おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
本日11月9日に経済財政諮問会議が開かれ、明日10日に第3次補正予算の編成指示がされる予定です。第3次補正予算に関する中小企業施策について、報じられているものをまとめます。
与党内の意見は10~15兆円の規模。30兆円という声も
補正予算の規模はどのくらいになるでしょうか。11月6日、NHKは次のように報じました。
今年度の第3次補正予算案をめぐって、自民党の世耕参議院幹事長は、新型コロナウイルスの影響に伴う景気対策などのため、30兆円程度の規模が必要だという認識を示しました。
今年度の第3次補正予算案をめぐっては、来週10日前後に、菅総理大臣が編成を指示する見通しとなっていて、与党内からは、最低でも10兆円から15兆円の規模を確保すべきだという意見が出ています。
(11月6日NHK報道より)
ちなみに令和2年度補正予算は、第1次補正が約25兆円、第2次補正が約32兆円(いずれも真水の規模)でした。30兆円の規模となると、過去2回の補正予算ど同程度の規模になります。
経済財政諮問会議の提言は「中小企業の生産性向上策や事業再編・継承」
11月9日、政府は経済財政諮問会議を開く予定です。そこで民間議員が、2020年度第3次補正予算案に対して、次のことを提言するそうです。時事通信の報道を引用します。
具体的には、(1)デジタル化や地方創生など新次元での成長力強化(2)雇用者・事業への支援など国民の安心・安全確保(3)需給ギャップの円滑な解消を通じた成長軌道への早期回帰とデフレ回避―が柱。このほか、中小企業の生産性向上策や事業再編・継承、不妊治療の保険適用開始前の助成拡充なども課題として挙げる。
(11月7日時事通信報道より)
中小企業の生産性向上策や事業再編・承継とありますが、具体的にはどんな施策になるのかまではわかりません。中小企業の生産性向上策といえば、「中小企業生産性革命促進事業」があります。令和元年度補正予算で3,600億円確保され、基金形式で最大3年間の事業として、ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金に充てられています。この「中小企業生産性革命促進事業」のコロナ対応特別枠の予算は令和2年度補正予算として1,000億円+700億円確保されていますが、これの募集が年内に終わる見通しです(ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金)。もしかしたら、このコロナ対応特別枠が第3次補正予算で延長されるのかもしれません(全く別の施策になるかもしれませんが)。
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める企業の投資を税制優遇措置で後押しする考えがあることを、10月14日の日本経済新聞は報じています(これは補正予算ではなく当初予算かもしれませんが)。
一方「事業再編・承継」といえば「事業承継補助金」が思いつきます。しかし「事業承継補助金」は令和3年度当初予算で概算要求されています。当初予算で要求されているものとは異なる事業承継の支援施策が設けられるのかもしれません。もしくは税制優遇措置かもしれません。10月14日の日本経済新聞では「2021年度税制改正で中小企業の再編を促す税制優遇策を検討」とあります(これも当初予算で行われるかもしれません)。
中小企業の業態転換支援
11月6日の毎日新聞記事では、「コロナ対策」「構造転換」「防災」を3本柱として第3次補正予算を組むと報じています。その中で、中小企業有無家の業態転換支援制度について言及されています。
首相が所信表明演説で打ち出した50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「脱炭素社会」実現に向け、再生可能エネルギーや省エネ関連投資の促進も盛り込む。新型コロナを機に在宅勤務をはじめとした新たな生活様態が定着するとみて、主に中小企業向けに業態転換の支援制度を策定する。
(11月6日毎日新聞記事より)
中小企業向けに業態転換の支援制度とは具体的にどういうものでしょうか。国の制度ではありませんが、自治体の中小企業支援策として業態転換を支援する制度を設けているところがあります。例えば岩手県では、業態転換(テイクアウトや宅配、移動販売)を支援する「地域企業感染症対策等支援事業費補助金」を創設しています。
こうした取り組みに対する支援を、自治体レベルではなく、国の予算で行うのかもしれません。
自治体レベルの中小企業支援策も見逃せない
新型コロナウイルス対策として、今年は各自治体も多くの中小企業支援策を打ち出しました。これらの自治体レベルの中小企業支援策の原資は地方創生臨時交付金でしたが、この地方創生臨時交付金の増額が第3次補正予算で行われる可能性もあります。
11月6日に産経新聞は、47知事全員が本年度内の(地方創生臨時交付金の)増額と来年度以降の交付継続を政府に求めたと報じました。また、11月7日の時事通信報道でも、経済財政諮問会議の第3次補正予算案に対する提言案にも「地方創生」というキーワードが見られます。
もし第3次補正予算で地方創生臨時交付金の増額・継続が決まれば、今年に各自治体が実施した中小企業支援策が、来年度も継続または新設されるかもしれません。