おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
5月31日に行政事業レビューが行われました。この場で、ものづくり補助金の審査に関して、採択結果に地域差(都道府県差)があることを中小企業庁が公式に認め、差を埋めるための補正をしていることが明らかになりました。
令和3年度行政事業レビュー経産省ページおよび動画はこちら
中小企業等事業再構築促進事業(事業再構築補助金)のレビューシート・概要・論点シート
令和3年度行政事業レビュー公開プロセス動画(中小企業生産性革命推進事業は1:29:00ごろから)
佐藤委員による質問のポイント
地域差については、外部有識者である佐藤委員(一橋大学教授)と中小企業庁との中で質疑がかわされました。佐藤委員の質問のポイントは下記の通りです。(動画の1:59:45ごろより)
- 採択者に地域差が見られる
- 地域差の理由は何か
- ものづくり補助金では都道府県ごとの応募者数については公表しておらず、また地域別の採点結果や地域別の採点補正の詳細等も公表を行っていないが、それで説明責任が果たせるか(平均点や補正の有無等は提示すべきではないか)
- 審査の観点がどこまで都道府県ごとあっているか(一致しているか)を検証する必要があるのでは
佐藤委員の質問に対する、中小企業庁経営支援部長等のコメントのポイント
この佐藤委員の質問に対する、中小企業庁経営支援部長等のコメントのポイントは次のとおりでした。(動画の2:03:40ごろより)
- 地域差があるのはなぜかは庁内でもわかっていない
- 県別で審査の体制が組まれているので平均点補正をしている。それぞれの県での審査の平均点を出して、高いところと低いところの平均点の差分を、埋戻しでかさ上げしている。そのうえで採択率の違いがでている
- こうした情報を全部にオープンにすると、強烈な外圧の原因となり、審査の現状が耐えられない。不要に県間競争を煽らないようにしたい。
- 補正の努力は引き続きしたい
- H29年度補正までは都道府県ごとの採択率が、全体採択率と同じになるように運用していた。事業計画が都道府県ごとに差があるのにこうした運用はダメではないかという批判があり、今の運用になっている
- 地域差の要素の一つは加点要素である。経営革新計画など。加点を撮っている地域とそうでない地域がある
- 地域の審査員の癖やばらつきはある
- (補正の方法としては)平均点でアジャストしているのでばらつきまでは見ていない。ばらつきが多いほうが採択率が高い