ものづくり経営革新等支援機関

平成29年度補正・平成30年度当初予算・平成30年度税制大綱 中小企業政策まとめ

3/1追記
2月28日、中小企業庁が「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」の公募開始を発表しました。公募要領を解説しましたので、こちらをご覧ください

12月22日、平成29年度補正予算、平成30年度当初予算、平成30年度税制大綱が閣議決定されました。これらは閣議決定をされただけでは成立とはいえません。来年の通常国会に提出し、承認されて成立となります。

しかし、与党が圧倒的な多数をしめる国会の現状を見れば、これら予算等はほぼ確実に成立するでしょう。今閣議決定されたもののうち、中小企業政策をまとめてみました。

経済産業省関連予算

ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業【補正】 1,000.0 億円

第4次産業革命への対応も視野に、専門家の指導・支援の活用を含め、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を補助。

サービス等生産性向上 IT 導入支援事業【補正】 500.0 億円

生産性向上効果の高い IT ツールを「見える化」しつつ、中小企業のバックオフィス業務の効率化や売上向上に資する IT ツール(クラウド型サービス等)の導入を支援。

地域における中小企業の生産性向上のための共同基盤事業【補正】 10.0 億円

地域の中小企業の共同利用が見込まれる IoT 等の先端設備の導入とともに講習会など利用支援を行う公設試等を支援。さらに、地域未来投資促進法に基づく連携支援計画がある場合は優先的に支援。

中小企業・小規模事業者決済情報管理支援事業【補正】 4.0 億円

受注から入金までの決済業務等について IT を用いて効率化する実証を行い、 全国の中小企業に普及するための体制を整備する。

中小企業再生支援・事業引継ぎ支援事業【一般】 68.8 億円(61.1 億円)

「中小企業再生支援協議会」において、財務上の問題解決のための事業再生に向けた支援及び円滑な債務整理に向けた支援を実施。また、事業承継の促進・円滑化を図るため、「事業引継ぎ支援センター」による助言、情報提供、マッチング支援等をワンストップで実施。さらに、創業希望者と後継者不在
事業主等とのマッチングも実施。

事業承継・世代交代集中支援事業【補正】 50.0 億円

後継者難による廃業リスクの高い事業者に対し、プッシュ型の事業承継支援を行うとともに、経営者の世代交代等をきっかけに経営革新・事業転換を図る中小企業の設備投資等を支援。

地域中核企業・中小企業等連携支援事業【一般】 161.5 億円(155.0 億円)

中小ものづくり高度化法の計画認定または地域未来投資促進法の計画承認を受けた中小企業が、大学・公設試等と連携して行う研究開発、試作品開発及び販路開拓等を補助。また、中小企業等経営強化法による新連携計画認定を受けた中小企業が行う新たなサービスモデル開発等を補助。さらに、地域未来投資促進法の承認事業に対する設備導入を補助するとともに、国際市場に通用する事業化等に精通した専門家らを通じて、地域中核企業等による新事業のための体制整備から、事業化戦略の立案、販路開拓まで、事業段階に応じた支援を行う。

小規模事業者対策推進事業【一般】 49.4 億円(49.4 億円)

商工会・商工会議所等の支援体制の確保や、地域資源を活用した地域経済活性化等の取組を支援する。また、商工会・商工会議所が「経営発達支援計画」に基づいて実施する、伴走型の小規模事業者支援を推進する。

小規模事業者経営改善資金融資事業(マル経融資等)【一般】 42.5 億円(42.5 億円)

商工会・商工会議所等の経営指導員が経営指導を行うことを条件に、日本政策金融公庫が小規模事業者に対し、無担保・無保証人・低利で融資を実施する。また、「経営発達支援計画」の認定を受けた商工会・商工会議所の経営指導を受ける小規模事業者に対し、同公庫が低利融資を実施する。

小規模事業者支援パッケージ事業【補正】 120.0 億円

小規模事業者が商工会・商工会議所と一体となって取り組む販路開拓、生産性向上等の取組を支援。なお、事業承継に積極的に取り組む事業者による取組は重点的に支援。

中小企業・小規模事業者人材対策事業【一般】 18.5 億円(16.7 億円)

全国各地で中小企業への人材マッチングイベントやセミナーを開催し、好事例の横展開を図るなど、多様な人材(女性、高齢者、ミドル人材、外国人)の発掘、確保、定着の一括支援を行う。加えて、スマートものづくり応援隊(生産現場の工程改善や IoT・ロボット導入に知見を有する専門家)の人材
育成・中小企業への派遣を通じて、生産性向上を促進する。

