おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
環境法令解説シリーズ、今回はEUの新しい規制である欧州森林破壊防止規則(EUDR)についてざっくりと解説をします。EUDRは森林破壊などを防ぐことで、地球温暖化の防止や生物多様性を守っていこうという趣旨の、欧州の「法律」です。今日はこのEUDRの対象者と対象製品について説明します。
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【環境法令解説シリーズ】EUDR(欧州森林破壊防止規則)ざっくり解説(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 環境法令解説シリーズ、今回はEUの新しい規制である欧州森林破壊防止規則(EUDR)についてざっくりと解説をします。EUDRは森林破壊な ...
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関連リンク
■■■EUDRに関するEU公式ページ(英語)■■■
■■■EU官報に掲載されたRegulation本文(英語)■■■
※規制対象原材料・製品リスト(Annex1)も上記URLから参照可能
■■■JETRO記事(日本語)■■■
EUDRの対象者は誰か
このEUDRでは、誰が規制の対象になるのでしょうか。あらかじめお断りですが、製品の流通経路は様々なので、すべてを説明するのは難しいんですよ。だからわかりやすい例だけを挙げて説明をします。もしわからないことがあったら、EUのルールに詳しい弁護士さんなどに相談をしてくださいね。
規制の対象となるのは、EU内に拠点を持つ「オペレーター」と「トレーダー」と言われる人や組織です。
オペレーターとは、EU市場で、規制の対象となっている原材料や製品を最初に扱う人や企業のこと、そして輸出業者です。例えば、原材料をEU域外から輸入してEU内で販売するような会社とか、EU域外から規制の対象となっている製品を輸入してEU内で販売するような会社ですね。サプライチェーンの川上の事業者と言ってもよいでしょう。EU域内で取れた規制対象の原材料をつかって何かを加工する企業もオペレーターになります。また、EU域外へ規制対象の製品を輸出する企業もオペレーターです。
一方、トレーダーというのは、基本的にはオペレーターから該当製品を買って、市場に出す人たちで、オペレーター以外のすべての事業者を指します。こちらはサプライチェーンの川下の事業者と言ってもよいでしょう。これらオペレーターやトレーダーが、EUDRの規則を守らなければならない主要な登場人物です。基本的にはオペレーターのほうが、多くの義務を負います。なお、EUに拠点をおいていない日本企業は、EUDRの義務を直接的に負うことはないでしょう。間接的にはありますけどね。
EUDRの対象となる原材料・製品は何か
さて、EUDRの対象となっている原材料や製品にはどういうものがあるのでしょうか。規制の対象となっている原材料や製品は、EU規則の附属書1(Annex1)にすべてリストアップされています。その一部がこれですね。
こうしたものを扱っているオペレーターとトレーダーは、EUDRの規則を守らなければなりません。もちろん、リストに載っていないものを扱っている会社は、EUDRの対象外です。
次回はEUDR対象者の義務についてお話をします。