おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
僕は失敗ばかりしているダメなコンサルタントです。全然優秀なんかではないのですが、ダメなりに努力をしていることがあります。それは、同じ失敗は繰り返さないように、自分の失敗経験を手帳に書き留めて、戒めとしていることです。どんなことを書き留めているかをちょっと紹介したいと思います。
こんなダメ出し帳を作っています
現物から見てもらうのが一番わかりやすいでしょう。僕がコンサルタントになった当時のダメ出し帳ですが、こんな感じで失敗経験を記録しています。
どうです?見事に失敗だらけでしょう?
これを見ていると、そのエピソードの一つ一つが詳細によみがえってきますね? この記録を書いた時期の失敗のトレンド?としては、メモにも書いていますが「答えを自分で述べたり、自分の思った切り口を明示して(クライアントを)誘導したり、彼らの考える力を尊重していない」ということが多いように思います。支援先の皆さんの信用していないので、口を出しちゃうんですよね。そういう「信用していない」態度がにじみ出るのか、支援先の皆さんから反発を受けることも多く、反対に僕自身が信用されないということが起きていましたね。でも、答えを言わないと仕事をしている気になれないという気持ちがこの頃にはあったんですよね。今はもうそんなことは思わないのですけれども。
事実だけを書く。自分の否定はしない
なかなか自分の失敗に向き合うというのは勇気がいるものです。そりゃあ僕だって、自分がドジでノロマなカメだなんて認めたくはありません。あまり辛らつに書きすぎると、せっかくのメモでもあとで見かえすことをしなくなってしまうので、気をつけていることがあります。
それは、事実だけを書くということです。
例えば、この手帳の内容でも「ビジョンを自分なりの短い言葉にまとめたら、他の人との認識がずれていて、誤解を与えた」というメモが書かれています。これはある会社の社員を集めた会議の場で、その会社の経営ビジョンについての解釈を僕が話した時の失敗経験です。僕が思う解釈は、その会社の人たちが考える解釈とは違っていたので、会議の場で「今村さん、それは違うんじゃないですかね」と言われたというエピソードです。偉そうにご高説を垂れたにもかかわらず、恥ずかしいですね?
しかしメモとして記録するのはそれだけです。間違っても「だから自分はダメなんだ」とか「こういうところが失格」みたいな人格否定はしません。自分が経験したことなので、その経験を思い出すきっかけさえメモされていればそれでじゅうぶんなのです。自分に対する自己否定があると、読み返すのが嫌になりますし、自己否定の言葉が自分に蓄積されていき、どんどん自信もなくなりますからね。
折に触れて読み返すようにしている
ダメ出し帳を、頻繁に読み返すことはありません。折に触れて、という感じですかね。例えばですが、コンサルティングの現場で何か失敗をしたり、うまくいかないことがあるとします。だいたいそういう失敗は過去にもやってるんですよね(自分の思考のクセから起きていることでもあるので)。
「そういや前にも似たような失敗をしたな……」と思ったら、ダメ出し帳をごそごそと探し出し、読み返すわけです。「ああ、昔にも似たようなことをしていたな」と振り返ることができますし、その際には他の失敗経験も復習することができます。
この「折に触れて」というのは、僕の中ではかなりの重要キーワードです。確かに、ダメ出し帳を読み返して、失敗を二度と繰り返さないように頭に叩き込むという方法もあるかもしれません。しかし毎日読むようになると、それは毎日読むことが目標になってきます。文字としては頭に残るでしょうが、反省や再発防止への決意という点では記憶に残りずらいものです。
何かをやらかした直後、その時の記憶や感情が鮮明なときに、過去にさかのぼって類似の失敗経験にアクセスすることで、「ああ、この時もこんな失敗してたんだ。同じ事を繰り返しているけど、どういうわけだろう」と深く考えることができます。そういった意味で「折に触れて」のほうが、自分の深い意識レベルにまで効いてくるように思います。
失敗ばかりのダメな当社ですが、こうやってサービス品質を作りこんでいるという実例のご紹介でした?