ものづくり経営革新等支援機関

「生産性向上の実現のための臨時措置法制定」「先端設備等導入計画」の実施は一筋縄ではいかないのではないか

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6/20追記

「先端設備等導入計画策定の手引き」が中小企業庁ホームページで公開されました。先端設備等導入計画におけるいわばマニュアルですので、申請企業や経営革新等支援機関は内容確認が必須です。

「先端設備等導入計画策定の手引き」が中小企業庁ホームページで公開されました

7/18追記 経済産業省が、豪雨被災中小企業への支援策を打ち出しています。その中で、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金の事業期間の延長、書類提出期限の延長などの措置が検討されています。これら補 ...

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

この1月の通常国会へ提出予定である「生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)」では、平成30年度から新元号2年度(平成32年度)末までに取得された設備投資に対し、固定資産税の課税標準を3年間ゼロとする特例措置が定められる予定です。この措置をうけるには「先端設備等導入計画(仮称)」を自治体に認定してもらうことになるようです。

この措置が実施されるまで、どういったプロセスを経るのだろう?と思って調べていたのですが、これはどうやら一筋縄ではいかないのではないかという気がしてきました。

「生産性向上の実現のための臨時措置法」「先端設備等導入計画」導入の自治体側プロセス

このスキームの導入にあたって、自治体はどんなことをしなければならないのかということは、滋賀県湖南市の谷畑市長の定例記者会見にそのヒントが見られました。

谷畑市長の記者会見によると、次のような言及がありました。

こうした特例措置を実現するためには、「生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)」の制定を前提に、今後、「湖南市先端設備等導入促進基本計画(仮称)」の策定と国による計画への同意、さらには市議会における市税条例の改正が必要となりますが、こうした手続きを踏むことによりまして、湖南市で設備投資を行おうとする中小企業者のみなさんに対して、製造業やサービス業などを問わず幅広く、国から金融支援や「ものづくり・商業・サービス補助金」等の予算措置などの拡充・重点的な支援措置が行われることとなります。

つまり、次のようなプロセスを経るということですね。結構いろんなプロセスがありませんか?

  1. 国会「生産性向上の実現のための臨時措置法」の成立
  2. 自治体での「先端設備等導入促進基本計画」の策定
  3. 同計画の国によるの認定
  4. 市議会における市税条例の改正
  5. 「先端設備等導入計画」申請・認定の開始

6/3追記

生産性向上特別措置法の施行期日が6月6日と、政令により決定しました。導入促進指針も6月6日に国から自治体に公表される予定のようです。

カギを握るのは市町村議会か

固定資産税は市町村が課税主体ですので、市町村議会で審議され、条例を改正する必要があります。特に固定資産税をゼロにするかどうかは、自治体が選択できるようですので、その内容も市町村議会で審議されるのだと想像できます。(国がそこに介入することは憲法違反になりますから、ありえないですよね……たぶん

議会開催のタイミングは、市町村によって異なります。一般的には年4回の定例会と、必要に応じて招集される臨時会があるようです。当社の所在する神戸市では、定例会が年2回なので、タイミングによっては改正に時間がかかる可能性もありそうです。(臨時会で決めてくれたらいいのですが)また、議会の勢力によっても、議案が通るか通らないかが左右されるかもしれません。

このようなプロセスを経る必要があるため、地域によって、実施内容が確定する時期に大きなばらつきがでるかもしれません。今度のものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業が締め切るまでに条例改正がならず、固定資産税軽減割合が決まらなかった場合、補助金申請者の補助率はどのように扱われるのでしょうか。

先端設備等導入計画を市町村で受け付けるための体制づくりも必要

先端設備等導入計画の受付は市町村であることが、経済産業省の資料から読み取れます。

市町村側では受付体制を整える必要もあるでしょう。市町村レベルでは、セーフティネット保証(五号)認定を受け付けているとはいえども、設備導入と固定資産税の扱いとなると、従来の処理プロセスとも異なりますよね。そもそも条例が改正されない限り、先端設備等導入計画の受付も行われない可能性もあります。このあたりはどう扱われるのでしょうか。

いろいろと謎はつきませんが、国会で法が制定されたからといってそれで終わりではない、ということは確かなことだと言えそうですね。

先端設備等導入計画の制度概要

先端設備等導入計画の制度概要については、下記のページにまとめていますので、ご参考ください。

「先端設備等導入計画」で固定資産税ゼロ+ものづくり補助金補助率アップ

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 生産性向上特別措置法案(生産性革命法案)に基づき、中小企業が生産性向上設備を導入すると固定資産税が3年間ゼロ~1/2に軽減されるという ...

先端設備等導入計画の具体的内容・書き方・記載例について

下記に先端設備等導入計画の具体的内容・書き方・記載例をまとめています。ご参考ください。

「先端設備等導入計画」の書き方・記載例をレビューする(まとめ)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 過去7回にわたり「先端設備等導入計画」の書き方および記載例をレビューしてきました。今回は、その総まとめです。 概要・全体像 1.名称等 ...

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