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注意喚起でヒューマンエラーが減ると本気で思ってる?対策の基本を解説!(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

3回にわたって『ヒューマンエラー対策の基本』についてお話しします。ヒューマンエラーは、誰にでも起こり得るミスですが、これを放っておくと大きな事故やトラブルにつながることもあります。ヒューマンエラーはどうやったら防ぐことができるのか?という質問を受けますので、その方法を整理してご紹介します。

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注意喚起でヒューマンエラーが減ると本気で思ってる?対策の基本を解説!(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 3回にわたって『ヒューマンエラー対策の基本』についてお話しします。ヒューマンエラーは、誰にでも起こり得るミスですが、これを放っておくと ...

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ヒューマンエラー対策その1:作業をやめる

最初の対策は「作業をやめる」、つまり「そもそもその作業をなくしてしまうこと」です。切り口は2つあります。

1つ目は、「エラーが起きやすい作業を取り除く」ことです。例えば、ミスが多い作業を外部に委託したり、作業そのものを廃止することです。エラーの原因を根本からなくすことができるので、非常に効果的ですが、現実的には取り除くのが難しい場合もありますね。

2つ目は、「危ないものやエラーの原因を排除する」ことです。例えば、作業の途中で人が交代するような「変化点」があると、慣れの問題や引き継ぎの問題があって、ヒューマンエラーが起きやすくなります。こうした変化点をなくし、一人の作業者が最初から最後まで責任を持って作業するようなことが、これにあたります。

ヒューマンエラー対策その2:作業を置き換える

次の対策は「作業を置き換える」ことです。人が行う作業を機械やシステム、ツールに任せることで、ヒューマンエラーのリスクを減らします。ヒューマンエラーは人間が原因なので、人の関与を減らせばエラーも減りますよね。この対策には2つのポイントがあります。

1つ目は「自動化」です。例えば、ロボットで製品を組み立てたり、手作業で行っていたデータ入力をRPAで自動化したりする方法です。人感センサー付きの照明を使えば、電気の消し忘れを防ぐこともできます。

2つ目は「人をサポートするツールを用意すること」です。これは、機械に任せられない作業を、チェックリストや補助工具(治具)でサポートして、ミスを防ぐ方法です。チェックリストを使えば、手順を確認しながら作業できますし、治具を使うと部品の取り付け位置や向きを間違えにくくなります。また、限度見本を作っておくと、完成品の基準を目で確認できるので、検査ミスも減らせます。こうしたツールは、「次に何をすればいいか」や「正しい状態はどれか」をわかりやすく示してくれるので、慌てずに作業ができ、ミスを大幅に減らすことができます。

ヒューマンエラー対策その3:作業を簡単にする

次の対策は「作業を簡単にする」ことです。難しい作業はミスが起きやすいので、できるだけシンプルにするという対策です。方法は2つあります。

1つ目は「共通にする・統一にする」です。例えば、工場内で「赤色は危険」と決めて、緊急停止ボタンや注意表示を全て赤色に統一します。これで、作業者がどこを見ても瞬時に危険を察知できますよね。また、書類のフォーマットを統一するのも効果的です。例えば、全ての書類で「作業者名」は右上、「作業内容」は中央と決めれば、書き忘れや見落としを防げます。

2つ目は「特別にする・目立たせる」ことです。例えば、危険なスイッチやミスが起きやすい場所には、目立つ色のラベルや大きな文字で注意を促します。また、部品や材料の向きを間違えないように治具を使ったり、正しい向きがわかるマークをつけるのも効果的です。こうした対策は、作業をやめたり機械に置き換えるより手軽に取り組めますが、効果はそれなりなので、他の対策と組み合わせて使うのがおすすめです。

次回は、影響の拡大防止のための対策と、個人のコンディションを整える対策について解説します。

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