おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
今年度(平成29年度補正・30年度実施)ものづくり補助金2次公募の締め切りもあと1週間を切りました。いよいよ今年のものづくり補助金公募も大詰めになりましたが、来年度の予定が少しずつ見えてきました。予想したいと思います。
平成31年度当初予算にものづくり補助金が計上
以前も当ブログでお伝えしましたが、来年度(平成31年度)には、初めて当初予算にものづくり補助金が計上されるという見通しが、8月27日の日刊工業新聞で報道されました。
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平成31年度当初予算の概算要求で、ものづくり補助金が100億円計上。来年のものづくり補助金はどうなる?
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村です。 8/27の日刊工業新聞で、平成31年度(2019年度)の当初予算概算要求についての記事がありました。当記事によると、当初予算としてものづく ...
8月31日には、経済産業省が平成31年度概算要求に関する資料を開示しましたが、その中には確かにものづくり補助金が100億円の予算計上されています。
「切れ目なく継続的に講じる」ために「15ヶ月予算化」する?
この経済産業省の資料では、ものづくり補助金を当初予算に計上した目的として「切れ目なく継続的に講じる」ためと記述しています。
また、9月3日の日刊工業新聞にも次のように書かれています。
最大の目玉は、ものづくり補助金を当初予算で100億円計上したことだ。試作品開発を行うための設備投資などを支援する。補正予算から当初予算まで間断なく生産性向上を支援し、収益の拡大や人手不足対策を後押しする。
これらを素直に読むと、平成30年度補正予算から平成31年度当初予算のどちらにもものづくり補助金の予算計上をして、公募期間または/もしくは事業実施期間の空白期間を生まないようにしようということなのだと思われます。
切れ目なく継続的に講じるための「15ヶ月予算」
予算化上のテクニックというべきか、補正予算と当初予算を一体的に編成するという手法があるのです。それは「15ヶ月予算」と呼ばれています。時事用語辞典の解説を引用します。
その年の補正予算(3カ月分)と、翌年度予算(当初予算、12カ月分)の計15カ月間を一体とみなして、予算を編成する手法。年度をまたがって切れ目なく予算を執行できるため、景気対策に効果があるとされる。補正予算と当初予算を一体化して事業規模を大きく見せることで、赤字国債の発行につながる「大型補正」を回避する狙いもある。バブル崩壊後の1990年代から2000年代初めにかけて、小渕恵三内閣や小泉純一郎内閣がしばしば活用した。福田康夫内閣では、08年度補正予算をめぐり、政府・与党内で意見が対立。衆議院解散・総選挙を意識して「大型補正」を主張する公明党などに対して、国債の追加発行を避けたい財務省は、年度内の残り3カ月分(09年1~3月)の補正予算と、09年4月から12カ月分の09年度当初予算を一体的に編成する「15カ月予算」の考えを示した。
例えば、現在のやり方(平成29年度補正予算でのものづくり補助金の執行)を例にとると、下記のようなスケジュールになります。予算の単年度主義という原則により、2次公募の事業実施期間(赤線部分)が短くならざるをえません。そうなると点線のように、公募も事業実施も行われないという空白期間ができます。
それを、補正予算と当初予算を組み合わせることによって、空白期間(点線部分)をなくそうとしているのでしょう。このスケジュール通りになる保証はしませんが、イメージ的には次のような感じを「切れ目なく継続的に講じる」と表現しているのではないかと推察します。
平成30年度補正予算はいつ成立するか?
補正予算と当初予算の組み合わせで「切れ目なく継続的に講じる」というのであれば、平成30年度補正予算がいつごろに、どの程度の規模で成立するかは気になるところです。それについては、8月31日のブルームバーグのインタビューで、公明党の山口代表が次のように語っています。
ただ、山口氏は例年秋に開かれる臨時国会での成立は「難しい」とし、「年末につくって、来年の冒頭で成立を図るのが現実的な方向かなと思う」と述べた。
与党の党首の発言ですから、ある程度の信ぴょう性はあるかもしれません。山口代表の言う通りであれば、来年のものづくり補助金は、今年同様、2月ごろに1次公募が開始されるというスケジュールかもしれません。