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事業再構築補助金審査項目解説=事業化点③

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

事業再構築補助金の審査項目は全部で13あります。一つずつ解説をします。今回は事業化点③について解説します。

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事業再構築補助金審査項目 事業化点③

事業化点③は、ものづくり補助金とほぼ同様の審査項目です。「事業化点③」という名称がつけられて一つのカテゴリーに収まってはいますが、要求されていることは雑多であまり関連性がありません。

補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。

「補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し」の意味

補助事業とは、補助金をもらってやろうとしている事業再構築の取組のことを言います。例えば指針の手引き(1.1版)では、日本料理店が焼肉店を展開するという取組が例示されていますが、その焼肉店が価格的・性能的に優位性や収益性をもつか、ということです。

「優位性」というのは、優れた点という意味ですが、誰に対して優れた点でしょうか。補助事業の成果ですから、最もすんなりと理解できるのは、焼肉店としての競合他社と比べた際の優れた点のことでしょう。つまり、競合しそうな近隣の焼肉店と差別化できる何かを持っているか、ということが問われています。

問われている内容は「価格的・性能的」ですので「安い」とか「うまい」とかをイメージすればよいでしょうか。そうした点で競合と比べて際に、自社の新しい取組に優れた点があるかどうかということを、事業計画書に記述しなければなりません。なお、一般的に経営支援の世界では、安さを売りにすることはあまり推奨されません。したがって性能面や、品質面、納期面、安全面、衛生面などといった点においても優位性をもつような取組をしなければなりません。

「事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か」の意味

ここでいう事業化とは、補助事業終了後(一連の設備投資等が終わり、補助金の交付を受けた後)に、新しい取組として開発などをした新製品・新サービスの製造や提供を始めることを指します(ものづくり補助金における考え方ですが)。審査項目のこの一文で要求されているのは、新製品・新サービスの製造や提供を始めるまでに、誰が、いつ、何を、どうやるのかというスケジュールを明確にするということです。(もちろんそのスケジュールを審査員が見て、なるほど確かにそうだなと思うような内容でなければなりません)

「補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か」の意味

まず最初は、補助金をもらってやろうとしている事業再構築の取組における課題が明確かどうか、という点です。

補助事業には絶対に課題が伴います。簡単に実現できるような新製品・新サービスの提供は、そもそも指針の要件から見ても対象外です。簡単には実現ができない何らかの開発行為が必要で、その開発行為を行うために設備投資も必要になるわけです。ここで言う「課題」とは、事業再構築が簡単にはできない理由と言い換えてもいいかもしれません。

例えば「感染対策のためにフロア・ホールスタッフが完全無人の焼肉店」を展開しようと考えているとします。その場合は「ホールが無人でもオペレーション可能な方法の開発」が課題になるでしょう。もちろんそんなことは容易にはできないので、新たなシステムへの投資や設備投資が必要です。例えば配膳ロボットの導入かもしれませんし、テーブルでの注文システムかもしれませんし、セルフレジの導入かもしれません。こうした設備投資が解決方法になります。ここまで具体化できていれば、課題も解決方法も明確と言えるでしょう。

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