ものづくり経営革新等支援機関

ものづくり補助金の審査項目を読む(政策面① 他の企業モデル、賃金上昇、雇用増)

https://imamura-net.com

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

今日はものづくり補助金の審査項目のうち、政策面①について解説をします。

政策面とは

企業が申請する「ものづくり補助金」事業計画書の内容が、国の方針に沿っているかどうかを評価するポイントです。どんな補助金施策もそうですが、国として達成したい目標があって、それの実現のために「補助金」という手段で実施を促しているわけです。この「ものづくり補助金」も、中小企業の経営革新を促進したいからやっているんですね。単に、がんばる中小企業を応援するためだけに行われているわけではありません。

したがって、国の方針をより多く満たしているほうが、審査でも高評価が得られるというわけです。具体的にどういう方針を満たしているのがよいのかが、この「政策面」で明らかにされています。

政策面① 審査項目にはどう書いているか

平成29年補正予算「ものづくり・商業・サービス経営力向上補助金」公募要領28ページ(2)政策面①には、次のように書かれています。

厳しい内外環境の中にあって新たな活路を見出す企業として、他の企業のモデルとなるとともに、国の方針(「経済の好循環実現に向けた政労使の取組について」において示された賃金上昇に資する取組みであるか等)と整合性を持ち、地域経済と雇用の支援につながることが期待できる計画であるか。

ここでは3つの要素があります。

  1. 厳しい内外環境の中にあって新たな活路を見出す企業として、ほかの企業のモデルとなる
  2. 国の方針(賃金上昇に資する取り組みであるか)
  3. 地域経済と雇用の支援につながるか

この3つを満たしていれば、この審査項目では点が獲れるということです。

他の企業のモデルとなる

これはやはり「革新性」に尽きるのではないでしょうか。この補助金は、昨年度には「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」と称されていたように、革新的な取り組みに対して交付される補助金です。古い設備を新しい設備に更新するためだけの補助金では決してありません。厳しいようですが「うちのような町工場には、革新的な取り組みなどできるはずがない」と思われるような経営者の方は、この補助金には応募しないほうがよいでしょう。役所の意図を満たすことができませんから、時間とお金のムダになるだけです。

ここでいう革新的とは「自社になく、他社でも一般的ではない取り組み」のことです。詳しくは下記のページをご参照ください。

https://imamura-net.com/blogpost/1258/

その業界で革新的な取り組みであれば、他の企業にとってもモデルにもなりますね。そういうモデルとなるようなものを優先的に採択したいというのが中小企業庁の意図です。その事例がモデルとして広がれば、業界全体にも変革の波が波及しますからね。

ですので、補助金対策上は、しっかりと革新性についての記述を厚くしてください。もちろん、なぜ革新的だといえるのかという理由や根拠の明示も不可欠です。そのうえで「他の企業のモデルとなる」と明言することが必要です。

賃金上昇に資する取り組みであるか

最近ではあまり言われなくなりましたが、一時期アベノミクスでは「賃上げ」というキーワードがよく聞かれていました。アベノミクスの成果と直結させるためでしょうか、この「ものづくり補助金」でも、賃金上昇に資する取り組みであることが政策面の審査項目になっています。加点項目にも「賃金上昇」という項目があることからもわかりますね。個人的には、賃金上昇するために政策を実行するのが政府の役割なのに、賃金上昇の取り組みの企業に補助金を交付するというのはちょっと筋違いじゃないかな?と思いますけどね。

ともあれ審査対策上は、やはりどこかに「賃金上昇させる」ということを明記したいところです。今後5年間の人件費予測なども盛り込めたら完璧でしょう。そして賃金上昇をさせるということを前提にして、事業計画(様式2に記載されている経常利益や付加価値の表)のシミュレーションも行いましょう。

地域経済と雇用の支援につながる

賃上げと同様、この補助事業に取り組むことによって、雇用も生まれるということを明記したいものです。

審査対策上は、今後5年間の要員計画(従業員数が今後5年間で何人になるのか)を明記したいところです。そして、それだけの新規採用を行うということを前提にして、事業計画(様式2に記載されている経常利益や付加価値の表)のシミュレーションも行いましょう。僕はこういう表を作って、雇用が増えていくことを訴求しています。

まとめ

  • 「他の企業のモデル」になることを訴求するには、根拠も含めて革新性をじゅうぶんにアピールすること
  • 賃金を上昇するということを明記し、その前提で事業計画をシミュレーションすること
  • 雇用を増加させることを明記し、その前提で事業計画をシミュレーションすること
  • B!

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