おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
2026年は、公益通報者保護法の改正、もうひとつは下請法の改正が行われます。どちらも企業に対して大きな影響があります。これらの法改正の背景と要点、実務での注意を簡単にまとめます。
公益通報者保護法の改正
相次ぐ不祥事や内部統制強化の流れを受け、通報の保護範囲が広がり、報復や通報妨害を抑止する枠組みが一段と明確になりました。
まず、社内の従業員だけでなく、業務委託のフリーランスなども保護の対象に含める考え方が前提になります。そして通報の受け付けから調査、是正までの流れは「形だけ整えた」だけではダメで、通報者を特定するような行為の禁止、処分の正当性を裏づける記録、窓口の周知と担当者の明確化が不可欠となります。
もし内部通報者探しや違法な処分といった報復的行為が疑われた場合、企業側が適正手続と合理的根拠を示す必要がありますが、これができなければ行政指導および罰則が行われます。
実務上では、通報規程に通報妨害・報復の明確な禁止を盛り込み、秘密保持契約には「法令に基づく通報は対象外」とするなどの但し書きを入れることも必要かもしれません。
また管理職向けには、通報後の言動が報復と評価されやすい場面を具体例で学ぶ短時間研修を行う等の必要もありそうです。
下請法の改正
物価や人件費の変動を前提に、発注側の一方的な価格決定を抑え、協議と説明のプロセスを重視する方向に舵が切られます。
この改正により、従来は対象外だった取引が対象に入る可能性が高まり、輸送等の委託も実務の射程に入ってきます。
支払い手段では手形依存からの脱却が進み、振込やでんさい前提での資金繰り設計が必要になります。また、発注書や検収書などの交付は電子化が進み、タイムスタンプや受領ログといった「誰がいつ何を確認したか」の証跡が重要になります。
現場では、価格交渉の開始要件、根拠資料の棚卸し、合意・不合意の記録方法を標準化し、仕入先マスタに資本金や従業員数などの判定キーを追加して、適用可否を自動で判定できようにしておくと便利です。
どう対応すべきか?
まず公益通報では、社内規程や雇用契約上の文言を改め、窓口と担当者を指名し、運用書式を整えることから始める必要がありそうです。
次に下請法では、支払手段と支払サイトの再設計、約款や発注書の条項更新、価格交渉方法の整備を、会計・購買・法務などが合同で行う必要がありそうですね。
両法に共通するポイントとして、記録と説明可能性を強化することが重要です。規程は「守れる運用」に落とし込まないと意味がありませんからね。