中小企業信用補完制度関連補助・出資事業【一般】 61.0 億円(55.0 億円)

経営状況が悪化している中小企業者の借入に対して信用保証協会を通じて保証を行うとともに、債務不履行時の協会の損失の一部を補填することで、中小企業者等の資金繰りの円滑化を図る。また、経営改善・生産性向上に取り組む中小企業者等に対し、協会が地域金融機関と連携して経営支援を実施。

日本政策金融公庫補給金【一般】 165.1 億円(161.3 億円)

日本政策金融公庫に対して、基準利率と特別利率の利率差及び金利引下げ分について、財政措置を行うことで、創業や新事業の展開、事業承継などの重点政策課題に取り組む中小企業や、社会的・経済的環境の変化等の影響を受けている中小企業の資金繰りの円滑化を図る。

認定支援機関による経営改善計画策定支援事業【補正】 30.0 億円

中小企業者が認定支援機関の助力を得て行う、金融支援を含む本格的な経営改善計画の策定や、資金繰り管理・採算管理など早期段階における経営改善計画の策定について、引き続き支援を実施。

生産性向上に向けた経営力強化・設備投資支援【補正】 50.0 億円

中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けた中小企業者が、認定計画に基づいて、生産性向上のために行う設備投資に対して、引き続き、日本政策金融公庫による低利融資を実施。

日本政策金融公庫(国民生活事業)による創業支援【補正】52.0 億円 ※財務省計上

生産性向上を促進するため、創業期の中小企業・小規模事業者に対し、日本政策金融公庫による創業支援を実施。

中小企業取引対策事業【一般】 13.9 億円(13.9 億円)

下請事業者による連携を促進するなど中小企業・小規模事業者の振興を図るとともに、下請取引に関する相談の受付や、下請代金支払遅延等防止法の周知徹底・厳正な運用、官公需情報の提供等、取引の適正化を図る。

中堅・中小企業の海外展開/地域へのインバウンド拡大(独)日本貿易振興機構運営費交付金【一般】 239.3 億円(239.2 億円)

「新輸出大国コンソーシアム」の枠組みの活用や、海外見本市への出展支援、ミッション派遣、商談会を開催。農林水産物・食品輸出の専門機関「JFOODO」による海外市場調査、プロモーション等を実施。地域への外国企業の投資を促進。

地域・まちなか商業活性化支援事業【一般】 16.3 億円(17.8 億円)

商店街の類型に応じた全国のモデルとなる新たな取組や、コンパクトシティ化に取り組む意欲ある地域(中心市街地)における、波及効果の高い複合商業施設等の整備を支援する。

グローバル企業展開・イノベーション促進事業【補正】 40.1 億円

日 EU・EPA 等の発効を見据え、新輸出大国コンソーシアム」の EU 向け体制や農林水産物・食品輸出プロモーション体制の強化等により、中堅・中小企業等のグローバル展開を支援。

インバウンド型クールジャパン推進事業【補正】 58.5 億円

地域文化資源を活用した商店街等の取組やキッズウィーク等によるインバウンド観光消費の増進、クリエイターを中心としたコンテンツ海外展開支援、2025 年国際博覧会の大阪・関西への誘致に向けたプロモーション等。

厚生労働省関連

最低賃金の引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援【補正】 6億円

「生産性革命」に向けた集中的な支援を早期に図る観点から、生産性の向上に資する設備投資等を行い、事業場内の最低賃金を引き上げた中小企業・小規模事業者に対する助成金について、その支給対象地域を全国に拡大する。

中小企業・小規模事業者の資金繰り支援【補正】 13億円

生活衛生関係営業については、他の業種と比べ生産性が低いとの指摘があることから、生活衛生関係営業の生産性の向上を図るため、経営基盤の安定しない創業期の支援として、日本政策金融公庫が行う無担保・無保証融資に必要な経費を出資する。

生産性を高めながら働く時間の縮減等に取り組む事業者等の支援【一般】 56億円(23億円)

中小企業・小規模事業者が時間外労働の上限規制等に円滑に対応するため、生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む場合において、中小企業や傘下企業を支援する事業主団体に対する助成を行うとともに、働き方・休み方改善コンサルタントによる専門的な助言・指導等を行う。
過重労働防止に資する時間外労働の上限規制への対応に向けて、弾力的な労働時間制度等の労務管理に関する技術的な相談支援を行うため、47 都道府県に働き方改革推進支援センターを設置し、関係機関と連携を図りつつ、専門家による個別相談援助や電話相談等を実施する。

