おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
6月30日に採択が発表された2020年実施ものづくり補助金2次締切ですが、今回は都道府県別の採択率を推測してみました。
都道府県別の採択率を推測してみる
都道府県別の採択数を調べるのは容易にできます。公表されている採択事業者一覧で数えていけばいいだけですからね。下記のリンクをクリックすると、pdfで公開されている採択者一覧を見ることができます。このpdfをExcelに変換し、countif関数で数えれば、都道府県別の採択数を調べるのは簡単です。
問題は分母。すなわち、都道府県別の申請数を調べることです。これはどこにも公表されていませんが、推測することはできます。同じくpdfで公開されている採択者一覧を見てみると、受付番号が書かれています。おそらくこれが、全ての申請者に対して割り当てられた、一意の通し番号です。(どうやら通常枠と特別枠も、同じ命名規則の中で番号が振られているようです)
例えば北海道の採択事業者を追っていくと、北海道の最後の採択事業者(青森県との境界)の通し番号はR101010067です。(下記赤線部分)
番号命名規則は次のような構造になっているものと推察できます。
受付番号は申し込み順に振られることがわかっていますので、この命名規則から、北海道の申請数が67件程度であることがわかります。もしかしたら68件かもしれないし、69件かもしれないし、70件かもしれませんが、ここでは便宜上、67件だと仮定します。数件程度の誤差は、大まかな傾向をつかむ上では問題ないと判断します。
都道府県別の採択率の計算結果
上記の計算方法で集計をしたところ、全国の申請数予測が5,653件となりました。公表されている全国の申請数が5,721件です。まずまず近い値となりましたね。さてそれでは、この計算方法で算出した、令和元年度補正・2020年実施ものづくり補助金2次締切の都道府県別採択率(予測値)をご覧ください。1次締切の採択率も参考として記しています。
都道府県ごとの採択率のバラつきの大きさ(標準偏差の推移)
過去3年分の標準偏差の推移を下記に記します。今回の公募は申請数が少なかったこともあってか、昨年よりも都道府県ごとの採択率のバラつきが大きくなっているように見えます。
平成28年度は、ほとんど判を押したように各都道府県の採択率40%前後で落ち着いていて、都道府県でのばらつきはほとんど見られません(標準偏差0.012)。ところが平成29年度に急にバラつきが大きくなりました(標準偏差0.097)。平成30年度は落ち着いたかに見えますが、今回の1次締切、2次締切ではばらつきが再び大きくなっています。平成29年度から審査方法が変更になったものだと推察されます。
採択率トップ5とワースト5
正確性を保証しない、あくまでも概算の当社分析ですが、この分析方法に従った場合の採択率トップ5都道府県は下記のとおりです。
山梨県 申請数28、採択数22、採択率78.6%
千葉県 申請数173、採択数120、採択率69.4%
東京都 申請数715、採択数488、採択率68.3%
埼玉県 申請数205、採択数139、採択率67.8%
愛知県 申請数387、採択数256、採択率66.1%
ワースト5は次のとおりです。
北海道 申請数145、採択数61、採択率42.1%
石川県 申請数48、採択数20、採択率41.7%
富山県 申請数78、採択数31、採択率39.7%
山形県 申請数59、採択数23、採択率39.0%
福井県 申請数48、採択数16、採択率33.3%
都道府県による採択率のばらつきは、それぞれの都道府県で行った評価の甘辛が反映されているのではないかと当社では推察しています。