ものづくり経営革新等支援機関

ものづくり補助金は一度採択されると二度目以降は採択されにくいのか

https://imamura-net.com

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

当社ではよく「ものづくり補助金は一度採択されると、二度目以降は採択されにくいのですか」という質問を受けることがあります。感覚的にはそんなことはないと思っているのですが、ちょっと過去の数字をもとに検証をしてみました。

どうして「一度採択されると、二度目以降は採択されにくいのか」という質問があるのか

そもそもどうして「ものづくり補助金は一度採択されると、二度目以降は採択されにくいのですか」という疑問が湧くのでしょうか。考えられる理由は2つあります。

1つは「おいしい思いは何度もできるはずがない」という気持ちがあるのかもしれません。確かに中小企業にとっては、1,000万円もの補助金というのは大きな金額です。そのように大きな金額を何度ももらえるはずがないと感じても不思議ではありません。

もう1つの理由としては「過去に採択をうけたものと同一・類似の事業は応募ができない」という公募要領上の条件と関係があるかもしれません。中小企業は、それほど多くの領域で仕事をしているわけではありません。「うちは機械加工しかやっていないよ」とか「うちの取引先は1社しかない」という会社も多いでしょう。そういう会社ほど、同一・類似の事業ではないと主張するのは難しくなりますからね。

マネジメントオフィスいまむらの支援実績の中での複数回採択の状況

本来であれば、過去の採択者一覧をすべて拾い上げて分析するのが正確なのでしょうが、さすがにそこまでやる余裕はありませんので、当社(マネジメントオフィスいまむら)の支援実績の中で、複数回採択の状況を分析してみました。

まずは結論として次の表をご覧ください。

当社はこれまで過去6年間で、57社の企業のものづくり補助金申請支援をしました。そのうち、1度も採択されなかった企業が11社。1回だけの採択が28社、2回採択が10社、3回採択が4社、4回採択が3社、5回採択が1社です。当然ですが、採択回数が多いほど数は少ないですね。

一方、1社あたりの採択回数別に採択率も分析しています。例えば、2回申請して2回とも採択された企業は、申請数2、採択数2としてカウントしました。2回申請して1回採択された企業は、申請数2、採択数1とカウントしています。

これで採択率を求めると、1回しか採択されていない企業が最も採択率が低いです(誤差の範囲とも言えますが)。一方、1社あたりに2回、3回、5回採択された企業は採択率が100%ですね。

もっとも、いろんな要素(例えば僕が何度も支援をすれば、僕自身がその会社のことをさらによく知れるので書きやすくなるという点)があるので、一概には言えませんが、少なくとも「複数回の採択はされにくいとは言えない」とは言えるのではないでしょうか。

ある程度規模の大きな会社のほうが複数回採択されているように思う

これも僕の少ない経験の中でしか言えない事ですが、複数回採択されている企業のことを思い出すと、ある程度の規模のある会社が多いように思います。従業員数でいうと100人以上の会社がほとんどですね。売上規模としても15億~20億円くらいのように思います。

いくつか理由は考えられるのですが、①毎年設備投資をするような企業はある程度の規模の会社に限られる、②規模が多いほど複数領域の仕事をしており、同一・類似の事業になりにくい、③規模が大きく財務面も(比較的)安定的、といった共通点があるように思います。

というわけですので、一度採択になったからといって躊躇する必要はありませんよ。かえって採択されやすいともいえなくはありません!

  • B!

最近の人気記事

1

「事業再構築補助金」は制度開始から3年目を迎えました。多くの中小企業に知られるようになった事業再構築補助金ですが、このページでは2023年の制度の全容を10分でわかるようにまとめて解説します。 「事業 ...

2

「ものづくり補助金」は制度開始から11年目を迎えました。中小企業政策で最もよく知られているといってもいい「ものづくり補助金」ですが、このページでは2023年の制度の全容を10分でわかるようにまとめて解 ...

3

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 先日、納税地の所轄税務署から「消費税課税事業者届出書の提出について」という文書がきました。個人事業主は、ある期間の課税売上高が1,00 ...