ISO9001APG(審査実務グループ)ガイダンス「トップマネジメントへの監査」が更新されました

おおはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO9001のAPG(審査実務グループ)が公開している審査ガイダンスのうち「トップマネジメントへの監査」が、2025年3月23日に更新されました。新しくどのようなことが追加・修正となったのか、簡単に解説したいと思います。

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ISO9001 APG ガイダンス「トップマネジメントへの監査」(英語版のみ)はこちら

ISO9001 APG(審査実務グループ)とはなにか

ISO9001 APG(審査グループ)は、ISOの品質マネジメント・品質保証技術委員会(TC 176)のメンバーや、国際認定フォーラム(IAF)のメンバーからなる集団です。品質マネジメントシステムの専門家や審査員などから構成されています。このグループは、品質マネジメントシステム監査についてのアイデアや事例、解説となる文書(ガイダンス)を作成・公表し、監査のヒントを提供しています。

ただ、その文書類は、あくまでも参考資料であり、規格要求事項の一部やベンチマーク基準などとして使うことは意図されていないことに注意が必要です。今回紹介するのは、そのガイダンスのうち「トップマネジメントへの監査」にかんするものです。

前版(edition 1)との主な違いはなにか

前版(edition 1)もまだネットで閲覧できますが、これとこの度更新された最新版(edition 2)の主な違いはなんでしょうか?

一つは、大幅に具体化している点です。古い版は抽象的な記述が多かったのですが、新版ではトップマネジメントへの質問例が豊富に追加されています(前版では3個だった質問例が、新版では11個に増えています)。また、トップマネジメントプロセスで不適合が発見された場合の対応方法などにも、新版では言及があります。(これは前版ではありませんでした)

個人的な印象ですが、新版はかなり実践的で、しかもこれまで単なるイベントとしてやりすごされる感のあったトップマネジメントへの監査をより有効にする視点が数多く含まれていると感じました。前版よりもさらに「ガイドライン」としての性質が強化されているように思いますね。

ぜひ皆さんもご確認ください!

この記事を書いた人
代表取締役 今村 敦剛

中小企業診断士/審査員(ISO9001, 14001, 45001)/日本心理学会認定心理士