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【令和3年度概算要求中小企業政策を読む】その1「事業承継補助金」

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

9月30日、各省は令和3年度(2021年度)当初予算の概算要求を財務省に提出しました。概算要求のうち、経済産業省関連の中小企業政策について解説をします。まずは「事業承継補助金」です。

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事業承継・世代交代集中⽀援事業(要求額27億円)

まずは経産省のPR資料を見ていただきましょう。

中小企業政策をよくご存知の方はわかると思いますが、「事業承継補助金」はこれまでも補正予算で執行をされてきた従来の施策です。この資料の冒頭には「新規」と書いていますが、当初予算としての計上は初めてである、という意味ですね。

この先、従来の制度(令和元年度補正)との違いを中心に、令和3年度の制度を概観していきます。

令和元年度補正「事業承継補助金」より予算減額

まず予算全体の額を見てみましょう。令和3年度当初予算では27億円とありますが、令和元年度補正では64億円でした。4割程度に減っていることがわかります。

しかしこの減額は、令和元年度補正で計上されていた「経営者保証に向けた専門家による支援」と「プッシュ型事業承継支援高度化事業」が、当初予算では計上されていないこと、および/または、承継とリアある実証事業の縮小によるものだと考えられます。

PR資料を読むと、事業承継補助金については、令和元年度補正PR資料では「約450者の承継を後押し」とあるのに対し、令和3年度当初予算PR資料では「約600者を後押し」と、支援予定数が増加しています。

「事業承継補助金」の補助率・補助額について

補助率と補助額について、令和元年度補正と令和3年度当初の両方を見てみましょう。PR資料から抜き出した表を、比較しやすいように下記にまとめました。

「専門家活用型」という類型が新しく設けられています。経営者交代型とM&A型は、枠組みの主従が令和元年度補正のときと入れ替わっていますが、補助率、補助額は全く同じです。生産性向上の要件に「先端設備等導入計画」「経営革新計画」があげられている点は、令和元年度補正も令和3年度当初も同じですね。

支援予定数が450者から600者に増えたのは、この「専門家活用型」新設に伴うものかもしれません。

「事業承継補助金」が補正予算から当初予算に計上された意味は何か?

これまで補正予算で計上されてきた「事業承継補助金」が、令和3年度から当初予算に計上される意味は何でしょうか?これは当社の推測ですが、今後も中長期にわたり、国が中小企業の事業承継を支援していく意図の現れではないかと考えます。

そもそも論として補正予算とは、予見し難い事態への対応として、議会の承認を受けて成立するものであり、本来はイレギュラーな予算です(補正予算の編成は近年常態化していますが)。つまり事業承継補助金は、イレギュラーな予算としての施策から、レギュラーな施策へと位置づけが見直されたと見ることができます。

7月17日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太方針2020)でも、「『第三者承継支援総合パッケージ』に基づき、後継者不在の中小企業の事業継承を後押しする。」とあり、国の方針として第三者承継(親族等以外の承継)を推し進める方向性です。事業承継補助金でもこの令和元年度補正から「ベンチャー型事業承継枠」を設けるなど、第三者承継支援への力の入れ方が強まっています。

このような背景から、イレギュラーな予算による臨時的な施策から、レギュラー施策へと位置づけの変更がなされたのだと思われます。今後も当面の間、事業承継補助金は中小企業政策として継続していくのではないかと推察できます。

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