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ものづくり補助金新類型「ビジネスモデル構築型」の面的デジタル化支援、デザインキャンプ、ロボット導入FS等について考える

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

2020年実施ものづくり補助金では、補助上限額1億円の「ビジネスモデル構築型」が新設されました。これの事例として"面的デジタル化支援、デザインキャンプ、ロボット導入FS等"という例示がありましたが、何を示しているのかを考察します。

「ビジネスモデル型」は個別の企業が申請をするような類型とは違うのではないか

当社の推察では、この「ビジネスモデル構築型」とは、個別の企業が申請をするような類型とは違うのではないかと思っています。国が個々の中小企業に直接的に支援をするのではなく、組織や団体を介して(これらの組織や団体に補助金を交付して)、その先にある複数の企業に支援するための類型だと推察しています。詳しくは過去記事をご参照ください。

2020年実施ものづくり補助金の新類型「ビジネスモデル構築型」について考えてみた

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 2020年実施ものづくり補助金では、補助上限額1億円の「ビジネスモデル構築型」が新設されました。1億円ってオイシイなあと思いますが、こ ...

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"面的デジタル化支援"とは

"面的デジタル支援"というキーワードで中小企業庁の資料を探してみると、スマートSME研究会の議事録がヒットします。スマートSME研究会とは、経産省が招集する有識者会議で、中小企業のIT化を促進するための検討会ですね。

令和元年 スマート SME(中小企業)研究会(第5回) 議事要旨を見ると、座長である松島氏(法政大学客員教授)が次のように発言をしています。

中小企業の IT ツールの活用については、一定程度まで達したが、それを面的に支援するためには、未だ課題が存在する。

この会議の討議用資料を見ていると、「面的デジタル化支援」についてのヒントがあります。『個社へのIT導入補助金という支援から、「面的導入に対する支援」』というふうに書いているんですよ。これがどういうことかというのは、この討議用資料に図示されています。

上記のように、ITツールの提供者と、中小企業・小規模事業者をつなぐ役割を担うものとして、IT関連メディア・ベンダー、大企業・団体、支援機関、個人・コンサルなどが挙げられています。このような「つなぐ役割」を担うものに対して「ビジネスモデル構築型」で補助金を交付するということを想定しているのではないかと思われます。

"デザインキャンプ"とは

「デザインキャンプ」というのはまだ一般化した用語とは言えないようで、これが具体的に何を指しているかいまいちよくわからないんですよね。

というわけで、まずは経済産業省のデザイン政策について押さえたいと思います。

経済産業省の「デザイン政策ハンドブック2018」によると、次のような記述があります。

企業経営においてデザインは重要な経営資源であるが、⽇本の経営者の多くはデザインに対する意識が必ずしも⾼いとは⾔えず、デザインを経営資源と捉え、戦略的に活⽤できている経営者は少ないと⾔える。経営者に対してデザインの価値・重要性を訴求し、デザインに対する意識変⾰を図り、経営におけるデザイン活⽤を促進することが重要と考えられる。

一方、大学間連携においては、過去に下記のような取り組みが行われています。

おそらく、デザインに関するなんらかのワークショップのようなもので、そのような場を通じて、経営者のデザイン意識を変革するということをイメージして「デザインキャンプ」という言葉が使われているのではないかと思われます。そして、これも個社に対する支援ではなく、このようなワークショップを取り仕切る組織や団体に対して、「ビジネスモデル構築型」として補助金を交付する、という形になるのだと思います。

ところで、実は「ものづくり補助金」も、個社に対して交付されるデザイン関係の補助金です。ものづくり高度化法に基づく高度化指針の中に「デザイン」っていうのがありますもんね。ですので、個社のデザイン開発案件に対しては従来からの「一般型」で対応するし、そうではない"面的な"支援をする組織・団体に対しては、「ビジネスモデル構築型」で対応する、という棲み分けなのだと思われます。

"ロボット導入FS"とは

FSというのはFeasibility Studyの略で、実行可能性調査のことです。ロボットを導入することが技術的に可能か、可能だとしても効果が生じるものかというのを、導入に先立って検討することです。

実はこのロボット導入FSに関する費用は、過去に補助金交付の対象となっていました。平成29年度に一般社団法人ロボット工業会を通じて「ロボット導入実証事業」という補助金施策が実施されましたが、その中でFS費用が補助の対象となっていました。

そのときに対象となったFS費用は下記の通りでした。

このとき、ロボットのシステムインテグレータ(ロボットを使用した機械システムの導入提案や設計、組立などを行う事業者)の費用が補助の対象になっていました。ロボット導入のFSは、どちらかというとシステムインテグレータの工数が多いですからね(ロボットを導入する企業としては資料の提出やヒアリングなどに対応することなど)。

このあたりから推察すると、ものづくり補助金の「ビジネスモデル構築型」も、システムインテグレーターのような企業に1億円を交付して、その範囲内で導入検討企業30社程度のFSを行う、というイメージなのかもしれません。

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