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2022年度ものづくり補助金「デジタル枠」徹底解説(第1回)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

2022年度ものづくり補助金から新たに設けられた「デジタル枠」について、複数回にわたって詳細に解説をします。当社の見解としては、デジタル枠に申請するそれなりのメリットはあるものの、かなり面倒くさい作業が必要です。

ものづくり補助金「デジタル枠」とその他申込プランの補助率・補助金額比較

まずはものづくり補助金「デジタル枠」とその他申込プランの補助率・補助金額の比較をします。

通常枠との違いは補助率です。ただし通常枠でも小規模事業者や再生事業者はもともと2/3です。小規模事業者や再生事業者は「デジタル枠」を選ぶメリットがないか?といわれるとそうでもありません。詳細には後述しますが、「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」(様式3)を提出すれば、政策加点を受けられる(つまり採択されやすくなる)からです。

ただし「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」(様式3)の提出は必須ではなく任意なので、この様式3を提出しないならばメリットは薄いでしょう。

「デジタル枠」に応募するには、基本要件のほか3つの要件を満たさなければならない

次に「デジタル枠」に応募する上での要件を見てみましょう。基本要件のほか3つの要件を満たさなければなりません。基本要件とは下記の3点です。

【基本要件】 以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定していること。
・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
・事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする。
・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。

これを満たすのは当然のこととして、その上でさらに3つの必須要件があります。

(1)次の①又は②に該当する事業であること。

①DXに資する革新的な製品・サービスの開発

(例:AI・IoT、センサー、デジタル技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発(部品、ソフトウェア開発を含む)等)

②デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善

(例:AIやロボットシステムの導入によるプロセス改善、受発注業務のIT化、複数の店舗や施設にサービスを提供するオペレーションセンターの構築等)

(2)経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。

(3)独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行っていること。

この(1)から(3)の要件については次回以降で詳細に解説しますが、(2)と(3)についてはそれほど難しくはありません。(難しくはありませんが、まずまずの作業量があるので面倒くさいです)

特に(2)の「DX推進指標自己診断」は67個もの質問に答える必要がある上、質問項目にあまり馴染みのないIT用語(もちろんカタカナ)が多用されているので、理解するにも一苦労ではないかと思います。これらの自己診断や自己宣言は、応募締切日までに確実に提出していることが求められていますので、ゆとりをもって、しかもITに詳しい社員さんと一緒になって作業をする必要があるでしょう。

  • B!

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