ものづくり経営革新等支援機関

誠実なコンサルタントかどうかは、現場に連れていけば見抜ける

Management Office Imamura

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

同業者の悪口を言うつもりはないのですが「ちょっとこれはまずいんじゃないかなあ?」と思ったコンサルタントの話をします。

テンプレートに名前を入れるだけのコンサルタント

ある会社の社長から聞いた話です。その社長さんは、補助金申請をサポートしてくれるコンサルタントと契約をしたんだそうです。契約後、コンサルタントは数枚のFAXを送ってきました。それは会社名や業種、取引先情報などなど、いくつかの基本的な項目を記入する「情報記入シート」だったそうです。FAXを受け取ったその会社の社長さんは、言われるがままに情報記入シートを書き込み、返信しました。

すると、その社長さんが驚いたことに、2~3週間して、いきなり完成品の事業計画書(申請書)が送られてきたのだそうです。驚きながらも中身を読んでみると、確かにその会社の名前は書いてあるものの、自社の事業とはかなり異なる仕事の内容が書かれていたそうです。どうやらくだんのコンサルタントはいくつかテンプレートを持っていて、名前や住所といった情報をその会社のものに置き換えただけのものだったそうです。

「うちの会社の名前は書いてあるんだけど、何を書いているか全く理解できなかったよ」

と、その会社の社長さんは苦笑いしていました。しかもさらに驚くことに、その申請書でも採択をされたのです!!テンプレートに基本的な情報を入れて、たったそれだけで1,000万円の補助金が企業に支払われ、しかもコンサルはそこから100万円を報酬としてもらうわけですから、ボロい商売ですよね。また、事実とかけ離れたことを書いても採択がされてしまうという、補助金制度上の欠陥でもあるでしょう。

その社長さんは「お金がもらえたから結果オーライだ」というわけでもなかったご様子。翌年からそのコンサルに仕事を依頼することはありませんでした。

自社のことは正しく理解してほしいというのが経営者の心情

私も経営者になって思うことではありますが、経営者にとって自分の会社、自分の仕事というのは、自分の分身のようなものです。その分身が、事実と異なるふうに描写されているわけですから、社長さんは納得ができなかったのでしょう。自分の分身である自社のことは、しっかりと正しく理解してほしいというのが人情でしょう。それをろくにヒアリングもせずFAXを送り付けておいて、テンプレートに名前だけを入れ替えるというのは、経営者の心情を軽視しているといっても過言ではありません。

いい加減なコンサルタントを見抜く方法。それは「現場に連れ出す」こと。

不誠実なコンサルタントかどうかを一発で見抜く方法があります。それは

「今から現場を見てほしいんですけど」

と言って、コンサルタントを現場に連れ出すことです。

私の経験上、誠実にクライアントに向かい合うことのないコンサルタントは、現場に行くのを嫌がります。現場を見ても理解ができないし、何か質問されても答えられないからです。馬脚を露すのを恐れて、現場には近寄らないのです。仮に現場に来たとしても、現場の何を見て、どういう質問をするかによって、そのコンサルタントがクライアントに向かい合う姿勢というものは、推し量れるものです。

誠実なコンサルタントならば「現場を見ても専門的なことはわかりませんが、御社の実態を正しく理解しなければ事業計画は書けませんから、いろいろと教えてください」という態度で、現場に行くことを承知するでしょう。

  • B!

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