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マネジメントレビューでは「リスク」を扱えばうまくいく

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO9001:2015各箇条解説シリーズ、今回でマネジメントレビューの解説は最終回です。マネジメントレビューは形骸化しやすいのですが、どうすれば活性化するでしょうか。ぼくが個人的に勝手におすすめしたい考え方としては「リスク」を軸にやる、という方法です。

動画でも解説しています(無料・登録不要)

「外部及び内部の課題の変化」からリスクを見出してトップにインプットする

例えばマネジメントレビューのインプット項目のひとつに「外部及び内部の課題の変化」というのがあります。こういうのは「一体何をインプットすればいいの?」と悩ましいものですよね。例えばですが、最近よくニュースになっている品質不正なども、こうした「外部の課題」といえます。品質不正が最近世の中でクローズアップされている、ということは「外部の課題の変化」と言えるでしょう。

品質不正は他人事ではありません。もちろん企業によって、リスクの大きさは異なるでしょうが、どんな会社でも起こりうるリスクでもあります。ですので、このように「他社で起きた事故や不正などは当社でも起こるかもしれない」というリスクと絡めて、マネジメントレビューのインプットにします。
こうしたインプットを受けて、トップは、新しい検査ルールを導入することを決めたり、新しい監視・測定項目を導入することを決めました。自社で品質不正が起きないよう、制度の改善や、品質マネジメントシステムの変更を行うわけですね。こういう判断をトップができれば、自社で品質不正が起きるリスクは減っていくはずです。

翌年はこのリスクについて「リスクの取組の有効性」「監視測定結果」を軸にトップにインプットする

このようにマネジメントレビューでは、不正が起きるというリスクへの取組として、プロセスの改善と、品質マネジメントシステムの変更を行いました。その次の年のマネジメントレビューでは、前回取り組んだリスクへの取組が効果的なのかどうかという報告をします。これがインプット項目である「リスク及び機会への取組みの有効性」や「監視測定の結果」になるわけですね。

その報告をうけたトップが、さらにリスクへの取組を有効にするために、新たな取組をアウトプットする、というような流れを作ることができると良いでしょう。

リスクを軸に話し合うと有効性の高いマネジメントレビューになる

このように、リスクを軸にマネジメントレビューを行うと、結構いろいろ話し合うネタが出てくると思います。他に考えられる事例としては、マネジメントレビューのインプット項目には「顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック」というのがありますが、顧客満足度調査からリスクの種を見つけてトップに報告をして、そのリスクを未然に防ぐ策をアウトプットする、ということもできそうですよね。

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