おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
6月9日、事業再構築補助金事務局は5次公募の採択結果を公表しました。公開された「事業再構築補助金第3回公募の結果について」という資料を基に、業種別採択率を割り出し、1~4次の結果と比較をしました。
公式資料「事業再構築補助金第5回公募の結果について」はこちら
事業再構築補助金5次公募 採択結果の全体像
まずは5次公募の採択結果の全体像を見ていきましょう。この表は、応募類型別に応募件数、うち申請要件を満たした件数、採択件数、そして採択率を示したものです。1次~4次の結果とも比べてみましょう。
まず全体として21,035件の応募がありました。4次公募の応募件数は19,673件でしたので、1,500件ほど増加しています。
そして採択件数が9,707件です(3次公募の採択件数は8,810件でした)。よって5次公募採択率は、全体としては46.1%と、これまでの公募で最高となりました。
採択内訳を見ていくと、これまでの公募と同様、特別枠と最低賃金枠の採択率の高さが目を引きます。この補助金は、通常枠以外の申込プランで申請をするとかなりの高確率で採択をされることがわかります。通常枠以外ではかなりのゲタを履かせているのでしょう。政策的な意図を感じます。
事業再構築補助金5次公募 業種別採択率
続いて、業種別の採択率を推定してみたいと思います。「事業再構築補助金第5回公募の結果について」の2ページ目に、「業種別の応募と採択割合について」としてこのようにスライドがあります。このスライドでは、応募件数に対する業種別の構成比と、採択件数に対する業種別の構成比が明示されています。応募件数と採択件数は、先程お見せした表でわかりますので、ここにある構成比をかけ合わせると、業種別の応募件数と採択件数が算出できます。この方法で、業種別の採択率を割り出してみます。
結果はこのようになりました。しかしながら構成比を全て足しても100%になりません、数点の繰り上げ、繰り下がりの問題等があるからだと思いますが、全体的な傾向を掴む上では誤差の範囲ですので、このまま分析することをご容赦ください。
相変わらず製造業、宿泊業・飲食サービス業の採択率が顕著です。財政制度審議会「令和4年度予算の編成に関する建議」という資料では「事業再構築補助金の採択状況をみると、事業再構築ニーズの高い飲食・宿泊業の割合が相対的に低い。真に必要な先に適切な支援が行き渡るような見直しが必要。」とまで書かれていましたが、4次でもそれほど是正されていませんでしたが、5次でもやはり是正されていないように感じられます。こうした審議会での指摘はあったものの、根本的な審査基準・体制は変わっていないのだと推察できます。(変える気がないのでしょう)