おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
4月10日に、2020年実施ものづくり補助金公募要領〔一般型(特別枠含む)〕(2次締切分)が公開されました(2.1版)。以前の版(3/31公開。2.0版)との違いを中心に、新しい公募要領のポイントを解説します。
まずは注意事項
特別枠の創設は、令和二年度補正予算案の成立を前提として、実施します。特別枠にかかる制度内容については、今後変更の可能性があります。
概要版の「特別枠」解説
まずは概要版資料にある「特別枠」の解説ページを見てみようか。
ほとんどの点についてはこのあとで詳しく解説するけど、ここで注目したいのは「02 優先的に採択」だね。
「特別枠で不採択になっても通常枠で優先的に採択」とあるね。
自動的に通常枠で審査されるということなんだろうね。特別枠での採点結果にいくばくかの加点がされて、通常枠内で相対評価されるという理解でいいのかな。
そんな感じだね。
やっぱり通常枠と特別枠の関係は、同じ名称の補助金を、同じ締切タイミングで、別条件で、パラレルで公募するってことなんだろうね。
事業概要
では、公募要領1ページ目の事業概要からだね。ここでは補助率や補助上限額、その他の申請要件について主だったところがまとめられているよ。
補助率と補助上限額の違いについては下記の表を参考にしてね。
付加価値額と賃金の引き上げについても、特別枠では条件が緩和されているね。
うん。「特別枠は、補助事業実施年度の付加価値額及び賃金の引き上げを求めません。」とあるね。
「補助事業実施年度」って何だっけ?
投資を行う年度のことだね。だからまあ、多くの企業にとっては、今期か来期の話だろうね。今期か来期は賃上げしなくていいですよ、ってことだろうね。
でもあくまでも「補助事業実施年度」だけの話であって、事業計画期間内に4.5%~7.5%向上させることには変わりはないの?
この公募要領を読む限りは変わりなさそうだね。
公募期間
下の図の赤線のところに変更があるね。
1次に採択された人でコロナ加点を受けた人は残念だったという他はないね……。
事業実施を急がないのであれば、辞退して2次にチャレンジすることも意味がありそうだけどね。
そうだね。2~3ヶ月くらいは投資を後倒ししてもいい企業はそれもありかもね。
補助対象事業の要件
特別枠に設定された要件
特別枠の要件は次のとおりですね。
Aの「サプライチェーンの毀損への対応」はともかく、BやCをものづくり補助金で申請するっていうイメージがあまり沸かないね……。
まあ当社は製造業脳だから、こういう分野では頭が働かないよね?
しかし「EC販売」や「システム投資」とあるけど、ECサイトの構築費用とかパッケージのソフト導入費用とかを経費として申請していいのかな?持続化補助金やIT導入補助金とかぶるような気がするけど。
どうなんだろうね。以前、下記の図のような線引をしていたけど、これを認めちゃうとこの線引があいまいになるような気がするよね。
緊急時だから、もうこんな線引はナシにしました!っていうのなら、そう告知してほしいよね。申請したあとで「これは対象になりません」とかになるのはやめてほしいですからね?
そして、最大の審査項目である「革新性」との兼ね合いも問題だね。単なるECサイトの構築や、単なるテレワーク環境の整備では、革新性があるとは言えないだろうし。それに単なるECサイトの構築や、単なるテレワーク環境の整備だけで、申請要件である付加価値額年率3%以上向上というような、抜本的な生産性向上を果たすことは難しいだろうし。
革新的で生産性がバリバリにあがるテレワーク環境の整備ってなんだ?って話だよね……?
まあ、Aの「サプライチェーンの毀損に対応」ならなんとかイメージできるかな?って感じですかね。正直な感想を言うと、BとCをものづくり補助金の特別枠要件とした意図が読めないといったところです。(BとCなら何でもいいの?という気さえしてくる)
コロナウイルスの影響を受けた事業者の加点措置
「コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者」については、1次公募では加点措置だったけど、2次公募以降ではどうなるの?
加点項目のところを見ると「※特別枠で不採択となり、通常枠の申請と比較される場合に加点されます。」と書いてるね。
特別枠では加点要素(申請要件)じゃないけど、通常枠だと加点要素だってことかな。
そうなんだろうね。
補助対象経費
「新型コロナウイルスの影響を受けた特別枠の事業者に限り、事務局から事前着手の承認を受けた場合には、承認日以降に発生した経費についても補助対象とすることが可能です」と書いてるね。
以前の版(2.0版)では、コロナ加点の申請者が事前着手可能だったんだよね。
そうそう。でも公募要領の15ページによると、事務局から事前着手の承認が必要なことと、「緊急的な投資の必要性が認められない場合は承認できませんので、ご了承ください。」と書いているから、見切り発車にはくれぐれも注意が必要ですね。
事前着手の申請書(様式3)に記載する内容にも変化があるね。
以前の版(2.0版)では「自社又は取引先に発生している影響の詳細等」となっていたけど、今回の版(2.1版)では「感染症の影響を乗り越えるために投資が必要不可欠である理由等」となってますね。