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「先端設備等導入計画」の書き方・記載例をレビューする(その4)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

前回の投稿に引き続き、中小企業庁等から公開された情報に基づいて、「先端設備等導入計画」の書き方および記載例をレビューしていきます。

過去のレビュー投稿記事

「先端設備等導入計画」の書き方をレビューする(その1)

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「先端設備等導入計画」の書き方・記載例をレビューする(その2)

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「先端設備等導入計画」の書き方・記載例をレビューする(その3)

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様式第三(第4条関係)別紙 4.先端設備等導入の内容(1)事業の内容及び実施時期

このページに関する記載要領

(1)事業の内容及び実施時期

①具体的な取組内容

導入する先端設備等や取組内容の概要について具体的に記載

②将来の展望

①の取組を通じた将来の経営状況の展望について具体的に記載

それぞれの項目については、下記に解説します。

「①具体的な取組内容」について

これは「導入する先端設備等や取組内容の概要について具体的に記載」というのが記入要領です。ここでは、前項である「3.現状認識」の「②自社の経営状況」で記入した「改善すべき項目」に沿って書くのがよいのではないかと思います。

例えばこの記載例では、「3.現状認識」の「②自社の経営状況」において、「売上は上がっているが、設備投資をしていないので生産力が低い。だから設備投資が必要だ」ということが書かれていました。それを受けての記述がこの「①具体的な取り組み内容」なのですから、次のような項目を記入するのでしょう。

  • 導入する設備の種類(例:旋盤、マシニングセンタ、プレス機、自動溶接機、三次元測定機等)
  • 設備の導入により「3.現状認識」の「②自社の経営状況」で記入した状況がどのように改善するか(例:生産能力が高まり、増え続ける受注に対応できる) ※ここで書くべき改善内容は、一般的にはQCDの改善になると思われる。

「②将来の展望」について

記載要領では「①の取組を通じた将来の経営状況の展望について具体的に記載」と書かれていますね。この「将来の展望」とは、経営力向上計画では記入を求められませんでした。先端設備等導入計画で新たに問われている論点ですね。

中小企業庁で用意した記載例をもう一度見てみましょう。

② 将来の展望

  • 新たな設備の導入により、より多くの受注に対応できるとともに、受注できる製品の幅も広がることから、積極的な新規顧客の開拓にも取り組み、売上の増加を図る。
  • 熟練工が定年退職を迎え、貴重な経験が失われることへの対応及び人員の確保が当面の懸案であるが、三次元測定器の導入による品質管理や、製造工程と検査工程の統合による工程の短縮により、熟練工以外の従業員であっても品質のばらつきがなく、限られた人員でもより多くの受注に対応できる体制を構築することにより、大幅な生産性の向上を実現することができる。

「①具体的な取組内容」で書いている内容と重複している感も否めませんが、あえていうと、「①具体的な取組内容」がその作業や工程に焦点をあてたミクロな視点であるのに対し、この「②将来の展望」で書くのは、もう少し全社的な内容や、前項である「3.現状認識」で記入した経営指標(売上高増加率、営業利益率、労働生産性、自己資本比率等)へのインパクトを書くことを要求している感じがありますね。

まとめ

まとめ

  • (1)事業の内容及び実施時期の「①具体的な取組内容」では、導入する設備の種類と、設備の導入により「3.現状認識」の「②自社の経営状況」で記入した状況がどのように改善するかをミクロな視点(作業や工程のQCD改善を中心)に書く
  • (1)事業の内容及び実施時期の「②将来の展望」では、もう少し全社的な内容や、前項である「3.現状認識」で記入した経営指標(売上高増加率、営業利益率、労働生産性、自己資本比率等)へのインパクトを書く

次回に続きます!

  • B!

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