ものづくり経営革新等支援機関

IT導入補助金2019説明会(大阪)で説明されたことまとめ

https://imamura-net.com

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

4月12日、大阪でIT導入補助金2019の説明会がありました。その際に説明された内容を、昨年度との違いを中心にまとめました。IT支援事業者向けの登録要領は本日4月15日午前中に公開予定だそうです。いよいよ動き始めています。

IT導入補助金の説明会資料

IT導入補助金説明会では、資料の配布はありませんでした。しかし資料は下記のサイトからダウンロード可能です。

制度の概要

今年から3補助金を一体運用していますが、ITレベルに応じて上記のような使い分けを想定しているようです。本当にこのような切り分けが、審査の現場でできるかどうかは、個人的には疑っていますが(もの補助でシステム開発の案件は採択されにくいのでは……と感じています)。

 

これまでの公募では「機能」と呼ばれていたものを「プロセス」と名称変更しました。(プロセスは機能をグループに集約したもの)

補助事業の流れ

スキームはこれまでと変わらず、事前に登録したITツールを選択して交付申請する形式。交付申請の作成は支援事業者と申請事業者が共同で行うことに。提出は申請者から行うことになりました。もちろん、交付決定前の契約、納品、導入は補助対象外です。

補助対象者の要件

3年後の生産性伸び率要件があること、計画の策定は診断ツールを活用して行うことなどは昨年同様です。IT導入支援事業者(個人事業主としてのその法人の役員、従業員)は補助事業者になれないようになりました。

補助金の交付申請・事業実施期間、上限・下限額、補助率

類型という考え方が導入されました。類型によって公募期間、採択予定日、補助上限・下限額が異なります。

 

IT導入支援事業者について

IT導入支援事業者から見た事業の流れ

IT導入支援事業者とは、申請事業者(補助金を受ける事業者)に対して、補助事業を通じた生産性の向上に資するITツールの提案・導入・事業計画の策定支援・補助金交付に係る申請手続き等のサポートを行う「パートナー」のことです。上記の図ような役割があります。

IT導入支援事業者の要件

IT導入支援事業者要件の7と8は、昨年から追加されたポイントです。どうやら昨年はトラブルが多々あったようです。事務局は介入しないので支援事業者の責任を明確にしたということでしょうね。

コンソーシアムについて

個人事業主や、ITツールの導入・販売を伴わないコンサルのみの事業者などは、単独でのIT導入支援事業者としての登録ができません。そういう事業者は、コンソーシアムに加わることで、IT導入支援事業者同様の役割を果たすことができます。ところで、コンソーシアム内でのトラブルにも事務局は関知しないという説明がありました(昨年にそういうトラブルが起こったのでしょう)。

IT導入支援者登録について

IT導入支援事業者の登録に必要な書類は上記の通りです。納税証明書が必須になっているので、提出できない場合(設立間もないなど)は、登録の資格がないということですね。

コンソーシアム登録について

コンソーシアム登録の場合、構成員ポータルのIDは以下の2時点での発行を選択できます。 ①最低限(4項目程度)の構成員情報を幹事社が入力した時点で任意発行、②事務局への(構成員の)登録情報送信時点完了後に強制発行。多くの構成員がいる場合、全て入力するのは手間なので、すぐに発行できる様にしているとのことです。

 

ITツールについて

ITツールの区分と内容

ITツールとは、システムかが不十分な業務分野に導入されるソフトウエアと、関連するオプション、役務からなり、補助事業者の労働生産性向上に資するものです。ソフトウェアは、オンプレミス版(サーバーやソフトウエアを自社に設置・運用する形態)・クラウド版(サービスプロバイダー側で運用し、利用者はインターネットを介して利用する形態)とし、「業務パッケージ」「効率化パッケージ」「汎用パッケージ」に区分されます。
また『オプション』とは、ソフトウェアの導入に伴い必要となる製品のことで、「機能拡張」 「データ連携ツール」「セキュリティ」「ホームページ関連費」から構成されます。

補助対象となる「オプション」について

昨年度は対象であったホームページ作成費用は、今年は原則として対象になりません。小規模事業者持続化補助金を使ってください、というすみわけのようです。今年の公募にもホームページ関連費というものが計上されていますが、それには制限があります。
ホームページ関連費では、一方通行の情報発信をするホームページ(コーポレートサイト等)は、対象となりません。顧客等とのインタラクティブ(双方向)なやり取りが可能であり、 『インターフェースの役割』を持つ、『業務プロセス』を補うためのホームページの制作費(とその関連費)がオプションとして補助対象となります。例えば、予約・ECの機能を実装したうえで、そのインターフェースとしてWebを作成する場合は対象となるようです。

補助対象となる「役務」について

役務は、「導入コンサルティング」「導入設定・マニュアル作成・導入研修」「保守サポート」からなります。

「プロセス」について

昨年度は「機能」という単位でツールを表していましたが、それが今年は10プロセスに集約されました。

ITツールの登録について

コンソーシアム構成員でもITツールは登録できるようですが、幹事者は把握の義務があります(勝手に登録されないように管理する)。申請に不備があっても、事務局からは修正連絡はないようで、不備の場合には不採択となります。ただし不採択後も登録申請することはできますし、事務局からの通知に不採択内容が明記されるので、それを見ながら再登録をするというプロセスのようです。早めに申請するほうが修正しやすいでしょうね。

