おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
僕のお客様が先々週から順次、ものづくり補助金1次公募の申請書を、中小企業団体中央会に提出をしています。その中で、事務局から修正と再提出を求められることが続いています。備忘録もかねて、中央会からの指摘事項をまとめておきたいと思います。
注意!ただしここに挙げた指摘事項は、ある特定の都道府県の中央会における、特定の担当者の見解です。これがすべての都道府県の中央会の見解ではありませんし、指摘をした担当者だけの見解かもしれません。下記の通りに記入をしても、修正・再提出が求められる可能性があることにご留意ください。
そもそも今年度はチェックが厳しい?
僕はこの5年間、毎年十数社の支援をしていますが、修正と再提出を求められることはほとんどありませんでした。僕が覚えている限り累計で70社ほどの支援に対して、2~3社程度だったと思います。ところが今年度については、すでに3社の申請書について、修正と再提出が求められています。例年よりもチェックが厳しいのではないかという印象もあります。
僕のミスが多いんだというご指摘が聞こえてきそうです。それももちろんありますが、公募要領に載っていないことで修正・再提出を求められることがあったり、公募要領通りに書いたけれども修正・再提出を求められたりと、こちら側の努力ではどうしようもない指摘があるのも事実です。もしかしたら、中央から地域の中央会に「もっとチェックを厳しくしろ」という指示でも出ているのかもしれません。誰もすき好んでこんな細かいチェックはしたくないでしょうから。
気をつけないといけないのは、書類不備になった場合の連絡が連休中となってしまうと、タイムリーな対応が難しくなることです。したがって、1日でも早い申請と、できるだけ入念な自己チェックをしたうえでの提出をご留意ください。
先端設備等導入計画で、補助率アップは不要だが、加点だけ申請する場合
先端設備等導入計画で優遇措置を受けることを検討している企業も多いと思います。中には、設備の費用が2,000万円以上するので、先端設備等導入計画の認定を取得しても、補助率アップはしない(1/2のままでいく)が、加点だけ申請をする、というケースがあります。
この場合、様式1の2ページ目の「補助率2/3要件」にはチェックを入れず、様式2の「6.その他加点項目」(2)でチェックを入れるというのが、最も申請者の意図を反映しているはずです。しかしこのようなケースでも様式1の2ページ目の「補助率2/3要件」にはチェックを入れて再提出しなさいと求められました。
これは中央会の内部でも、錯そうしているようです。同じ質問を、別の地域の中央会にしたところ、「どちらでも構わない」という回答をしたところもありました。
何が正しいのかこちらもわからない状態です。おそらく、正しい書き方は存在しないのでしょう。
(小規模型応募企業の留意点)労働者名簿の数字と従業員数の不一致に注意
小規模型応募企業の留意点ですが、補助率アップの条件として提出が求められている労働者名簿上の人数と、様式2に記入している従業員数が不一致だとして、修正を求められました。
様式2の従業員数は、役員を含まない常時雇用の従業員数です。
【様式2】事業計画表の計算ミスに注意
様式2の事業計画表とは次の表ですね。
経常利益率、付加価値額の足し算ミスに注意
今年度から、この事業計画表は1円単位での数値の記入が求められるようになりました。これを計算する際、Excelでシミュレーションをして、その結果だけをこのWordファイルにペーストする人もいるでしょう。その場合、四捨五入の繰り上げ・繰り下げの影響で、足し算が1円単位でずれる場合があります。そこを指摘される可能性がありますので、計算結果はしつこく見直してください。
伸び率の計算ミスに注意
伸び率の計算が間違っていると修正依頼がくる場合があります。そもそも、公募要領には正しい伸び率の計算式が載ってないんですよね。
伸び率の計算式は下記の通りです。下記の式は経営革新計画の伸び率式を参考にしています。
A:直近期末値 B:x年度の値
伸び率(%)=(B-A)÷|A|×100
※ | |は絶対値を表す記号、小数点以下第2位を四捨五入
【計算例1】
直近期末が1,000,000円で、1年後が1,300,0000円だった場合の、1年後の伸び率
(1,300,000-1,000,000)÷1,000,000×100=0.3×100=30%
【計算例2】
直近期末が-1,000,000円で、1年後が1,300,0000円だった場合の、1年後の伸び率
1,300,000-(-1,000,000)÷|-1,000,000|×100=2,300,000÷1,000,000=2.3×100=230%
ちなみに伸び率は、小数点第一位まで求めなければダメと言われて、修正・再提出になったことがありました。ダメと言われても、そのほかの企業では、伸び率が整数であっても問題なく受理されていました。担当者によって基準が違うのかもしれません。公募要領に模範解答がないので、こういうことが起こるのですが……。
経費明細表
これが最大の難関にして最大の謎です。まず、公募要領には次のように書いています。
公募要領にはこのように書いているので、経費明細表の積算基礎に「(別添)見積書参照」と付記して見積書の写しを添付したのですが、これに指摘が入りました。単に「(別添)見積書参照」と書くだけではダメで、やはり積算基礎には明細を記入しなければならない、とはっきりと言われました。(某県中央会の、ある担当者の見解です。中央会すべての見解であるかどうかはわかりません)
なぜそういうことを言うのか、理由を推測することはできますが、何が正解なのかは正直なところ担当者によっても変わる可能性があり、これだと言い切ることが難しいです。かなり骨が折れることですが、何十ものオプション品が見積書に列記されている場合も、やはり書ききらないと書かないとダメなのでしょう。
なお、一枚の見積書の中で、50万円未満のものと50万円以上のものが混在している場合は、50万円以上にまとめて書きなさいとも言われました。これも指摘されなければわからないことです。
くどいようですが、これは某県中央会の、あるご担当者のご意見です。中央会すべての見解であるかどうかは僕にはわかりません。
設立年月日のゼロを忘れないこと
例えば、2018年1月1日が設立年月日の時は、「2018-01-01」と記載してください。
認定支援機関確認書の2枚目をわすれないこと
認定支援機関確認書は、今年から標準で2枚構成になっています。1枚目の押印部分だけを送付して安心していると、2枚目の事業化見込みの部分も提出してくださいと指摘されます。事業化見込みは、中央会にとっては重要なポイントです。なぜなら、事業化見込みが低い事業計画は、この補助金施策の目的である「5年間で事業か達成率50%」という趣旨に合わないからですね。ここをみて評価されている可能性は十分にあります。
それくらい重要なページなので、忘れないように気をつけてください。
そのほかの細かい点
今年度からめちゃめちゃ細かい指定がつくようになりました。こちらの記事もご覧ください。
https://imamura-net.com/blogpost/2411/
くどいようだが「正解」はないので注意が必要
くどいようですが、ここに挙げた指摘事項は、ある特定の都道府県の中央会における、特定の担当者の見解です。これがすべての都道府県の中央会の見解ではありませんし、指摘をした担当者だけの見解かもしれません。上記の通りに記入をしても、修正・再提出が求められる可能性があることにご留意ください。
とにかく「出してみないとわからない」のが今回のものづくり補助金の申請の特徴と言ってもよいと思います。
できる限り指摘されそうな箇所を減らしてから提出できるよう祈っています!