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【速報】事業再構築補助金第10回公募要領公開=前回公募から大幅に要件等変更(1)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

3月30日、事業再構築補助金事務局は、事業再構築補助金第10回公募(R4補正での初回公募)の公募要領を公開しました。この度から大幅に申請類型や要件、審査項目等が変更になっています。多くの事業者に関連する主だった点に絞って、変更点等を解説します。

免責事項

当ページの情報は速報ベースであり、多くの事業者に関連する主だった点に絞っています。このページの記載されていること以外にも、前回公募からの変更点があります。当記事の内容に基づいてすべてを判断せず、必ず公募要領を確認してください。当社ページの見解に従った結果、不採択や交付決定取り消しとなった場合も、当社は責任を負いかねます。

公募要領・事業再構築指針・FAQはこちら

3月30日づけで、公募要領・事業再構築指針・FAQも大幅に公開されています。必ず最新版を参考にしてください。

事業再構築補助金公募要領

事業再構築指針

事業再構築指針の手引

事業再構築補助金FAQ

事業再構築指針・事業再構築指針の手引の変更点(3/30)

事業再構築の定義について「新市場進出」および「国内回帰」が追加されました。

新市場進出は、従来の「新分野展開」と「業態転換」を統合したものです。

 

事業再構築補助金第10回公募のスケジュール

3月30日から第10回公募が開始となりました。電子申請の受付開始はこの記事の執筆時点では「調整中」となっていますが、おそらく5月頃だと思われます。第10回の申請締切は2023年6月30日です。今回の第10回公募を含め、令和5年度末までに3回程度の公募が予定されています。(中小企業庁『事業再構築補助金の概要』第10.0版より)

締切までに申請すると、そこから審査がおこなわれます。第10回公募の採択発表は2023年8月下旬~9月上旬です。採択が分かってから、交付申請という事務処理があります。過去の経験則ですが、事務局とやり取りが早く終わっても、2か月程度はかかる印象です。原則として、この交付決定が下りて、はじめて発注・納品・支払いができるようになります。発注・納品・支払いができる期間が、ピンクの範囲です。この期間を1日でも外れた発注・納品・支払いは、事前着手の承認を受けない限り、一切補助金の対象となりませんので、機械装置等の納期に注意をしてください。この期間は、通常枠では交付決定から12ヶ月以内、採択発表から14ヶ月以内と定められています。

納品・支払まで完了した後は、実績報告書等の書類を複数提出しなければなりません。その後にようやく補助金の請求ができるようになります。つまり、最初に補助金申請書を提出して補助金が入ってくるまで1年間以上間があくこともありうることことなので、この間に資金繰りが確実にできるかどうかが重要です。したがって審査でも財務面が重視をされます。

事業再構築補助金 第10回公募の申込みプラン(申請類型)・補助率・補助金額一覧

第10回公募での申込みプラン・補助率・補助金額は以上の通りです。それぞれの申込みプランに細かな要件が設定されていますが、本記事では割愛をします。近いうちにあらためて、各申込みプランの詳細な解説記事をお届けします。

事業再構築補助金 第10回公募での変更点の要点

前回の公募(第9回)と比べて変更になっている部分のうち、多くの事業者に関連する主だった変更点に絞って解説をします。数が多いので、箇条書きとします。重要だと思われるところについては、コメントを付記します。

なお、「3.補助対象事業の類型及び補助率等」と「4.補助対象事業の要件」の一部、「表1:審査項目・加点項目」、「表2:添付書類」については、本記事では解説していません。別の機会に詳しく解説する記事を公開する予定です(時期未定)

当社の主観ですが、今回の大きな変更点としては以下の点が挙げられます。

  • 事業者が必ず事業計画書を作成(コンサルや士業等が作成することは禁止)
  • 機械装置等の納期遅延が起きた場合の救済措置の設定(ただし全てのケースで救済されるかどうかは不明)
  • 補助事業で購入する設備は補助事業専用機という位置づけに戻った(ただし本来はこの考え方が国の補助金では一般的)
  • 採択者説明会の実施。説明会に参加しないと交付申請を受け付けない。

