おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO14001:2015年版各箇条解説シリーズ、今日は箇条7.5「文書化した情報」について解説します。環境マネジメントシステムを運用していくにあたって使う文書類の管理について要求をしています。規格要求事項を説明して参りたいと思います。
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箇条7.5「文書化した情報」 の位置づけ
それでは今日のテーマである箇条7.5「文書化した情報」 の位置づけについて確認しましょう。
まずISO14001の出発点でもある箇条4では、組織をとりまく課題や利害関係者のニーズ・期待などを考慮して、環境管理の仕組みをつくる手筈を整えました。
環境管理の仕組みを作ったら運用をしていくわけですけれども、経営者の「やるぞ!」という決意や、経営者自身による率先がなければ、どんな良い仕組みであったとしても、うまく運用することはできません。トップがやる気にならないものは、部下もやる気にはなりませんからね。そこで、箇条5では、トップマネジメントが果たすべき役割について定めましたね。
つづいて箇条6では、皆さんがたの仕事のなかで、環境に影響を与える要因や、リスクと機会、そして環境に関する法令などを明らかにして、その上で環境に関する計画や目標を定めてきました。
箇条7では、その計画・目標などに取り組むために必要な人材、道具、設備、インフラなどを準備します。
そして今日説明をする箇条7.5では、環境マネジメントシステムを運用していくにあたって使う文書類の管理について要求をしています。
ISO14001:2015 7.5.1「一般」
では箇条7.5の規格要求事項を見ていきましょう。まずは7.5.1の一般です。
規格要求事項では、文書のことを「文書化した情報」と呼んでいます。文書化した情報は、具体的に言うと方針や、目標、手順、記録などがありますが、これらを総合して「文書化した情報」と呼んでいます。
「文書化した情報」の定義は、ISO14001の規格の3.3.2項に書いています。「組織が管理し、維持するよう要求されている情報、及びそれが含まれている媒体」というのが定義ですね。形式や媒体に指定はありませんので、どういう形式でもよいですし、紙であろうがデータであろうが、媒体もどのようなものでも構いません。
そして作らないといけない書類はa)とb)にかかれています。
a)はこの規格が要求する文書化した情報、ということで、ISO14001の規格の中で「これは文書化してね」と求めているものがあるので、それは必ず文書化してくださいと言っています。規格が要求している文書は、このあとでお見せしたいと思います。
そしてb)では、組織が決定した文書化した情報なので、必要だと思ったら作ればいいよ、というものです。そして注記にも書いていますが、どの程度文書化しないといけないかは、その会社によって違いますとも書いています。なので自分たちで決めてください、ということですね。
ISO14001規格が要求する文書化した情報の一覧
この一覧が、この規格が要求する文書化した情報です。全部で21個ありますね。
これは最低ラインですので、この他、組織が必要だと思うものを文書化した情報として採用する必要があります。これを見て多いと思うか少ないと思うかは、会社の規模とか携わっている事業の内容とかにもよるんでしょうけど、利害関係者にに安心してもらうため、法規制を守るため、ひいては自分の会社を守るために、ここに書いていることはしっかりやっておいたほうがよいと私も思います。
なお、「文書化した情報」については、大まかにわけて文書と記録があります。文書と記録の違いについては、このスライドにも少し説明していますので、参考にしてください。