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【速報】事業再構築補助金6次採択発表 申請類型別・業種別採択率を1~5次の結果と比較

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

9月15日、事業再構築補助金事務局は6次公募の採択結果を公表しました。公開された「事業再構築補助金第6回公募の結果について」という資料を基に、申請類型・業種別採択率を割り出し、1~5次の結果と比較をしました。

公式資料「事業再構築補助金6回公募の結果について」はこちら

事業再構築補助金6次公募 採択結果の全体像

まずは6次公募の採択結果の全体像を見ていきましょう。この表は、申請類型別に応募件数、うち申請要件を満たした件数、採択件数、そして採択率を示したものです。1次~5次の結果とも比べてみましょう。

まず全体として15,340件の応募がありました。これは過去5回の公募と比べると最も少ない応募でした。5次公募と比べても5,500件ほど落ち込んでいます(およそ27.1%の下落)。

そして採択件数が7,669件と、これも過去最低でした。5次公募と比べても2,000件以上減っています。(およそ21.0%の下落)

グラフにするまでもないとは思いますが、こうしてみると落ち込みが顕著にわかります。

減った理由は複数あるとは思いますが、過去5回の公募で申請ニーズがある程度満たされたこと、コロナ対策としての事業再構築の必要性が薄れてきたこと、申請類型が変わって要件を満たす企業が減ったこと、補助上限額が引き下げられて「うまみ」が減ったことなどがあると思われます。

なお採択率は、全体として50.0%となり、これまでの公募で最高となりました。

事業再構築補助金6次公募 申請類型別採択率

今回発表のあった6次公募から、事業再構築補助金は制度が大きく変わっています。予算も令和3年12月20日に成立した補正予算が出どころになっており、従来の「コロナ対策」としての事業から、「原油・物価価格高騰対策」の色合いも含んだ事業へと衣替えしました。これに伴い、5次まであった「特別枠」「卒業枠」「グローバル成長枠」が廃止となり、かわりに「回復・再生応援枠」「グリーン成長枠」が設けられました。

さきほどの表では申請類型別にも過去の採択率と比較していますので、再掲します。

「回復・再生応援枠」は、5次まで行われていた「特別枠」とほぼ同じ採択率になっています(判で押したように66.6%前後で安定しています)。「回復・再生応援枠」は事実上「特別枠」を後継する枠であり、申請者の2/3を採択させるという内規のようなものがあるのではないかという推測ができそうです(あくまでも推測です)。

一方、補助金額最大1.5億円(中堅企業の場合)として目を引いたグリーン成長枠ですが、こちらは40%と、全ての申請類型の中で最低の採択率になりました。グリーン成長枠は、、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組でないとダメという要件が非常に厳しいのですが、これに該当しない応募が多数あったのではないかと思います。「ダメ元でもいいからやってみよう」というのは通用しない申請類型ではないかと考えます。しかし個人的には、40%というグリーン成長枠の採択率は、想像していたよりもずっと高いものですけれども。

事業再構築補助金6次公募 業種別採択率

続いて、業種別の採択率を推定してみたいと思います。「事業再構築補助金6回公募の結果について」の2ページ目に、「業種別の応募と採択割合について」としてこのようにスライドがあります。このスライドでは、応募件数に対する業種別の構成比と、採択件数に対する業種別の構成比が明示されています。応募件数と採択件数は、先程お見せした表でわかりますので、ここにある構成比をかけ合わせると、業種別の応募件数と採択件数が推定できます。この方法で、業種別の採択率を割り出してみます。

結果はこのようになりました。(あくまでも当社による推定値です)

こちらは5次までの傾向と変わらず製造業、宿泊業・飲食サービス業、教育・学習支援業の採択率の高さが目に付きます。個別に見ていくと、5次の採択率から大きく跳ね上がっているのが建設業です(10.7ポイントのアップ)。全体の採択率が5次の46.1%から6次の50.0%へと3.9ポイントのアップですから、それを基準にしてみると、建設業の上昇度合いが顕著です。

反対に、宿泊業・飲食サービス業は5次より6次の採択率のほうが低いという推定になっています(5次と比べると採択率が0.8ポイントのダウン)。

もともと採択率の高い製造業も、採択率を5.7ポイント伸ばしています。原材料費や運送費高騰の影響はどの業界でも等しく受けているとは思いますが、影響を受けている説明がつきやすい製造業や建設業などの採択率が高まりやすかったのかもしれません。

また宿泊業・飲食サービス業は、政府による行動制限も行われずに客足が回復しつつあるという現状を踏まえて、評価されにくくなっているのかもしれません。

このあたりの実情は闇の中ですけどね。

  • B!

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