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ものづくり補助金1次公募に不採択だった企業が2次公募に向けてすべきこと

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

この月曜日から当社にも「ものづくり補助金の1次公募が不採択だったので、2次公募にチャレンジしたいのですが……」というお問い合わせが相次いでいます。不採択になったらショックですよね。でも、きちんと対策を講じれば、2次公募で採択される可能性もあります。そのためにはどういう対策をすればよいか、まとめてみました。

そもそも1次不採択企業は2次公募に申請できるのか?

よく聞かれる質問の一つに、そもそも1次公募で不採択であった企業は、2次公募に申請できるのか?というものがあります。これは結論からいうと、申請可能です。もちろん、1次公募に採択された企業は、2次公募に申請することはできません。

また「1次に不採択だったら、心証が悪いので、2次公募に申請してもも不利なのでは?」というご心配を持つ人がいます。これは、そのような可能性は否定はできませんが、少なくとも僕の過去の実績ですと、1次公募に不採択で2次公募で採択されたという事例は4件あります。それでもやはり落ちた案件も2件ありますが。

審査員は何人もいるので、同じ人が見るとは限りません。ブラッシュアップができれば、採択の可能性はあるとみてよいと思います。

まずは中央会に連絡をして、審査員の所見を訊ねることから始める

中央会に連絡をすると、審査員の所見を教えてもらえます。審査員は、皆さんの企業が出した申請書をどのように見たかという所見を必ず記録することになっているようですね。したがってこの所見というのは、必ずしも「不採択の理由」ではありません。所見なので、良かった点も記録されています。また、あくまでも一審査員の所見ですから、その指摘事項を修正したからといって、必ずしも次の申請で採択されるわけではない、ということにも留意が必要です。次の申請の際には、また別の審査員が、別の見方をすることも十分に考えられることですからね。

中央会に連絡する際に、注意してほしいことをまとめます。

  • 申請書の受付番号を手元に控えてから電話をすること(中央会では受付番号で検索をするため)
  • かならず申請企業の人が電話をすること。認定支援機関や作成コンサルタントが電話をすることは厳禁です。

話を聴きながらメモを取るのはなかなか難しいので、スマートフォンの通話メモ(録音)機能などを使って、聞き洩らしのないようにしたいところです。

先端設備等導入計画・経営力向上計画の認定を取得する

次にできることは、先端設備等導入計画や経営力向上計画の認定を取得することです。これらの計画の認定取得は、ものづくり補助金の加点項目となっています。拾える加点は全て拾えるように準備をしておきましょう。特に先端設備等導入計画は、今年のものづくり補助金の公募における補助率アップ要素でもありますし、高得点の加点が与えられるという噂もあります(あくまでも噂ですが)。

1次公募要領の「審査項目」を見ながら、審査項目の要求通りにかけているかを再確認する

採択される事業計画書とは、公募要領に記載された審査項目がきちんと満たされている事業計画です。ついつい、自社の強みや良いところをあれもこれもアピールしたくなるのですが、そういうアピールも不要です。審査項目に対して、ちゃんと書けていれば、採択されるのですから。

ですのでもう一度、公募要領に書かれた審査項目を再確認してください。手前味噌ですが、当社のホームページで審査項目の解説をしていますので、参考にされたい方は下記のリンクをクリックしてください。

ものづくり補助金 審査項目解説と対策(まとめ)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 これまで連載してきた、ものづくり補助金審査項目の具体的解説と申請書作成上対策をまとめました。申請書を作成するうえでご参考ください。 技 ...

審査員に探させないよう「見出し」をしっかりつける

審査員がどのように採点をしているかというと、公募要領に記載されているそれぞれの「審査項目」に対して、どのくらい充実した記述をしているか、という採点方法をとっているそうです。ということは、それぞれの「審査項目」に該当する記述がどこにあるのかをすぐにわかるよう、見出しをしっかりとつけてあげる必要があります。

「え~っと、この審査項目はどこに書かれているんだ!??」

というように、審査員に該当箇所を探させるようであれば、読み手はストレスを感じます。読み手である審査員がストレスなく審査項目にたどり着けるように、見出しをしっかりとつける必要があります。そしてその見出しは当然、「審査項目」で使われている言葉、キーワードを使うことが必要です。

第三者の客観的な意見を聴く

これは僕のような支援者も時々陥りがちなのですが、一人で申請書を書いていると、独りよがりになってしまうことがあります。例えば「このくらい書かなくても察してくれるだろう」とか「このくらいの説明でも理解できるだろう」というような感じですね。しかし読み手の審査員は人間ですし、皆さんの事業や業界に精通しているわけではありません。したがって、皆さんが書いた申請書が、第三者にとってわかりやすく、読みやすく、独善的でないかを客観的に見てもらうことが効果的です。

別に当社に支援を申し込んでくださいと言っているのではありませんよ? 当社でなくとも、公的な窓口(自治体や商工会議所等に設置されている中小企業者相談窓口など)で無料で意見をきいてくれるところもありますので、そういうところにあたってみましょう。

ただし……今回(平成29年度補正)のものづくり補助金2次公募は、競争率が高い可能性が大です

ただし注意しておきたいことがあります。今回(平成29年度補正)のものづくり補助金2次公募は、競争率が高い可能性が大です。当社でもまだ細かく分析はしていないのですが、1次公募の採択企業数が9,518者で、補助上限額が1,000万円。今年度の予算が1,000億円ですから、予算枠は残り少ないとみるのが自然です。日刊工業新聞の6月29日の記事では、今年度の総採択企業数は12,000者程度ではないかという記事も出していますので、それが正しいと仮定すると、2次公募では全国で残り2,500者しか採択されない見込みです。

2次公募でも1次公募と同数程度(17,000者ほど)の申請があり、採択数が2,500者だと仮定すると、2次公募の採択率は14.7%となります。1次公募の採択率が55%ですから、競争率は跳ね上がる計算ですね。また、事業実施期間(発注・納品・支払が可能な期間)も公表されておらず、極端に短くなる可能性があります。このあたりを見極めて、最終的に2次公募へチャレンジするか否かを判断してくださいね。

  • B!

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