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【平成29年度ものづくり補助金1次公募分析】都道府県別の採択率を推測してみる

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

今日は、平成29年度ものづくり補助金1次公募の結果分析をしてみたいと思います。都道府県別の採択率を推測してみました。

都道府県別の採択率を推測してみる

都道府県別の採択数を調べるのは容易にできます。公表されている採択事業者一覧で数えていけばいいだけですからね。下記のリンクをクリックすると、pdfで公開されている採択者一覧を見ることができます。このpdfをExcelに変換し、countif関数で数えれば、都道府県別の採択数を調べるのは簡単です。

問題は分母。すなわち、都道府県別の申請数を調べることです。これはどこにも公表されていませんが、推測することはできます。同じくpdfで公開されている採択者一覧を見てみると、受付番号が書かれています。おそらくこれが、全ての申請者に対して割り当てられた、一意の通し番号です。例えば山形県の採択事業者を追っていくと、山形県の最後の採択事業者(福島県との境界)の通し番号は2906110307です。(下記赤線部分)

290611までは山形県の申請に付与されたprefixのようですので、ここから山形県の申請数が307件程度であることがわかります。308件かもしれないし、309件かもしれないし、310件かもしれませんが、ここでは便宜上、307件だと仮定します。数件程度の誤差は、大まかな傾向をつかむ上では問題ありませんね。

都道府県別の採択率の計算結果

上記の計算方法で集計をしたところ、全国の申請数予測が16,994件となりました。公表されている全国の申請数が17,112件です。まずまず近い値となりましたね。さてそれでは、この計算方法で算出した、平成29年度補正ものづくり補助金の都道府県別採択率(予測値)をご覧ください。

結構ばらついていますね。僕の計算では、最高採択率が岡山県の71.4%で、最低採択率が東京都の40.1%です。ちなみに過去、熊本地震があった年は、九州7県の採択率が有意に高いということがありました。政策的な意図で、このあたりの採択率は左右されているとみるのが自然なのですが……それにしてもバラつきが大きいように思います。ちょっと昨年度の結果と比較してみましょう。

平成28年度補正ものづくり補助金採択率予想(H29と比較)

下記の表が、平成28年度と29年度の採択率を比較した表です。平成28年度は、ほとんど判を押したように40%前後で落ち着いていて、都道府県でのばらつきはほとんど見られません。標準偏差も計算しましたが、平成28年度が0.01であったのに対し、平成29年度は0.09でしたので、バラつきが大きいのは確実ですね。

都道府県のバラつきの理由は何か?

これはあまりにも規則性がなさすぎて、バラつきの理由が思いつかないというのが正直なところです。というか、昨年度まではどの都道府県でも採択率は40%前後であるにもかかわらず、今年度はここまでばらついているということは、事務処理の方法がごそっと変わった可能性すらあります。これは単なる推測ですが、昨年度までは都道府県ごとに予算が割り当てられていた中で採択率が40%程度になるように調整していたのが、今年度は全国一律で評価をするようになった、というほどの大きな変更があったのかもしれません。

仮定に仮定を重ねる邪推ではありますが、もしそうであったならば、この採択率のバラつきは都道府県ごとの評価の甘辛がバラバラであったからという説明もつきます。また、6月下旬に関東経済産業局の担当者が、先端設備等導入計画の説明会の場で「ものづくり補助金の採択処理が遅れているので7月に発表がずれ込むかもしれない」と語ったことも、事務処理方法が大幅に変更になったからという説明もできるでしょう。(あくまでも邪推ですよ。念のため)

先端設備等導入計画の加点に挑戦した企業が多い都道府県ほど採択率が高いのかな?とも思いましたが、ここまで差が出るのも考えにくいですね。このブログを見られている方で何か気づかれた方はご一報ください。近隣の方であれば、お昼ご飯でもごちそうしますので……?

  • B!

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