従来から補助金の事業計画書は、コンサルや士業が申請書作成の代行を有償で行うことは違法行為であるという解釈を当社はしていました(根拠は行政書士法第19条)。ただし今回、公募要領で明確に「必ず申請者自身で作成」と書かれたことにより、無償で作成することはもちろんですが、行政書士が有償・無償を問わず作成することも、公募要領上は不可となったと当社では解釈しています。会計検査院での検査でやり取りの履歴等まで調べられる可能性もゼロではありません。申請者自身が作成したことが立証できなければ、不正行為とみなされて交付決定は取り消しになるのはもちろん、コンサルや士業が認定支援機関である場合は、認定支援機関を剥奪される可能性もありえます。

また「必ず申請者自身で作成」と書かれたことにより、明らかに「これはコンサルの作文だろう」という雰囲気を醸し出すような事業計画書は、審査段階でも評価されない可能性が高くなるでしょう。

これらは申請者にとっては大きなリスクですので、公募要領を順守して、必ず申請者自身で事業計画書を作成してください。もちろん、コンサルや士業が助言をするだけ(作らない。口を出すだけ)であれば問題ありません。

以下、細かい点も含めて、変更点の一部を解説します。

事業再構築補助金 第10回公募 事業概要(P1~P5)における変更点

  • (P1) 暫定GビズIDプライムアカウントでの申請に関する記述が削除。暫定GビズIDプライムアカウントでの申請はできなくなるという認識が無難。デジタル庁の運用変更に伴うもの
  • (P1) 事業概要の説明が「ポストコロナ社会を見据えた未来社会を切り開くための取り組みを重点的に支援」という表記に。「ウィズコロナ」の文言がなくなった。制度の趣旨として「ポストコロナ」へ対応する取り組みであり、感染対策等の取り組みは評価されない恐れ。(ただし政策面①の審査項目には「ウィズコロナ」の文言が残っている)
  • (P4) 注意事項に「申請者は事業計画の作成(検討やブラッシュアップのために認定経営革新等支援機関を含む外部機関の助言を受けることは差し支えございませんが、必ず申請者自身で作成してください。作成自体を外部機関が行うことは認められません。)」と追加。コンサルや士業等による計画書作成は全面的に禁止に。
  • (P4~5) 注意事項に「経費の水増しを提案するなどの悪質な業者等にご注意ください。」が追加。
  • (P5) 注意事項に「また、悪質な不正行為が発覚した場合については、事業者名や不正内容を公表します。」が追加。

事業再構築補助金 第10回公募 「2.補助対象者」(P7~P9)における変更点

  • (P7) 補助対象者に「ただし、経済産業省又は中小企業庁から補助金等指定停止措置または指名停止措置が講じられている事業者は補助対象となりませんのでご注意ください。」追加。
  • (P7) 第9回公募要領にあった「コロナ以前(2020年3月31日以前)から創業を計画等しており、2020年4月1日から2020年12月31日までに創業した場合は、特例的に支援の対象となります。」が削除。
  • (P7~8) 補助対象者のうち、中小企業者等に含まれる中小企業者以外の法人に「労働者協同組合法に基づき設立された労働者協同組合」が追加
  • (P9) みなし大企業の定義「発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上をみなし大企業が所有している中小企業者もみなし大企業として取り扱います。」と「JV(協同企業体)構成員の申請においては、出資総額の過半数が大企業又はみなし大企業である場合は本規定を準用し補助対象外といたします。」が追加
  • (P9) みなし同一法人の定義に「加えて、上記に該当しない場合であっても、代表者及び住所が同じ法人、主要株主及び住所が同じ法人についても、事業内容が明確に異なると認められない限り同一法人とみなし、そのうち1社のみでの申請しか認められません。また、過去に交付決定を受けた個人事業主が設立した法人についても、同様の取扱いとします。」が追加
  • (P10) 補助対象事業の類型及び補助率等で「産業構造転換枠」「サプライチェーン強靱化枠」については、一定の条件を満たす場合に限り、既に採択されている又は交付決定を受けている事業者においても申請が可能に。

続きは下記のリンクをご覧ください。

【速報】事業再構築補助金第10回公募要領公開=前回公募から大幅に要件等変更(2)

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