おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
1月25日から、平成30年度補正予算「サービス等生産性向上IT導入支援事業」の事務局公募が始まっています。ここで事務局公募要領と補助金交付要綱が公開されています。昨年(H29年度)の要領と異なる点をまとめ、考察しました。
平成30年度補正予算「サービス等生産性向上IT導入支援事業」の事務局公募について
経済産業省の公募告知については下記のページから参照できます。
昨年度との違い① 予算額等
まず最初の違いは予算額です。H30年度より「中小企業生産性革命推進事業」として、ものづくり補助金・IT導入補助金・小規模持続化補助金の3補助金が予算面で統合されました(総額1,100億円)
その内訳として、IT導入補助金がどの程度の予算額なのかが明記されています。H29年度補正では500億円であったものが、H30年度補正では100億円になっています。大幅減額です。
ちなみにものづくり補助金の割り当て分が800億円と公表されています。ということは、ものづくり補助金とIT導入補助金をあわせて900億円という規模感になります。残りの200億円は小規模持続化補助金でしょうか。これまでの小規模持続化補助金の予算規模からすると200億円というのは過大な気もします。もしかしたら小規模持続化補助金の内訳ほか、何か別の経費を含んでの200億円かもしれません。
昨年度との違い② 生産性向上要件
平成30年度補正では、H29年度補正よりもさらに高い生産性向上を実現することが求められています。
表にまとめると下記のようになるでしょうか。こうして比較すると、昨年度よりも早く、より高い生産性向上を実現することが求められているようです。補助上限額が高くなっているので、まあそうなるだろうなという気はします。
H29年度 | H30年度 | |
1年後 | 1.2%以上 | |
2年後 | ||
3年後 | 1%以上 | 2%以上 |
4年後 | 1.5%以上 | |
5年後 | 2%以上 |
昨年度との違い③ 補助上限・下限額
事前PR資料にも書かれていたことですが、補助上限額が50万円から450万円に大幅アップされました。下限額も400,000円に引き上げられています。
昨年度との違い④ 補助予定件数
予算総額の大幅減額と補助上限額の大幅引き上げにより、補助予定件数も13万件から6,000件へと減りました。
H29年度の採択者数が(数えていないのでよくわかりませんが)30,000件~40,000件の範囲内だと想定されます。そこから比べてもかなり狭い門となりそうです。
昨年度との違い⑤ 全国的支援体制
H29年度では、IT導入による生産性向上を「全国大に浸透させる仕掛けとして」公的な支援体制を整備することになっていました。残念ながら昨年度のIT導入補助金の結果(13万件の交付に至らなかったこと)を見ると、この仕掛けは有効に機能しなかったのでしょう。
そのためか、H30年度補正ではこの全国的支援体制はなくなっています。
交付要綱案には昨年度と今年度の大きな違いはない
一方、経済産業省のホームページで公表されていたもう一つの資料である「交付要綱案」ですが、こちらはH29年度とH30年度とでは大きな違いは見つけられませんでした。
IT導入補助金の今後のスケジュールは?
事務局公募の時期が昨年度とほぼ同等であることから、おそらくH31年実施のIT導入補助金も、昨年度とかなり似たようなスケジュールで進むことと思われます。ただし予算総額の大幅減少や補助上限額の大幅アップなどにより、1次公募だけの実施か、どんなに頑張っても2次公募までで終了になるのではないかと推察されます。
参考までに昨年度のスケジュールを下記に引用します。3月からIT導入支援事業者の申請登録が始まり、交付申請期間は4月から、という感じでしょうか。今年は新天皇即位に伴う10連休がありますし、公募回数も1次か2次までだと思われますので、もう少しゆっくり目のスケジュール(例えば交付申請は5月の連休明けから)という可能性もあるかもしれません。