に満たしている。
- 事務局公募においては、応札者を増やし、競争性を高めていく必要がある。
- 優れた技術を持つ、より多くの事業者を支援することが経済対策の観点から重要。
- 事務局公募にあたっては、事前説明会の充実等により応札者を増やす取組を行う。
- 補助率については、基本を1/2、一定の要件を満たした場合に2/3以内とすることにより、優れた技術を持つ、より多くの事業者の支援を目指す。
改善の余地はあるが、事業としては効果ありというのが結論ですので、来年度以降も実施される可能性は高いでしょうね。(一応、「廃止」という判定もあります)