ITツールの審査のポイント

ITツール審査ポイントは上記の通りです。大まかに分けると、労働生産性向上に資するものであること、および対象外要素がないかどうかということが審査ポイントですね。

 

交付申請について

交付申請の区分について

今年から2つの申請類型が設けられました。類型によって補助額が効果報告回数が異なります。A類型は、青枠から1プロセス以上、赤枠を含めて全体で計2プロセス以上含まれること。B類型は、青枠から3プロセス以上、赤枠を含めて全体で計5プロセス以上含まれることが要件です。
交交付決定後は類型変更はできません。例えば、B類型として交付申請・交付決定していたにもかかわらず、実績報告時にトータルの購入額が安く済んだとしてもA類型にはできないとのことです(効果報告は5回やることになります)。

交付申請のポイント

交付申請では、まず申請マイページを開設します(支援事業者が補助事業者を招待メールを送って、そのメールを受け取って開設するはこび)。昨年度は事務局のWeb上の経営診断ツールをして、その結果吐き出されるIDを使って結果を呼び出す流れでしたが、今年度は申請マイページ内で経営診断ができる(遷移や入力の手間が少なくて済むようです)。Web上の経営診断ツールは残すが、結果のIDの掃き出しはしない。申請するときは必ず申請マイページで経営診断をするとのことです。

補助金申請に必要なもの

申請者本人が所持・送受信をしているアドレスが必須です。というのも、昨年度では、IT導入支援事業者がアドレスを発行して申請事業者に渡していたケースがあったそうです。そのメールの閲覧・送受信を支援事業者がやっていたことが発覚したそうなのですが、これだとIT支援事業者が申請事業者になりすまして勝手に申請可能となることを懸念してのことだそうです(昨年にそういう事例があったようです)。SMS認証のための携帯も、必ず申請者の電話でなければなりません。事務局からこの電話に連絡をすることがあるようです。

補助金申請に必要なもの(添付書類)

申請に必要な書類は上記の通りです。

連携施策・審査における加点ポイント

昨年同様、連携施策・加点項目があります。Security Actionの自己宣言は必須ですが。すでに宣言を行っている事業者はとり直しの必要はありません。
今年新たに追加された加点項目として、クラウドツール利用かどうかという点があります。政府の情報システム取り組みの一環としてcloud by defaultという考え(クラウドサービスの採用をデフォルト(第一候補)とする考え)があり、それと同調するものは加点するというもののようです。

交付申請のその他ポイント

法人申請にもかかわらず、支払口座が個人口座だったというケースもNGケースです。

昨年までの補助金申請の兼ね合いについて

一昨年、昨年と本事業で補助金を受け取った事業者も本年度 事業での申請は可能です。 原則として、これまでに補助金を使って導入した製品と同一 の製品を申請しないことが必要となります。

ただし同一の製品であっても、対象となる例がある。

  • 申請時点で昨年度までに導入したITツールが納品から1年以上経過していること(前回H29補正の約束事(1年縛り)を守っていること)
  • 新規契約に基づく導入であること(新規の契約で同じ製品を入れる場合)
  • アカウント数を増やすだけのものではないこと

つまり、全く別の拠点、別部署での導入を、新規契約・導入するようなケースだと申請可能だと解釈できますね。

クラウドサービスであること、地域経済牽引事業計画の承認があることが採択の鍵ではないか

今年(平成30年度補正)のIT導入補助金の予算額は(未公表ですが当社の予測として)180億円で、昨年と比較すると1/3に程度となっています。また、採択予定件数は6,000件(昨年度は62,893件)と公表されており、これも昨年と比較すると1/10以下です。今年はいろんなところで噂されていますが「狭き門」になっている可能性が非常に高いです。

皆さんが興味あるのは、そのような狭き門の中で採択されるにはどうすればいいか、ということでしょう。昨年度までのIT導入補助金の申請内容は、それ自体では他社との差別化ポイントをアピールしやすいものではなく、淡々と基本的な情報や数字を入力するものでした。この申請内容が今年は大幅に変わる(差別化ポイントをPRする内容になる)という可能性もありますが、僕は加点項目である「クラウドサービスであること」「地域経済牽引事業計画の承認があること」が鍵ではないかと思います。

これら2つの加点項目が満たされるものが、優先されるとみてよいと思います。

  • B!

最近の人気記事

1

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 国際標準化機構(ISO)は、現行のISO9001:2015(品質マネジメントシステム規格I)を改訂する準備を進めているようです。現在の ...

2

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 2024年2月、ISO(国際標準化機構)は、マネジメントシステム規格に「気候変動への配慮」を盛り込む形で規格の一部を改定しました。今回 ...

3

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 5Sの考え方がISO9001や14001の運用に役立つことがあります。その逆もあって、ISOの仕組みが5S活動に役立つこともあるんです ...