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ものづくり補助金の「15ページまで」ルールを守るために、何を書かないか

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

今年のものづくり補助金の公募条件では、「様式1と2あわせて15ページまで」というルールが増えました。審査項目で求められていることは書かねばなりませんが、何を書くかというのと同じくらい、「何を書かないか」というのも今年は重要になってきます。スペースを捻出するため「書かないもの」をまとめました。

そもそもなぜ「15ページまで」なのか

これは某県の中央会に僕が問い合わせしたときに、先方の担当者が教えてくれたことなのですが、「ダラダラ書かないでほしい」というのがページ数制限の趣旨だそうです。

審査員の負担を軽減することが目的ではないかと思われますが、確かに当社で支援をしている中でも「これは書かなくてもいいだろう」と思われる内容がつらつらと記述されているケースを見ることがあります。審査項目が明示されているのですから、それを中心に簡潔に、要点を絞って書かなければ、読み手(審査員)に負担やストレスを与えてしまいます。(読むほうも大変なんです?)

ところで、この「15ページルール」ができたことで明確になったことが一つあります。それはあまりにも微に入り細をうがつような記述は求められないということでもあります。15ページで修めようと思うと、当然ですが詳細なことを書きつくすことはできません。もちろん抽象的過ぎてはいけませんが、詳細すぎなくてもよい(=要点だけを絞ればよい)と解釈することができます。これは、書き手にとっても負担が減ることだと思います。

詳しい沿革は不要

書き出しの部分に、自社の沿革を書いている企業があります。書き出しということもあり、気合が入っているためか、ここを長く詳細に記述している申請書を見ることがあります。(例えば、何年に何の製品を手掛けるようになったのか、何年に工場を新設したか、何年に代表者が代替わりをしたか等)

会社の紹介としてはこういう書き方もあるでしょうが、本筋である補助事業の内容とはかかわりがあるとは言えない情報も多くなってしまいます。せいぜい創業した年くらいの情報でよく(それさえも様式2の冒頭で書いてるので不要とも言えるが)、自社の沿革は特に詳しく書く必要はないと思います。そもそも自社の概要は、3~4行程度にまとめなければ、全体で15ページまでに収まらないでしょう。

生産プロセス全工程の詳細情報は不要

その企業の生産プロセス全般を写真入りで詳細に紹介しているような申請書もよく目にします。書き手としては、自社の生産プロセスのイメージを持ってもらおうと思って丁寧に説明をしているのでしょうが、全てのプロセスを詳細に書きつくす必要はありません。プロセスの全体像であれば、下記のような図をひとつつけるだけで十分ではないかと思います。具体的に説明をするとすれば、革新を行おうとする生産プロセスだけに焦点を絞りましょう。

補助事業に活かされない強みの記述は不要

自社の強みを記述する申請書もよくありますが、補助事業に活かされない強みを書く必要はありません。強みをたくさん列記したからといって加点されるということはありません。反対に、補助事業で活用する強みであれば、強みの記述は1点に絞って、数行だけでも構わないと思います。

設備の詳細なスペックの記述は不要

購入する設備の詳細なスペックや機能をずらずらと記述している申請書もよく見ます。これも不要です。本補助事業の課題解決に役立つ機能・仕様の記述だけでよいです。また、現有設備の仕様を記述しているケースも見られますが、これも基本的には不要と考えます。(現有設備を使用する際の課題は、技術的課題のところに書かれているはずだからです)

技術的に詳しすぎる記述・図表は不要(肝心な部分だけを要約する)

補助金の審査員は、必ずしも御社の業界や技術に精通している人が読むとは限りません。基本的には、どのような人が審査員になっても内容が正しく理解されるように、業界や技術を全く知らない人が審査をするという前提で申請書を書くのが望ましいです。

例えばですが、下記の図をご覧ください。アマダ社のホームページからの引用ですが、この図を見せられて、瞬時に内容が理解できる人がどのくらいいるでしょうか(僕も理解できません)。パッと見て素人に理解できないような図表や記述は不要です。一般的には一つの図表に情報量が多ければ多いほど、難解になります。

http://www.amada.co.jp/products/technical/tech_fl_aj.html

この図で言いたいことは「小さな集光径が得られるため、高速加工やひずみの少ない加工が可能」ということです。このような図を貼り付けるのではなく、たった1行「小さな集光径が得られるため、高速加工やひずみの少ない加工が可能」とかけばおしまいです。

貢献度の低い効果の記述は削除してもよい

設備投資に関連してですが、貢献度の低い効果の記述は削除してもよいでしょう。具体的に言うと、複合機を購入して3工程を1工程に集約するという内容の申請があったとします。この場合、最も生産性向上効果が高いのは、工程集約の効果です。それ以外にも、段取り改善や切削スピード向上といった効果もあるでしょうが、そのような効果は工程集約効果と比べると、生産性向上への貢献度が高いとは言えない場合もあります。そういう効果については詳述する必要はありません。書いても1~2行程度におさめましょう。むしろ削除してもよいでしょう。

基本的には事実や裏付けのあることだけを述べる。自社の主観的な記述は不要

これは例外もたくさんあることですが、基本的には事実だけを述べましょう。自社の主観的な記述は不要です。

自社の主観的な記述というのは、例えば次のような記述です。

  • 顧客である〇〇株式会社とは良好な関係を築いている(良好かどうか、この言葉だけでは客観的に証明できない)
  • 〇〇加工技術では業界随一だと自負している(自負というのはあくまでも主観)
  • 低コスト化に大きく貢献する(大きいというのもあくまでも主観。何と比べてどの程度大きいのかが読み取れない)
  • 社内の実施体制としては万全である(万全と称するのは自称であり、裏付けは何かわからない)

こういう一文は、読み手にとっては「本当か?」という疑問を想起こそすれ、ほとんど意味をなしません。「うんうん、なるほど。大きく貢献するし、万全なのだな」と額面通り受け取ってくれることはゼロと言ってもよいです。このような文は削除してスペースを捻出しましょう。

ただ、主観的なことと言っても、書いたほうがよいこともあります。例えば補助事業の効果(生産性が従来よりも〇%アップするといった内容)は、あくまでも補助事業を実施した場合に起こりうるだろう「予測」にすぎません。根拠があったとしても、予測には主観が入ることは避けられません。このような情報は、主観的だからといって削除せずに書いたほうがよいでしょう。(このあたりはケースバイケースとしか言いようがありませんが)

 

他にも「書かないほうがよい」点はあるかもしれません。①補助事業に関係のないこと、②読んで瞬時に理解されないこと、③事実とは言えないことは、原則書かないというのがお約束とまとめることができると思います。

  • B!

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