勤務間インターバルの導入促進【一般】15億円(7.7億円)

勤務間インターバルを導入する中小企業への助成金の活用や好事例の周知等を通じて、勤務間インターバルの普及促進を図る。

※「勤務間インターバル」は、勤務終了後、一定時間以上の「休息期間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するものです。

年次有給休暇の取得促進等による休み方改革の推進【一般】 2.5億円(2.4億円)

年次有給休暇の取得促進に向けて、普及啓発に努めるとともに、地域のイベントなどの特性を活かした取り組みを進める。また、平成 30 年度から実施される学校休業日の分散化(キッズウィーク)に合わせて中小企業にあっても年次有給休暇が取得できるよう取り組むなど、休み方改革を推進する。

最低賃金や賃金引上げに向けた生産性向上等のための支援等【一般】 253億円(215億円)

最低賃金の引上げの対応に向けて、生産性の向上に資する設備投資等への助成の拡充により、賃金引上げに取り組む中小企業・小規模事業者を支援する。
働き方改革推進支援センターにおける専門家による業務改善方法の提案や、生活衛生関係営業者の収益力向上に関するセミナーへの専門家派遣など、生産性向上等のための取組を進める。
引き続き、非正規雇用労働者の賃金規定の増額改定や人事評価制度や賃金制度の整備を通じて生産性向上を図り賃金アップ等を実現した企業に対する助成など、雇用管理改善に取り組む事業主に対して支援を行う。
金融機関と連携し、労働生産性向上に資する設備等への投資により雇用管理改善を図る事業主に対する助成を行う。

税制大綱関連

登録免許税の税率軽減

中小企業等経営強化法の改正を前提に、同法に規定する経営力向上計画(仮称)の認定(同法の改正法の施行の日から平成 32 年3月 31 日までの間にされたものに限る。)を受けた認定事業者が、当該計画に基づき行う次に掲げる登記に対する登録免許税の税率を軽減する措置を講ずる。

生産性向上設備導入にかかる固定資産税の軽減

革新的事業活動による生産性の向上の実現のための臨時措置法(仮称)の制定を前提に、市町村の導入促進基本計画(仮称)に適合し、かつ、労働生産性を年平均3%以上向上させるものとして認定を受けた中小事業者等の先端設備等導入計画(仮称)に記載された一定の機械・装置等であって、生産、販売活動等の用に直接供されるもののうち、同法の施行の日から平成 33 年3月 31 日までの間において取得されるものに係る固定資産税について、課税標準を最初の3年間価格にゼロ以上2分の1以下の範囲内において市町村の条例で定める割合を乗じて得た額とする措置を講ずる。
上記の特例措置の創設に伴い、中小企業等経営強化法に規定する認定経営力向上計画に基づき中小事業者等が取得する一定の機械・装置等に係る固定資産税の課税標準の特例措置は、適用期限をもって廃止することとし、関係規定を削除する。

不動産取得税の軽減

中小企業等経営強化法の改正を前提に、中小事業者等が同法に規定する認定経営力向上計画(仮称)に従って譲渡を受ける一定の不動産に係る不動産取得税について、当該不動産の価格の6分の1に相当する額を価格から控除する課税標準の特例措置を平成 32 年3月 31 日まで講ずる。

給与等支払い増加額の税額控除

青色申告書を提出する中小企業者等が、平成 30 年4月1日から平成 33 年3月 31 日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額の比較平均給与等支給額に対する割合が 1.5%以上であるときは、給与等支給増加額の15%(場合によっては25%)の税額控除ができることとする。

交際費等の損金不算入制度の延長

交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を2年延長するとともに、接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年延長する。

少額減価償却資産の取得価額の損金算入適用期限の延長

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)

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マネジメントオフィスいまむらは「ものづくり・サービス補助金支援」を得意としており、これまで75件の申請実績があります。当社は、平成28年度の「ものづくり・サービス補助金」において、支援した19社中17社が採択されました(採択率89%)。製造業分野においては、過去5年間の通算で、59社中48社を採択に導いています。(採択率81%)

公募が始まると、問い合わせ多数のために対応ができかねる場合がありますので、お問合わせはお早めにお願い申し上げます!

 

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